【導入事例】

データのプロがジョインすることでチームの機能が高まり、マーケティングがより高速に。

データのプロがジョインすることでチームの機能が高まり、マーケティングがより高速に。画像1

株式会社丸亀製麺さまは、47都道府県に837店舗(2024年1月時点)を展開し、店舗数・売上ともに群を抜く飲食業界のトップリーダーです。丸亀製麺 を運営する株式会社トリドールホールディングスでは、「本能が歓ぶ食の感動体験を探求し、世界中をワクワクさせ続ける」ことをミッションに掲げており、データ活用においては、感性×データ活用による感動ドリブンマーケティングを重視。独自のデータに基づいた戦略を遂行し、業績に結びつけています。

メンバーズデータアドベンチャー(以下、DA)が、同社マーケティング本部コミュニケーション&CXデザイン部グロースアナリシス課での常駐を開始したのは2023年6月。どのような背景からDAを導入し、課題の解決にどう繋がったかを同課の課長、間部徹(まべ とおる)さま(写真右)と早津美波(はやつ みなみ)さま(写真左)、DAの大坂冬子(おおさか とうこ)さん(写真中央)にうかがいました。

(取材日:2024年1月24日)

 

部門横断型のデータ活用で、効果的な戦略を実行

―― DA導入の経緯について教えてください。

間部徹さま(以下、敬称略) 2023年1月に開催されたセミナーで、DAの白井恵里社長と登壇者同士でご挨拶をさせていただきました。そのときはじめてDAを知り、常駐サービスに興味を抱いたのがきっかけです。その後、営業の方から詳細な説明を受ける中で、DAが提供する価値に魅力を感じ、導入に至りました。

 

――DAに魅力を感じた背景をお聞かせください。

間部 まずひとつはデータ分析の人員不足が課題でした。もうひとつは業務のスピードです。
我々のチームの業務範囲は、マーケティング戦略やブランド戦略だけでなく、予算や売上など経営に関わるものもあり、非常に広範です。
また、単にデータを提供するだけではなく、そのデータをもとに他部署と連携して戦略を策定し、実行に移すといった「伴走型」の業務スタイルを取っています。分析、戦略策定、実行までのスピード感をより高めるためには、データエンジニアリングができ、かつデータ分析ができるスペシャリストが必要だと感じていました。

 

――当時、外注のデータサイエンティストが1人いたとうかがいましたが。

間部 有能な方でしたが、半常駐というかたちで常にオフィスにいるわけではないので、タイムリーな相談や業務依頼が難しいことがありました。特にコロナ禍のリモートワークが多かった時期は、外部スタッフとのスケジュール調整に手間がかかり、対面のような円滑なコミュニケーションが難しい状況もありました。
弊社は施策の立案や展開が迅速であるため、なんとかしたいという感覚を持っていました。DAの常駐サービスは、勤務形態をこちらに合わせてくれるので、常に顔を合わせてコミュニケーションを取ることができ、短期的な意思決定のためのアドホックなデータ分析にも迅速に対応してもらえるという点で大きなメリットがあったため、導入を決断しました。

データのプロがジョインすることでチームの機能が高まり、マーケティングがより高速に。画像2

 

面接で浮かんだ「チームの一員」としてのDAのイメージ

――貴社は独自のマーケティングモデルを有していると聞きました。具体的にはどのようなものですか。

間部 弊社ではKANDOを意思決定の軸とするKANDOドリブンマーケティングを行っています。ただし、前提として、弊社には「データは未来を予測するための手段である」という考え方があります。過去の検証ではなく、将来を見据えるためにデータを活用すべきだと考えています。
また、弊社は単にうどんを提供するだけでなく、うどんを通じてお客様に「感動体験」を提供することを理念としており、2026年までに全国で970店舗の展開を目指しています。この目標の実現には、持続的な成長が必要であり、お客様が「また来たい」「丸亀製麺で食べてみたい」と思える感動を創出することが不可欠です。
弊社ではこのように、目指す方向性と実現したいことが明確であるため、その達成に向けて、必要なデータや活用方法を明確にするために「丸亀製麺のマーケティングモデル」を構築しました。どのようなデータや活用法などが必要なのかが図式化されており、データの収集・分析もこれに基づいて行います。これは決して定型のモデルではなく、刻々と進化し続けているのが特徴です。また弊社ではMMM(マーケティング・ミックス・モデリング)を導入し、マーケティング活動が売上に与える影響を数値化し、マーケティング予算の配分を最適化する取り組みも行っています。

