データ活用の効果的な方法とその重要性:ビジネス優位性の獲得に向けて

ナレッジ
2024.06.28
データ活用の効果的な方法とその重要性: ビジネス優位性の獲得に向けて

総務省(2020)「デジタルデータの経済的価値の計測と活用の現状に関する調査研究※1」によると、データ利活用の効果を享受するには、データ活用を高度化することが有効であるとの分析結果が得られています。高度化とは、難解な分析手法を用いることでは必ずしもないと思っています(手法を知っていることは大事ですが)。難解な手法を用いるというよりかは、適切な課題設定とそれに対応した分析手法とデータ選定を行い、分析結果を解釈して意思決定することだと考えています。本記事では、データ利活用を効果的に行うために何をどのように行うべきなのかを以下6つのステップで紹介していきます。
①データ活用とは
②データ活用のメリット
③どのように利用するデータを決めるのか
④データ生成過程を確認する
⑤分析手法ってどうやって決めるの?
⑥分析結果をどのように解釈し意思決定に活用するのか?

※1 出典:「令和5年版情報通信白書」(総務省)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/pdf/n2100000.pdf
licensed under CC BY 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja

執筆者のご紹介

所属
サービス開発室 秋山
業務内容
データ利活用に関する試験研究/新規事業開発案件における企画・推進をリードしています。GIS(地理情報システム)や機械学習・深層学習モデルなどの技術を活用したり、評価指標設計をしたり、プロジェクト方針の意思決定をしたりしています。
経歴
経済学部卒業後、外資系SIerにて生命保険事業におけるEUCシステムの設計・構築とプロジェクトリードを経験しました。社会人経験後、一橋大学経済学研究科にて産業組織論や応用ミクロ経済学、計量経済学を専攻し、ジョイントベンチャーなどの企業組織形態の最適化に関する理論分析や企業カルテル・談合に関する実証分析などを行ってきました。大学院卒業後、株式会社メンバーズ データアドベンチャーカンパニーに入社した。

目次
01.| データ活用とは
02.| データ活用のメリット
03.| どのように利用するデータを決めるのか
04.| データ生成過程を確認する
05.| 分析手法を決定する
06.|分析結果の解釈と意思決定への活用
07.|まとめ

 

データ活用とは

データ活用とは、収集された情報やデータを分析し、分析結果に基づいて意思決定を行うプロセスを指します。現代のビジネス環境において、企業は大量のデータを収集し、それを有効に活用することで競争優位性を確立しています。データ活用の具体的な例として、顧客の購買履歴を分析してマーケティング戦略を最適化したり、センサーからのデータを使って製造プロセスの効率を向上させることが挙げられます。これにより、企業は顧客のニーズをより正確に把握し、より効果的な製品やサービスを提供することが可能になります。また、データ活用はビジネスだけでなく、医療や教育、公共サービスなどさまざまな分野で重要な役割を果たしています。

 

データ活用のメリット

データ活用には多くのメリットがあります。まず、データに基づく意思決定は直感に頼るよりも精度が高く、リスクを低減する効果があります。例えば、売上データを分析することで、需要の予測精度が向上し、在庫管理が最適化されるため、コスト削減が可能です。また、顧客データを活用することで、顧客の嗜好や行動パターンを理解し、パーソナライズされたサービスを提供することができます。これにより、顧客満足度の向上やリピーターの増加が期待されます。さらに、データを活用することで、新しいビジネスチャンスの発見やイノベーションの促進も可能になります。たとえば、ソーシャルメディアのデータを分析することで、消費者トレンドをいち早くキャッチし、新製品開発に活かすことができます。このように、データ活用は組織全体の効率性や競争力を高めるための重要な手段となっています。


どのように利用するデータを決めるのか

利用するデータを決定する際には、まず解決すべき課題や達成したい目標を明確にすることが重要です。次に、その課題や目標に対して最も関連性の高いデータを特定します。それに加えて分析対象(顧客、企業など)の行動原理を整理しておくこともデータ選定の上で役立つと思います。
たとえば、顧客満足度を向上させたい場合、顧客のフィードバックや購買履歴、ソーシャルメディアのコメントなどが有用なデータとなります。また、データの品質も重要な考慮点です。信頼性の高いデータソースから取得し、データが最新で正確であることを確認する必要があります。さらに、データの入手方法やコストも考慮に入れる必要があります。必要なデータが社内に存在しない場合、外部から購入することも検討するべきです。最後に、データの形式や構造も考慮し、分析に適した形であるかを確認します。

 

データ生成過程を確認する

データ生成過程を確認することは、データの信頼性と品質を確保するために重要です。データは通常、収集、処理、保存の各ステップを経て生成されます。まず、データ収集の段階では、センサー、トランザクションシステム、ソーシャルメディアなど、さまざまなソースからデータが収集されます。次に、収集されたデータはクレンジングやフォーマット変換などの処理が施され、分析に適した形に整えられます。この段階で、データの誤りや欠損を修正し、一貫性を持たせることが求められます。最後に、処理されたデータはデータベースやデータウェアハウスに保存され、後の分析に利用されます。この過程で、データの整合性やセキュリティも確保されるべきです。また、データの生成過程全体を監査し、記録を残すことで、後からデータの出所や変更履歴を確認することが可能となります。

