【導入事例】

コミュニケーションが提案力のもと。マネーフォワードのパートナーとして、金融業界のデータ活用に貢献。

コミュニケーションが提案力のもと。マネーフォワードのパートナーとして、金融業界のデータ活用に貢献。画像1

株式会社マネーフォワードさまは、2012年に設立された日本のFintech(フィンテック)を牽引する企業です。「お金を前へ。人生をもっと前へ。」をミッションに、家計簿・資産管理アプリ『マネーフォワードME』をはじめ様々な事業を展開しています。

Money Forward Xは、マネーフォワードの中で主に金融機関向けのサービスを提供するドメインです。BtoBtoB、BtoBtoC双方の領域でサービスを展開していますが、BtoBtoCの領域で手掛ける事業は主に2つ。
家計簿アプリなどのパッケージ化されたアプリをカスタマイズし、クライアント企業の個人顧客向けに提供する「ASP事業」と、ユーザーが持つ様々な金融機関のデータを収集するアグリゲーション技術などを活用したオリジナルのアプリをイチからクライアントと共に創る「共創事業」です。

メンバーズデータアドベンチャー(以下、DA)は、数年前から同社に常駐を開始。共創事業でリリースしたサービスのデータ分析によるグロースハック支援に携わっています。
DAは、同社やクライアントとどのように関係性を築き、課題解決に貢献してきたのか。マネーフォワードエックスカンパニー デジタル推進本部 カスタマーアナリティクス部 部長の小野裕明(おの ひろあき)さま(写真右側)と、同社に常駐するデータアナリストの篠崎幹典(しのざき みきのり)さん(左側)に話を伺いました。

(取材日:2022年12月21日 取材・文:長岡萌以)

 

コミュニケーションが提案力のもと。マネーフォワードのパートナーとして、金融業界のデータ活用に貢献。画像2

 

マネーフォワードに寄り添った人材提案と迅速な対応がDAを選んだ決め手

――はじめに、DAの導入に至った背景をお聞かせください。

小野裕明さま(以下、敬称略) 私たちの共創事業では、クライアントと共にアプリを作って終わりではなく、リリース後にユーザーの行動データを見ながら改善していくグロースハック支援まで行っています。こうした活動を拡大するうえで、社内の人間だけでグロースハックのプロジェクトを回していくことが難しくなり、外部の方にサポートいただきたいと考えたことが導入のきっかけでした。
検討の際は複数の会社にお声掛けさせていただいたのですが、そのなかでも御社は我々に寄り添ってフィットしそうな方をご紹介いただけたことと、対応がとても速かったため、お願いすることにしました。

 

――今日お話しいただく篠崎さんの前任者も、DAの方だったと伺いました。

小野 はい、前任の方は分析力に長けている方でした。データ分析支援に携わる方は、分析力に長けた方とビジネス的な視点に長けた方に分かれると思っているのですが、前任の方は前者、篠崎さんは後者だと思います。もちろんどちらの能力もみなさん一定レベルは持ってらっしゃると思いますが、御社には様々な能力をお持ちの方がいると感じています。
元々は弊社メンバーだけで対応していましが、ありがたいことに手掛ける案件が増え、手一杯な面がありました。私の部門ではグロースハック支援事業のほかに、ASP事業も担当しているのですが、なかなかASP事業の方に携わる時間が取れない状況で。DAにデータ分析の支援をお願いしてからは、バランスよく両方の事業にリソース配分ができるようになりました。

 

コミュニケーションを基に、目的に沿ったアクションを提案

――篠崎さんの現在のお仕事を教えてください。

篠崎幹典さん(以下、敬称略) 具体的な業務としては、ユーザー分析やダッシュボードの作成、定例ミーティングの資料作成等です。毎週開かれるクライアントとの定例会議に合わせて資料を用意するのですが、事前に小野さんと内容をすり合わせて、認識や、伝え方等についてフィードバックをいただき、修正・改善をしています。

小野 クライアントにはプロダクトを作る目的があります。それに対し今の状況や達成率、未達の原因といった点を分析し、改善プランを提案するのが私たちのミッションです。
入社当初、篠崎さんには、“この数字を抽出する”という作業単体で動いてもらうことが多かったのですが、今は目的を理解したうえで分析アクションの提案までしてくださるのでとても助かっています。

 

――篠崎さんは元々データ分析の経験がなかったとのこと。小野さまから見て、篠崎さんの成長や仕事ぶりはいかがですか?

小野 最初の面談でデジタル系サービスの分析経験がないことは伺っていたのですが、コミュニケーション能力が高く、ストイックに自分で勉強されている方なので、業務に必要な分析スキルはすぐにキャッチアップしてもらえそうだなと思っていました。
プロジェクトの途中から参加していただいたこともあり、分析スキルの獲得に加えて、プロジェクトの進め方や過去の経緯などのキャッチアップも必要だったので、最初のうちは多くの時間を使ってお互いの考えをすり合わせていましたが、数カ月経つ頃には篠崎さんに大部分をお任せできるようになりました。いまでは直接クライアントとやり取りもしていただいていて、環境適応の速さに驚きつつ大変感謝しています。

篠崎 ありがとうございます。小野さんはそうおっしゃってくれますが、私は元々コミュニケーションには自信がなかったんです。相手の言っていることを正しく理解できているのかどうか自信がなくて。それに加え、業務はテレワークが中心になるため、なるべくコミュニケーションの量を増やすことで、小野さんの考えを理解するように努めました。

