Excelで行う売上やその他数字の分析

ナレッジ
2024.06.28
Excelで行う売上やその他数字の分析

データ分析と聞くと高度な計算や知識が必要と身構えてしまいます。多少の知識は必要になりますが、”手早く簡単に数字の動向を調べたい” など目的によっては特別な分析ツールや知識を大量に要せずとも可能な場合が多くあります。
多くの方になじみのあるExcelでも可能な分析もまた、多くあります。普段使いの延長で操作可能なものが多いため、普段データに触れない方でも比較的簡単に分析できるかと思います。以降Excelを使った分析のメリット・デメリット、できることや機能の紹介をしていきたいと思います。

執筆者のご紹介

くりた
所属:株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー アナリスト事業部 データアナリスト
データアナリストとしてメーカーや、スーパーなどの小売業の分析を行っています。具体的には売上の分析、施策の効果検証や設計に携わっています。
分析ツールの一つである Tableau を中心に扱い、膨大なデータから目的となるデータの抽出・分析、可視化やダッシュボード化を行っています。
その他ツールではExcelやPythonを状況に応じて活用しています。
経歴
メーカーの営業を経て2023年にメンバーズ入社
顧客企業にデータアナリストとして常駐し施策効果検証や顧客分析、データ活用の内製化を支援。

目次
01.| そもそもExcelでデータ活用は可能なのか?
02.| Excelで分析を行う際のメリットとデメリット
  メリット
  デメリット
03.| Excelでデータの活用を行う場合のポイント
04.| データ活用の際備えておくべきExcelの基礎知識とは
05.|売上データ分析をExcelで行う際の方法は?
  分析のためのデータ加工
  Excelで代表的な分析
06.|Excelでは難しいデータ分析はある?
  複雑な分析の実施
  データ量の制限
07.|まとめ

そもそもExcelでデータ活用は可能なのか?

Excelは、データの整理・加工、可視化、分析を強力にサポートするツールとして、幅広い分野で活用されており、多くの人にとってなじみ深いツールです。膨大なデータから知見や傾向を導き出すために、Excelの活用は有用な手段だと考えます。
しかし、Excelでの分析にはメリット・デメリットも存在します。

 

Excelで分析を行う際のメリットとデメリット

メリット

  • 多くの人が使用経験のあるツールであり、導入コストも低い
    Excelの関数はデータ分析を目的としていなくとも使用経験がある方が多く、今まで培った経験が活きやすいです。他の分析ツールを使用するには言語の習得等・ツールの操作理解等が必要になることが多く、習得コストが高いですが、Excelでは普段使いの延長にあたる部分もあり習得コストが比較的少なく済むと考えます。
    また、すでに導入されている方や企業も多く、使用までのコストが少なく済みます。
  • 視覚的な確認が容易
    分析用のツールでは、算出ロジックは出力されずあくまで結果の数値のみが出力されることが多いです。しかしExcelでは関数を用いて数値を出力した際に算出ロジックも残ります。実際に関数にどの数値を用いたかが色付けされるため視覚的にも易しいと感じます。

デメリット

  • 膨大なデータや処理に不向き
    Excelにはデータの最大数が決まっており膨大なデータには対応できない場面があります。
    また、データ量が許容範囲であっても処理速度が遅くなることがあります。
    基礎的な分析・可視化機能は備わっていますが、複雑な分析・可視化には不向きというデメリットもあります。

 

Excelでデータの活用を行う場合のポイント

当然ですがデータ分析専用のツールを使用したほうが基本的に処理も速く、分析可能な内容も多いです。Excelよりも可視化に優れたツールも多く、簡単かつ効果的な可視化を行うことも可能です。
分析的な機能で劣る点が多いExcelですが、素早くデータを分析し、傾向を把握をする際には非常に有効です。また、高度な計算を要しない分析を行う際にも、敢えてツールに読み込ませる必要なく手元で簡単に処理できる利点もあります。
ただし、Excelは社内でバージョンが統一されていない場合があります。分析に使用する関数によっては互換性がなく機能しない場合があります。
Excelを使用するうえでバージョンの違いは注意しておくべき点です。

 

データ活用の際備えておくべきExcelの基礎知識とは

Excelには、データ分析を簡単に、かつ効率的に行うための様々なツールが備わっています。代表的なツールは以下の通りです。

  • データ分析ツール
    相関分析、回帰分析、検定など、統計分析を行うためのツールがセットになっています。
    各分析手法の採択仕方や出力結果の解釈の仕方は学習する必要がありますが、使い方は易しく、算出に必要なデータの範囲を指定するだけで出力可能なことが多く便利です。
  • ピボットテーブル
    ピボットテーブルは、データを多角的に分析し、集計や比較を簡単に行うことができる機能です。
    特に任意の粒度でデータをまとめ、簡単な集計関数で集計を行う機能は非常に便利です。データをまとめた場合もドリルダウンで要素の詳細を確認することも可能です。
    操作についても基本がドラッグ&ドロップで行うことができ、操作したそばから反映・出力されるため直観的・視覚的に操作が可能です。
  • csvファイルの読み込み
    売上データなどデータの受け渡しにはcsvファイルが使用されることがあります。
    csvファイルをダブルクリックし、直接Excelで開いてしまうと実際とは異なるデータが表示される場合があります。
    よく起こることが “数字の0落ち”や ”数字の日付化” です。
    特に各種コードなどで頭の0落ちは見逃しやすく、事実とは異なった示唆を与えてしまう可能性があるため注意が必要です。
    csvファイルはテキストエディタを介して開く方法やPower Queryの使用により正しくExcelで読み込むことができます。

 

    売上データ分析をExcelで行う際の方法は?

