データ分析プロジェクトは、なぜ失敗ばかりなのか。

この記事では、データ分析プロジェクトで失敗しがちなパターンとその解決方法を紹介します。
具体的には、以下のことがわかります。
- ・データ分析プロジェクトの失敗がなぜ起こるのか、その理由
- ・どうすれば失敗を回避し成功へと導けるのか
- ・失敗しがちなプロジェクトのパターン
▶目次
01. データ分析でよくある失敗パターン
01-1. 始め方に問題があるパターン:「このデータで何かできないかな?」
データ分析プロジェクトの失敗の多くは、この一言から始まっています。データ分析や生成AIプロジェクトが注目される中、焦る気持ちはわかりますが、もしあなたが今取り組んでいるプロジェクトがこの言葉でスタートされている場合、プロジェクトの半分はもう失敗している可能性があります。
データである以上、何かしらの計算をすれば、何かしらの結果は出ます。
しかし、それが実社会で役に立つとは限りません。
このように開始されたプロジェクトは、最終的な着地点を見出せずに延々と続くか、途中で頓挫してしまいます。
常に課題起点で考えることが重要です。
01-2. 途中に問題があるパターン:「これは難しすぎて結果が出ないから、結果が出やすい課題に取り組もう」
このパターンも典型的な失敗例です。
データ分析を担当しているプロジェクトマネージャーやアナリストは、結果を求められるため、結果がすぐに出ない場合、焦りが生じます。課題が難しすぎると、データの入手が困難だったり、そもそも手段が確立していなかったりすることがあります。
時間が限られているため、結果が出ない状況に耐えきれず、解くべき課題をすり替えることがあります。
課題をすり替えると、プロジェクトの根幹が揺らぎ、せっかくの分析やプロダクトが、実社会で役に立たなくなります。
本当に結果が必要であれば、リソースを追加投入するか、今解決が難しいと判断して撤退するのもひとつの手段です。
01-3. 終わり方に問題があるパターン:「で、この分析結果は何の役に立つの?」
たとえデータ分析がうまく進んだとしても、結果が実際に活用されなければ意味がありません。
よくあるのが、データ分析者とその結果を活用する経営者や現場の認識がずれているケースです。あるいは、分析に時間がかかりすぎたために、結果が出る頃には既に不要になっていることもあります。
解くべき課題を明確に設定し、短期間でマイルストーンやゴールを設定することが、実用的なデータ分析を成功させる鍵となります。
02. データ分析における失敗談と解決方法
02-1. 常に課題ありき
データ分析プロジェクトの始まりは、必ず「顧客や社員が何に困っているのか?何があればその困りごとが解決しそうか?」と考える必要があります。
私がプロジェクトに参加する際には必ず「これは誰向けの何を解決するプロダクトですか?」と確認します。
明確に答えられない場合、失敗する可能性が高いため、まずはそこから規定することが重要です。
例えば、一般社員に向けた業務効率化のデータプロダクトを作っているつもりが、実際には管理職向けのデータプロダクトが求められていた、というようなケースはよくあります。
現在取り組んでいるプロジェクトが「誰に向けた、何を解決するプロダクトか?」を改めて問い直してみてください。
02-2. 手元にあるデータはほとんど使い物にならない
「データはあります」と言われることは多いですが、目的なく収集されたデータで最終目的に役立つことは少ないのが現実です。
例えば、業務アプリケーションのログを用いて社員の行動パターンを分析しようとしたケースがありました。
しかし、ログの取り方が不適切で、誰の行動なのか判別できなかったり、特定の社員しか利用しないアプリだったりと、偏ったデータしか存在しませんでした。
結局、全員からデータを取得する手段を確立し直し、分析をやり直しました。このように、目的を明確に定めた上で、適切なデータを取得することが重要です。
また、手元にあるデータを無理に成形して利用する場合、追加コストが発生することも多いです。適切なデータを早期に取得することが、成功への近道になります。特に、季節性のあるデータは年単位で収集が必要なケースも多いため、迅速にデータ取得を開始すべきです。