MMM

 

――それでは、大坂さんにうかがいます。丸亀製麺さまで常駐を開始してから、どのような業務に携わってきましたか。

大坂冬子さん(以下、敬称略) 最初に、私が入るまで手動で行われていたデータの抽出作業を自動化しました。これにより、必要なデータを必要なタイミングでスピーディーに出せるようになりました。その後も、継続的に発生するデータを適宜使いやすいように整理して出しています。
現在はMMMをはじめとする分析に必要なデータの新規取得や、日々のトレンド変化を追うためのアウトプット作成を担当しています。

データのプロがジョインすることでチームの機能が高まり、マーケティングがより高速に。画像3

 

――大坂さんは、丸亀製麺さまで使用しているBIツール「Qlik Sense」を使ったことがなかったそうですが、業務に対する不安や戸惑いはありませんでしたか。

大坂 お話をいただいてから実際に業務を始める前に、Qlik Senseを試してみて、ダッシュボードを作成するなどのテストを行いました。1カ月あまり時間があったので、その期間に準備を進めました。

間部 最初にDAの営業の方に「Qlik Senseを使える人はいますか」と尋ねたところ「使用経験のある人はいないので、代わりにキャッチアップが早い人を選定します」との回答をいただき、大坂さんが紹介されました。確かに当初から、彼女のキャッチアップは早い印象がありましたね。

早津美波さま(以下、敬称略) 大坂さんが作成したダッシュボードを見せていただいたり、お話しをさせていただくなかで、キャッチアップの速さやコミュニケーション能力の高さを感じ、「この方なら大丈夫だ」と思いました。
間部の話にもありましたが、当部署の業務は他部署との連携が非常に重要で、ディスカッションの機会が非常に多いです。ですから、ツールを使用する能力や分析力だけでなく、コミュニケーション力も重要です。彼女がチームの一員としてマーケティング本部で一緒に働く姿をはっきりとイメージできましたので、きてもらえたら心強いと思いました。

データのプロがジョインすることでチームの機能が高まり、マーケティングがより高速に。画像4

 

自分とは異なる能力を持った人がいつも近くにいて、気軽に相談できることが魅力

――大坂さんが常駐して約6カ月が経過しましたが、業務に変化は現れていますか。

早津 全体的に業務のスピードと質が飛躍的に向上したと感じています。
丸亀製麺の事業成功の肝は「迅速な意思決定」であるため、私たちは業務のスピードを重視しています。大坂さんにはエンジニアとアナリストのスキルがあり 、データの加工から分析までを一気通貫で対応してもらえるため、業務のスピードが非常に上がりました。
また、随時コミュニケーションを取りながら進められるため、業務の質も向上しています。私のほうで分析を進める場合もありますが、第三者の意見を求めたいときに近くに大坂さんがいてくださるので助かります。「この分析結果、どうアウトプットすべきだと思う?」などと相談することもできて心強いですね。私はもともと広告プランニングを得意しておりますので、データの加工や抽出、分析に長けた大坂さんの存在はありがたいです。
現在、3人でアプリデータの分析と活用に取り組んでいますが、その議論の中で「KPIをこの指標で計測してはどうですか」という提案をいただいたりもしています。自分とは異なる能力を持った人がいつも近くにいて、気軽に相談できるのでとても助かっています。

間部 私は通常、事業推進に関わる案件を担当しています。早津さんはプランニングとコミュニケーション領域、大坂さんはエンジニアリングとアナライズを担当しています。3人の業務は共通する部分も多いですが、大坂さんの加入により、それぞれが得意な領域で能力を発揮できる体勢が整ったと感じています。

 

――間部さまは課長として、データ分析とその活用について、お二人に伝えている考え方や方針はありますか。

間部 まず重要なのは、目的に応じてデータを見極めることです。データの中には活用できないものも多く存在しますからね。
そして、分析のアウトプットは、活用する人がどう使えば良いかを理解できる形にすることです。データは見方によって解釈が異なり、またデータ分析自体に懐疑的な意見を持つ人も少なくありません。
最終的には、自分たちの利益につながり、業務にプラスになるデータを、相手に理解してもらえるレベルまで落とし込み、納得してもらうことが重要です。しっかりと説明できないと、データが独り歩きしておかしな解釈を生むことがあるので注意が必要です。