    分析のためのデータ加工

    手元にあるデータが目的の分析に適していない場合があります。目的に応じてデータを加工する必要があります。目的がはっきりとしている場合、不要な情報は取り除き、必要な情報は足すといった処理を行います。
    主に行う処理をいくつか紹介します。

    • 必要情報の結合
      売上と顧客ID、顧客IDごとの住所が別のデータにあり、住所ごとの売上を分析したい場合、二つの情報を結ぶ必要があります。
      vlookup関数等の使用により実現することができます。ただし今回のケースでいう ”顧客ID” のようにつなぎたいデータ間で同じ情報を持つことが条件です。
      vlook関数以外の関数やPower Queryの使用でも情報の補完・結合は可能です。
    • フラグ処理
      ”A” という商品を買った顧客、〇〇円以上購入した顧客、クーポンを利用した顧客など分析を行いたい対象が明確な場合。
      Excel関数の ”IF” を使用し、条件に該当すれば ”1” 、該当しなければ ”0” などを付与することでいわゆる〇×情報を加えます。
      ピポットテーブルで分析を行う際にも対象群と非対象群ごとの集計が簡単にできたり”回帰分析” に転じたりと分析の幅が広がります。
      フラグの組み合わせにより ”〇〇円以上購入” かつ ”クーポンを利用した顧客” などの抽出も容易になり、顧客や商品の深堀を行い属性や特徴の分析につながります。

    Excelで代表的な分析

    • デシル分析
      デシル分析はExcelを使用し誰でも簡単にできる分析の一つです。
      顧客を売上の高い順位に並べ10等分し、各グループの情報を分析する手法です。
      10等分に細分化することで各グループの特徴を正確に理解・把握することが可能です。特に売上の高い上位グループの売上増加を目的とした場合、対象となるグループ傾向に合致するような施策を行う等、より効果的に顧客へアプローチすることができます。
      このようにデシル分析を行うことでより効果的なマーケティング施策検討が可能になります。
      ただし、今回売上を基準に10分割したように、一つの情報のみで顧客を細分化しており、その他の情報は排除されている点は評価の際考慮しなければなりません。
    • 相関分析
      Aが変化するとBも伴って変化するか否かを明らかにし、比較する2つの間に特徴があるか否かを簡単に把握することが可能な分析です。
      例として冷凍食品の品揃えが多い店舗は店舗の売上も高くなる傾向があるかないかをおおまかに判断する際に使用します。
      判断の指標となる相関係数の算出はExcelに備わっている ”分析ツール” の活用や ”Excel関数” の使用で求められます。相関係数は-1から1の間で表現され、この数字が-1と1のどちらかに寄っているかで判断されます。
      冷凍食品の品揃えが多ければ売上も多いことが結果として出たので各店舗冷凍食品の品揃えを増やし売上拡大を図ろうという判断の材料になります。
      一方、冷凍食品の品揃えが多いのは単純に店舗規模が大きく売上も多かっただけで売上の大小には冷凍食品の品揃えは直接関与していなかった、といったように本当に2つの要因が原因と結果の関係にあるかの判断も重要です。
    • ダッシュボード化
      あらかじめ関数を組んでおき、所定のフォーマットでデータを張り付ければすべて自動で計算・グラフ化を行うことができます。Excelフォーマットを作成することで定常作業で毎回関数を打ち込み作成していた作業もデータの貼り付けだけで済むようになります。

     

    Excelでは難しいデータ分析はある?

    複雑な分析の実施

    簡単な関数の組み合わせでは実現しない分析や、Excelに備わっていない複雑な分析を行うには分析専用のツールの使用が好ましいと考えます。

    データ量の制限

    一番の難点はデータ量の制限にあると思います。データベースからデータを抽出する際、可能な限り余分なデータを排除したりしてデータ量を軽くする必要があります。場合によってはデータの再抽出を行う必要が出たりと分析がスムーズに運ばないことがあります。また、データ量の制限以内でも数十万行を超えるような大きなデータを扱う場合にはExcelの処理速度が大幅に低下するなど膨大なデータを扱う際にも分析専用のツールの使用が必要になってきます。

     

    まとめ

    大まかに素早くデータの傾向をつかむ際にはExcelで十分対応可能な場面が多々あります。特にExcelは業務環境に標準装備されていることも多く導入-習得までのコストが分析ツールの導入-習得に比べると少なく済む点も魅力的です。
    一方で膨大なデータを扱う際や高度な分析を行うにはExcelだけでは荷が重い場合があり、分析専用のツールを採択するなど、目的に合わせて使用していくことも重要であると考えます。

    普段の業務でExcelを使用している方も使用していない方も分析の取っ掛かりとしてExcelは十分な役目を果たせると思いますのでぜひチャレンジしていただければなと思います。

     


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