02-3. 途中で解くべき課題をすり替えてはいけない
プロジェクトが難航すると、課題をすり替えてしまうことがあります。
「今のデータでは解決できないから、別の簡単な課題にアプローチしよう」という考えに陥りがちですが、これは多くの場合、プロジェクトの失敗につながります。簡単に解決できる課題には競合が多く、そもそもデータ分析を必要としない場合が多いため、ビジネス的な価値が低くなってしまいます。
もし、解決することで大きなビジネスインパクトが見込めるなら、データ取得のための投資や人員増強を検討すべきです。逆に、インパクトが薄い課題に対して無理に取り組む場合は、プロジェクトをクローズする決断も必要です。
02-4. 果てしなく続く長いPoCから成果は生まれない
私が関わったプロジェクトの中には、PoC(概念実証)を始めてから2年が経過したものもありました。
そのプロジェクトでは、立ち上げ時のメンバーはすでにおらず、目的も曖昧なまま、変化するビジネス環境の中で延々と続いていました。人件費だけでも数千万円がかけられていたため、中止する決断ができず、結果も出せない状態でした。
そこで、「誰向けの何を解決するものか?」を再定義し、データ取得を見直し、プロジェクトの期限を明確に設定しました。最終的にはプロジェクトをクローズすることになりましたが、短期間のマイルストーンを設けたことで、経営判断がしやすくなりました。
PoCの成功には、短期間で成果を出す仕組みが不可欠です。私の経験では、2週間以内で完了できないタスクはスコープが大きすぎる可能性があります。
プロジェクトの最終目標を設定したら、まずは2週間で取り組めるアプローチを考えてみてください。すべてを完璧にこなすのは難しいかもしれませんが、役立つものは必ず作れるはずです。
データ取得、分析、アプリケーション化を2週間で試すことで、方向性が正しいのか、それとも軌道修正が必要なのかが明確になります。これにより、プロジェクトの舵取りがスムーズになります。
03. データ分析の手順と意識すべきポイント
03-1. 目的の明確化と仮説設定
繰り返しになりますが、目的を明確にしてください。
誰に向けた、どんな課題を解決するものか、決めましょう。
もちろん、それはPoCという形で検証されることが多いです。
短期間のPoCで、データ分析プロダクトが本当に役に立つのかを検証するため、常に仮説を持って課題にアプローチすることが重要です。
03-2. データの収集・加工
目的にあったデータを収集するのが肝要です。
すでに存在するデータだけで成果を出せることは稀であるため、データ収集は早めに開始するのが望ましいでしょう。
また、アプリケーションのログやデータベースは、データ分析のために蓄積されたデータではありません。
そのため、データ分析に適した形へ加工することが不可欠です。
03-3. データの可視化・施策立案
データはそのままでは理解しにくいため、BIツールなどを活用し、統計情報として可視化すると理解しやすくなります。
データに偏りはないか、仮説の立証につながるか、どのような施策が打てるかを確認し、慎重に検討しましょう。
03-4. 効果検証・PDCA
データ分析は、迅速かつ短期間で検証を繰り返すことが重要です。
長期間にわたるPoCでは成果が出にくいため、必ず短いマイルストーンを設定し、効果検証を行いましょう。
データプロダクトであれば、実際にユーザーに使ってもらうことが重要です。 その結果をもとに施策やプロダクトを少しずつ洗練させ、より良いものへと進化させていきます。
まとめ
最後に、データ分析プロジェクトで失敗しないために重要なポイントを再確認します。
- ・必ず課題を起点にプロジェクトを始める
- ・「データがあるから」といった理由で開始しない
- ・「誰の、どんな課題を解決したいのか」を明確にする
- ・解くべき課題をすり替えない
- ・適切な粒度で短いPoCを繰り返し、仮説検証を行う
あなたのデータ分析プロジェクトが成功するための一助となれば幸いです。
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