小野 会社同士の受発注の関係ですと気を遣って、質問などをしにくいという場合もあるかと思います。ですがDAの方は篠崎さんも前任の方も、会社の垣根なくコミュニケーションをとってくださいます。
篠崎さんは積極的に、「今回のプレゼンは何点でしたか?」とか「ここはどういう意味で言っていたか、伝わっていましたか?」といったことを聞いてくれるんです。
プロジェクトは、関係者全員が社内外の区別なく1つのチームとしてまとまってこそ成功するものだと思うので、DAさんはチームに溶け込んでくれるところがいいなと感じています。

篠崎 小野さんにプレゼンの点数を聞くことは、小野さんの考え方を理解するのに役立つんです。たとえば点数が60点だった場合、残りの40点についてフィードバックをいただいて、認識のすり合わせをすることで小野さんの考えを理解して、次のアクションに活かすことができます。

 

――では、最近のプレゼンの点数は……

小野 もちろん、とても高いですよ! 最初は緊張でガチガチでしたし、資料もだいぶ手直しさせていただいていました(笑)。

篠崎 今でも覚えているのは、分析チームの方針を決める初期の打ち合わせのときに、小野さんにイメージを頂いてつくったものが大外れで、かなり修正したことです。自分の力不足を痛感しました……。

小野 いまは大きな修正はありません。目的を理解して、ご自身で考えて動いてくださっています。

 

コミュニケーションが提案力のもと。マネーフォワードのパートナーとして、金融業界のデータ活用に貢献。画像3

 

「やりたいことをぼんやり伝えれば、何を分析すべきか考えてくれる人」としてクライアントからの信頼を獲得

――そうした成長の裏には、ご自身で勉強される努力もあったとのことですが。

篠崎 コミュニケーションを重視する一方、分析スキルは努力で補おうと考えていました。なので、DAのPCを使ってSQLの練習をしたり、自分が興味を持ったプログラム言語を業務に活かせないか、効率化できないかといったことを模索していました。
特に分析スキルは前任者の強みだったため、まずはそこに追い付こうと。その次は小野さんの言っていることを理解する、という段階を踏んでいきました。

小野 一緒に働き始めて三カ月くらいで、同じ視点で議論できるようになりました。入社前の期待値と実際の活躍が良くない意味で乖離してしまうことはあると思うんですが、篠崎さんは期待値を超える活躍をしてくれています。
分析スキルが高いメンバーは他にもいるので、高度な分析はそのメンバーに振ることも想定していたのですが、基本は篠崎さん一人で担当していただいています。

 

――クライアントと篠崎さんとの関係性はいかがですか?

小野 やりたいことをぼんやり伝えれば、何を分析すべきか考えてくれる人と認知してくれていますよね。「この数字が見たい」といった細かいオーダーではなく、篠崎さんにテーマを伝えれば提案してくれると思ってもらえているなと。
マネーフォワード、DA、クライアントが信頼感を持ってチームとして連携できています。それは篠崎さんのアウトプット量はもちろん、一緒にしっかりと話し合いをしてきた結果です。

篠崎 最初は前任者からの引継ぎだったため、先方に信頼していただけているのかが不安でした。ですが小野さんのご支援もあり、いまは信頼感を持ってもらえるようになったと感じます。

――そんな篠崎さんのご活躍もあり、DAからもう1名データアナリストを追加いただけることになったと伺いました。

小野 同じチームの一員として意見を言ってくれる篠崎さんを見て、次にデータ人材を増員する時もDAにお願いしようということになったため、新しくアサインさせていただきました。いま篠崎さんが入っているプロジェクトには、プロダクトの開発やデザイナーチームのメンバーもいるのですが、篠崎さんはそうしたメンバーとも密に話してくれています。篠崎さんの仕事ぶりは他部署のメンバーも知っているので、追加にあたっては社内の納得感もありました。

 

――具体的に、篠崎さんがしてくれた提案や、篠崎さんが入ったことで起きた変化等があればお聞かせください。

小野 最近は、「次は何を分析するべきか」という点を考えてくれています。最初はアウトプットのクオリティを高めることに注力していたのですが、徐々に、プレゼンに組み込む提案内容や、分析チームとして次何をすべきか、といったことも意見をくれるようになりました。チームとしての活動について篠崎さんと意見交換ができるようになったことで、プロジェクトの質が上がったと感じています。

篠崎 ありがとうございます。でも、自分ではまだまだ上を目指したいと思っています。
提案にも、スピード重視のアイデアからじっくり考え込まれたものまで、様々なレイヤーがあると思うのですが、それを高めていくことが来年(2023年)の目標ですね。

 

社員の一員としてチームを拡大し、会社や業界全体の目標に貢献

――来年の話が出ましたので、小野さまから、今後の篠崎さんやDAへの期待をお願いします。

小野 データ活用に取り組めていない企業が世の中には多くあるので、当社としては、グロースハック支援をどんどん行っていきたいと考えています。その際はぜひ、篠崎さんのような方に入っていただき、共にチームを拡大していけるといいですね。マネーフォワードとDAで、金融業界の支援をしていきましょう。
また、現在は私がプロジェクトのゴールや指標の設計を行っているのですが、それができる方もいるといいなと思っています。

 

――いまの小野さまのお話を受けて、篠崎さんはいかがでしょうか。

篠崎 個人目標は先程の通りですが、いま小野さんがおっしゃった会社や業界全体の目標に私も貢献していきたいです。データを活かせていない、データ活用の取り組みが進んでいない企業さまやユーザーの皆さまに対しても、マネーフォワードさまとともにデータ活用を広げていきたいです。それがこの業界に携わる者の責務だと感じます。
そのためにもまずは自分のスキルを高め、いま小野さんが担っていることを私ができるようになり、小野さんにはさらに活動の幅を広げていただけるといいのではないかと思っています。

コミュニケーションが提案力のもと。マネーフォワードのパートナーとして、金融業界のデータ活用に貢献。画像4