BIツール併用でデータ分析を効率化!Tableau×他BIツール併用のメリットとは

ナレッジ
2025.03.03
タイトル:BIツール併用でデータ分析を効率化!Tableau×他BIツール併用のメリットとは

効率的なBIツール運用を目指すには、複数のツールを併用するアプローチが効果的です。特にTableauは、他のBIツールと組み合わせることで、それぞれの強みを引き出し、より柔軟で効果的な分析運用を実現します。そこで本記事では、BIツールの基本から選定のポイント、代表的なツールの比較、さらにTableauを中心に複数ツールを併用するメリットと具体的な活用例までを詳しく解説します。

 

執筆者のご紹介

-名前 坂本
-所属 株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー アナリスト事業部
-現在大手通信キャリア企業に常駐しアクセス解析視点でサービスのグロース支援を行っています。分析ツールではGA4、LookerStudio、BigQuery、Tableauを中心に扱い、データの抽出〜データの可視化/ダッシュボード作成を行っています。

 

目次
01.|BIツールとは?
   BI(ビジネス・インテリジェンス)
   BIツールでできること
02.|BIツール選定のポイント
   スピード感のある意思決定ができるか
   機能面での柔軟性や融通性はどの程度か
   使う人のレベル感やニーズに合っているか
   適切なコストか
03.|代表的なBIツールを比較
04.|複数のBIツールを併用するメリット
   コスト最適化
   効率的なデータガバナンス整備の実現
05.|複数のBIツールを併用するための3ステップ
   BIを使う目的の明確化
   扱う人材と組織の明確化
   BI利用用途と権限ロールの明確化
06.|おすすめのBIツール併用例
   「Tableau」と「LookerStudio」
   「Tableau」と「Domo」

 

01.|BIツールとは?

 01-1.BI(ビジネス・インテリジェンス)

BI(ビジネス・インテリジェンス)とは、データを効率的に収集・整理し、意思決定に役立つ形で可視化する仕組みや手法のことです。企業が膨大なデータを収集・活用できるようになった今、迅速で正確な意思決定が求められており、BIはその実現に欠かせない概念です。

 01-2.BIツールでできること

BIツールはこのBIを実現するためのソフトウェアやシステムのことで、企業データの分析や可視化を支援することができます。具体的には、複数のデータソースから情報を統合し、売上や顧客動向、在庫管理などの情報をリアルタイムで把握することが可能です。また、グラフやダッシュボードを用いて直感的にデータの可視化を実現することができ、データ分析に専門知識がなくても扱いやすい点が大きな利点です。
さらに、BIツールは意思決定を加速させるだけでなく、部署間の情報共有や業務効率の向上にも貢献します。現代の競争環境で優位性を保つためには、BIツールの活用は不可欠といえるでしょう。

サンプルデータを用いたダッシュボード例実際のダッシュボード例(サンプルデータをもとに作成)

 

02.|BIツール選定のポイント

BIツールを選ぶ際には、業務に最適なツールを選定するためのいくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。

 02-1.スピード感のある意思決定ができるか

データの処理速度やリアルタイム性が高いツールであれば、迅速な意思決定をサポートすることができます。ダッシュボードやレポートの更新頻度、データを即時に反映できる機能などが重要です。

 02-2.機能面での柔軟性や融通性はどの程度か

柔軟性や融通性とは例えば、さまざまなデータソースに対応しているか、複雑な分析やカスタムレポートを簡単に作成できるか、などです。また、API連携や拡張性があると、他システムとの統合もスムーズに行うことができます。

 02-3.使う人のレベル感やニーズに合っているか

利用者のスキルや業務内容に合ったツールであることも大切です。直感的なインターフェースを持つツールであれば、ITスキルの少ないスタッフでも扱いやすく、全社的な活用(データドリブンの浸透)が進みます。

データドリブンマーケティングについて詳しくはこちらで解説しています→マーケティングデータでどんなことができるの?データドリブンマーケティングとは?

 02-4.適切なコストか

コストパフォーマンスも無視できません。初期費用だけでなく、ライセンス料や運用コスト、将来的な拡張費用も含めて検討しましょう。コストと機能のバランスが取れたツールを選ぶことが鍵です。

これらのポイントを踏まえ、自社のニーズや目標に合致するツールを選定することで、BIの活用効果を最大化できます。

 

03.代表的なBIツールを比較

以下の表は、BIツールを簡単に評価したものです。

BIツール比較表

このようにさまざまな特徴を持ったBIツールがありますが、ツールの強みや特徴を活かしつつ効率的な使い分けや併用を行い、業務のニーズに合ったBIツールを選ぶことが重要です。

 

04.複数のBIツールを併用するメリット

 04-1.コスト最適化

例えば、高度なデータ分析や可視化にはコストの高いTableauなどのBIツールを導入するべきですが、データの簡易な操作や現場向けのレポート作成などには、LookerやDomoなどの低コストツールで十分なケースも多いです。
そのため、影響範囲が広い戦略的な意思決定をサポートする部署や複雑なデータ分析を必要とする部署では高コストのBIツールを活用し、最低限の機能だけでも十分な部署には低コストのBIツールを導入する、といったように、BIツールを用途に応じて使い分けることでより効率的な運用をすることができます。