 

分析手法を決定する

分析手法を決定する際には、分析の目的や対象データの特性を考慮することが重要です。以下に、分析手法を決めるためのステップを示します。

  1. 目的の明確化: まず、何を明らかにしたいのか、どのような問題を解決したいのかを明確にします。例えば、売上の予測を行いたいのか、顧客のセグメンテーションを行いたいのかによって、適用する手法が異なります。
  2. データの特性評価: 次に、データの種類(数値データ、カテゴリデータ、テキストデータなど)、データの量、欠損値の有無などを評価します。このステップでデータの前処理が必要かどうかも判断します。
  3. 手法の選択: 目的とデータの特性に基づいて、適切な分析手法を選択します。例えば、数値データの相関関係を調べるためには回帰分析が適しており、カテゴリデータの分類には決定木やランダムフォレストなどの機械学習アルゴリズムが有効です。以下にいくつかの代表的な分析手法を紹介します。
    - 回帰分析: 連続変数の関係をモデル化し、予測を行うために使用されます。
    - クラスター分析: データをグループに分け、パターンを見つけるために使用されます。
    - 決定木分析: データの分類や予測を行うために使用されます。
    - 時系列分析: 時間の経過に伴うデータの動向を分析し、予測を行います。
    - テキストマイニング: テキストデータを解析し、情報を抽出するために使用されます。
  4.  モデルの構築と評価: 選択した手法を用いてモデルを構築し、データに適用します。モデルの性能を評価するために、適切な評価指標(例えば、平均二乗誤差、正確度、F値など)を使用します。クロスバリデーションやトレーニングセットとテストセットの分割なども行い、過学習を防ぐことが重要です。
  5. モデルの適用とチューニング: 最終的に選んだモデルを適用し、必要に応じてパラメータの調整やアルゴリズムのチューニングを行います。これにより、モデルの精度やパフォーマンスを向上させることができます。

 

分析結果の解釈と意思決定への活用

分析結果を解釈し、意思決定に活用するためには、以下のステップを踏むことが重要です。

  1. 結果の確認: まず、分析結果を詳細に確認します。これは、グラフや表、統計的指標などを用いて視覚的に理解しやすい形で提示されることが望ましいです。結果が期待通りかどうか、異常値やパターンがないかをチェックします。
  2. 結果の解釈: 分析結果をビジネスの文脈に照らして解釈します。例えば、売上予測モデルの結果から、特定の季節に売上が増加する傾向が見られた場合、その理由を検討します。顧客セグメンテーションの結果から、どの顧客グループが最も利益をもたらすかを考察します。
  3.  意思決定への反映: 解釈した結果を基に、具体的なアクションプランを策定します。例えば、売上が増加する季節に向けて在庫を増やしたり、利益率の高い顧客グループに対してターゲットマーケティングを実施したりします。重要なのは、結果をどのようにビジネス戦略に組み込むかを明確にすることです。
  4.  フィードバックと改善: 分析結果に基づいて行動した後、その結果をモニタリングし、効果を評価します。期待通りの成果が得られたかどうかを確認し、必要に応じてアプローチを調整します。これにより、データ分析プロセスは継続的に改善され、より高い精度と効果を持つようになります。
  5. コミュニケーション: 分析結果を関係者に分かりやすく伝えることも重要です。専門的な用語や複雑な統計情報を避け、シンプルで具体的な説明を心がけます。これにより、組織全体での理解と合意が得られやすくなり、データに基づく意思決定がスムーズに進行します。

これらのステップを踏むことで、データ分析の結果を効果的に活用し、組織のパフォーマンスを向上させることができます。

 

まとめ

データ活用とは、収集したデータを分析し、分析結果を基に意思決定を行うプロセスです。現代のビジネス環境では、企業が大量のデータを有効活用することで競争優位性を得ることが求められています。データ活用には多くのメリットがあります。データに基づく意思決定は直感に頼るよりも精度が高く、リスクを低減します。例えば、売上データの分析で需要予測精度を高め、在庫管理を最適化することでコスト削減が可能です。さらに、顧客データを活用することでパーソナライズされたサービス提供が可能となり、顧客満足度やリピーターの増加が期待されます。また、データ分析により新たなビジネスチャンスやイノベーションの促進も可能です。
データ分析手法を決定するには、目的や対象データの特性を考慮することが重要です。まず、解決すべき課題や目標を明確にし、関連するデータを特定します。次に、データの品質や入手方法を考慮し、適切な形式に整えます。分析手法は目的とデータの特性に応じて選択し、モデルの構築と評価を行い、必要に応じてチューニングを行います。最終的に、分析結果をビジネスの文脈で解釈し、具体的なアクションプランを策定して意思決定に活用することでデータ活用を促進できます。

 


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秋山

 

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