データのプロがジョインすることでチームの機能が高まり、マーケティングがより高速に。画像5

 

データの利用シーンに合わせてアウトプットを工夫

――大坂さんは高い評価をいただいているようですが、過去の常駐経験も踏まえて、今の業務で大切にしていることを教えてください。

大坂 私が大切にしているのは、必要なデータをタイムリーかつ素早く提供することです。丸亀製麺さまは、今まで見たことがないほどデータの種類が豊富であり、PDCAサイクルのスピードも驚くべきものです。ですから、よりいっそうスピードが重要だと思っています。
また、データをもとに議論することが多いので、初めはざっくりとした状態でデータを用意し、議論に合わせて柔軟にデータを引き出せるようにも心がけています。以前の常駐先でも同様のアプローチを取っていました。

間部 原因をつきとめる探索型の案件では、データが緻密でないほうが多角的に物事を考えられるという観点で、そのやり方は私の考えとも合致しています。

早津 大坂さんは、アウトプットをダッシュボードとExcelで出す場合がありますね。この使い分けは意図されているのでしょうか。Excel版はレポートの形に整えて出してくださるので、他の部署との打ち合わせや添付で送る際にも都合が良いなと感じていました。

大坂 はい、用途や利用者にあわせて使い分けを行っています。探索型の案件では、データを深掘りしながら議論するため、ダッシュボードのほうが適しています。一方で、単純な数字の提示のような場合は、Excelを用いるほうが他の部署との共有がしやすいと考えています。

データのプロがジョインすることでチームの機能が高まり、マーケティングがより高速に。画像6

 

――先ほど早津さまから「チームの一員として」という話がありましたが、その面で大坂さんが心がけていることはありますか。

大坂 皆さんが計画されるイベント に参加したり、丸亀製麺さまの店舗で食事をしたりするように心がけています。実際の経験を通じて、皆さんの取り組みを理解することは非常に大事だと思います。自らの体験を投資して、必要とされるデータを見極める視点も養えます。また、香川で行われる社員研修にも参加しました。

間部 香川での研修の目的は、丸亀製麺の本質を理解することです。弊社は「感動体験」を提供することをミッションとしていますが、外部スタッフでも社員と同じマインドがないと、感覚的にずれたデータ分析をしてしまうことがあります。数字だけでなく、体験を通じて価値観を共有しようとする大坂さんの姿勢を私たちは高く評価し、丸亀製麺の社員だと思って接しています。

 

エンジニア領域からアナリスト領域へ。丸亀製麺のマーケティング力をより強化

――今後、大坂さんにどのような活躍を望みますか。

間部 今、主にやっていただいているデータ整理は、あくまでフェイズ1だと思っています。今後はアナリストとして私たちの議論に加わってほしいですね。
データを使って会社を成長させることが私たちの役割です。私たちがチームとして動き、データを有効に活用することで戦略の確度が上がります。それが弊社の業績の向上に寄与しているという実感はあります。近年は収集するデータが増えていますし、さまざまな手法で分析に取り組んでいます。来期に向けた構想もあるので、大坂さんのアナリストとしての力量に期待しています。

 

――こうした期待に、大坂さんはどう応えようと考えていますか

大坂 多岐にわたるデータを見ていると、丸亀製麺さまがどのような会社かが見えてきます。特に思うのは、それらがどれもはっきりとした目的を持って集められたデータだということです。常に進化し続けるために、データを活用したマーケティングをきちんとやっている会社だという印象を受けます。
今行っている分析のほか、フェイズ2においてはこれからアプリに関するデータなども増えていきます。私は過去の案件で、アプリの成長・増大(グロース)を目的としたデータ活用に携わっていたので、まずはそこから積極的に意見、提案をしていきたいと思っています。

間部 個人がそれぞれの強みを発揮し成長を続けることで、チームの総合力が上がり、結果的に丸亀製麺のマーケティングがより強くなります。大坂さんは、データのプロフェッショナルとしての強みを発揮することで その一助を担ってくれています。今後もチームの一員として、一緒に丸亀製麺の未来を創っていきたいと思います。

データのプロがジョインすることでチームの機能が高まり、マーケティングがより高速に。画像7

自走力が高く、“中の人”目線で動ける
データ活用のプロフェッショナルを提供します

お問い合わせ

データ活用のプロになるための
学習・実践環境を用意します

採用情報