 04-2.効率的なデータガバナンス整備の実現

また、複数のツールを併用することでデータガバナンスの整備も効率的に実現できます。異なるツールを活用することで、各ツールに適したデータ管理方法を適用しやすく、データの一貫性や正確性を保ちながら、セキュリティの強化も可能になります。これにより、業務の現場ごとのデータの扱いやすさが向上し、ガバナンスのルールも柔軟に適用できるため、全体のデータ活用環境が整備されやすくなります。

 

05.複数のBIツールを併用するための3ステップ

 05-1.BIを使う目的の明確化

まず、BIツールを使用する目的をはっきりさせることが大切です。例えば、ダッシュボードやレポート作成、データ分析、グロース支援など、目的によって必要なツールや機能が異なります。目的が明確であればそれに最適なツールを選定し、どのツールがどの目的に最も適しているかを判断しやすくなります。

 05-2.扱う人材と組織の明確化

次に、BIツールを使う人材や組織の役割を明確にします。誰がどのツールを使うのか、どの部署が利用するのかを決めることで、ツール選定や導入がスムーズになります。また、使う人材のスキルやニーズに合わせてツールを選定することも、効果的な活用に繋がります。

 05-3.BI利用用途と権限ロールの明確化

最後に、BIツールの利用用途に応じて各ユーザーの権限ロールを明確に設定することが重要です。多くのBIツールには、機能ごとに異なるユーザー権限を設定できる機能があります。例えば、データを編集できる管理者権限、分析結果を閲覧するだけの閲覧者権限など、ユーザーごとに必要な権限を割り当てることができます。これにより、データのセキュリティ強化や誤操作を防ぐことができたり、各ユーザーが必要な範囲でツールを活用できるため、ツール運用が効率的かつ安全に行えます。

 

06.おすすめのBIツール併用例

 06-1.「Tableau」と「Looker Studio」

弊社支援事例:BIツール併用導入でデータ民主化を推進(EC事業会社)
データ活用文化を根付かせるには、運用ルールやデータ基盤の整備が不可欠です。あるEC事業会社では、データの可視化やダッシュボード作成に課題を抱え、以下の問題が浮き彫りになりました。

  • 各部門で独自のデータ管理が行われていることによる統一性の欠如
  • データの質が十分に担保されていないことによる分析精度への影響
  • ツール導入の教育不足による運用効率の低下

そこで以下のような施策を実施しました。

  • 組織運営の見直し:データ管理体制を再構築し、経営視点での指標統一することで、組織全体でのデータ活用方針を明確化。
  • BIツールの活用推進:Looker Studioでは日常業務の分析を行い、Tableauでは高度な可視化を提供するというように、データ可視化の目的別にツールの役割分担を行い、分析体制を整備。
  • 教育と運用の効率化:利用者向けに運用ルールを明確化し、ツール利用のトレーニングを実施。各部門が自律的にデータを活用できる環境を構築。

これらの取り組みにより、データ品質の改善と分析業務の効率化が実現されました。さらにデータ民主化の基盤を整え、組織全体でのデータ活用が推進されました。

 06-2.「Tableau」と「Domo」

弊社支援事例:BI環境のスリム化とデータガバナンス強化(金融関連企業)
複数のBIプラットフォームを導入しても、運用ルールが整備されていなければ、データ活用の足かせになることがあります。とある金融関連企業では、TableauとDomoを併用していましたが、乱立したダッシュボードや重複タスクが原因で効率低下と運用負荷が発生していました。
そこで、状況を解消するため以下のような施策を実施しました。

  • 乱立したダッシュボードの整理:不要なダッシュボードを削除し、パフォーマンス性を向上。
  • タスクの効率化:タスクの棚卸をし、運用負荷を軽減。
  • 権限管理の一元化:利用者ごとに適切なアクセス権を設定し、セキュリティを強化。

これにより、現場の混乱を解消し、安全かつ効率的にBIツールを活用できる環境をわずか2か月で構築しました。結果、データ活用の生産性が大幅に向上し、運用の安定性も確保されています。

 

まとめ

BIツールを効率的に活用するためには、用途に応じたツールの使い分けが重要です。
Tableauをはじめとする高度な分析・可視化機能を持つツールと、Looker StudioやDomoなどの低コストで直感的なツールを組み合わせることで、コスト最適化や業務効率化を実現できます。また複数のツールを併用することで、データガバナンスの整備も進み、各部門でのデータ活用促進にもつながります。反対に、1つのツールだけを導入することが、組織のニーズにマッチしている場合もあります。
導入する際には目的を明確にし、組織のニーズに合ったツール選定と、権限管理を適切に行うことが大切です。柔軟なツールの活用を進めることで、より効果的なデータ分析環境を整備し、企業全体のデータドリブン文化を醸成することができます。

 

 

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