今回お伝えしたいことは、以下です。

 

執筆者のご紹介

M.H
所属:株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー
サービス開発室所属
データマネジメント、データビジュアライゼーション領域を中心に、データ活用におけるコミュニケーション設計と、データ「そのもの」の整備を担当しています。
ディレクター的な立ち回りで、データアナリストやデータサイエンティスト、データエンジニアとビジネスサイドをつなぐ役割もしばしば担います。

目次
01.|データ分析とデータ可視化の違い
  データ分析とは?
  データ可視化とは?
  データ分析とデータ可視化の関係性
02.|データを正しく理解できる人は意外と少ない?
  1.担当者のデータリテラシー不足
  2.専門用語の壁
  3.組織の教育不足
03.|データを適切に理解し、可視化することの重要性
  意思決定の迅速化
  チーム内の共通認識の形成
  業務の効率化と生産性向上
04.|適切なデータ可視化のための前提条件
  データの背景や取得方法を確認する
  ビジネス目標に照らし合わせて解釈する
  データの変動要因を考慮する
05.|データを正しく理解するためのプロセス
  目的の明確化
  データの品質チェック
  データ可視化による示唆の抽出
06.|データ可視化による業務改善の実践方法
  適切な可視化ツールを選択する
  データの種類に応じた適切なグラフを選ぶ
  組織内でデータ活用を定着させる
07.|おわりに

 

01.|データ分析とデータ可視化の違い

 

「データ分析」と「データ可視化」は、どちらもビジネスにおける意思決定をサポートする重要な手段です。
しかし、それぞれの役割や目的は異なります。データ分析は、データを収集・処理し、統計解析や機械学習を用いて有益な示唆を抽出するプロセスを指します。一方、データ可視化は、分析の前後でグラフやダッシュボードを通じてデータを視覚的に表現し、誰もが直感的に理解できるようにする手法です。

データ分析とは?

データ分析は、数値やテキストなどのデータを整理・加工し、そこから意味のある情報を引き出すプロセスです。データ分析には以下のような工程があります。

  1. データの収集: 業務システムやアンケート調査、センサーデータなど、さまざまなソースからデータを収集します。
  2. データの前処理: 欠損値の補完、異常値の除去、データの統合などを行い、分析しやすい形に整えます。
  3. データの分析: 統計手法や機械学習アルゴリズムを用いて、データのパターンや相関関係を導き出します。
  4. 結果の解釈と意思決定: 分析結果を基に、どのようなアクションを取るべきかを検討します。

例えば、小売業の売上データを分析し、「週末に特定の商品カテゴリの売上が増加する傾向がある」と判明した場合、それを活かして週末のプロモーションを強化する施策を検討できます。

データ可視化とは?

データ可視化は、分析の前後でデータを分かりやすく伝えるための手法です。単なる数値の羅列ではなく、グラフやチャートを活用することで、情報の理解度を高め、迅速な意思決定を可能にします。

データ可視化のメリット

例えば、ある飲食店の売上データを可視化し、「特定の曜日に売上が増加する傾向がある」とわかったとします。
これを折れ線グラフで表現することで、ビジネス担当者は素早く状況を把握し、曜日ごとの人員配置を調整したり、プロモーション戦略を立てたりする判断がしやすくなります。

データ分析とデータ可視化の関係性

データ分析とデータ可視化は密接に関連しており、どちらか一方だけではビジネスにおける意思決定を十分に支援することはできません。データ分析を行って得た示唆を、可視化によって直感的に伝えることで、より多くの関係者がデータに基づいたアクションを取ることが可能になります。

例えば、ECサイトの購買データを分析し、「20代の女性が特定の曜日に特定の商品を購入する傾向がある」と判明したとします。この結果を可視化することで、マーケティングチームがターゲットを絞った広告戦略を考案しやすくなります。

データ分析とデータ可視化を効果的に活用するには?

  1. データ分析の目的を明確にする: 何のためにデータを分析し、どのような示唆を得たいのかを明確にすることが重要です。
  2. 適切な可視化手法を選ぶ: 分析結果を伝えたい相手に合わせて、最適なグラフやチャートを選びましょう。
  3. BIツールを活用する: TableauやPower BIなどのビジネスインテリジェンスツールを活用すると、データの可視化と共有がスムーズになります。
  4. 定期的にデータを見直す: 分析・可視化の結果をもとに施策を実施した後は、その効果を定期的にチェックし、改善を繰り返すことが重要です。

 

02.|データを正しく理解できる人は意外と少ない?

 

データ分析を専門とするデータサイエンティストやデータアナリストが高度な分析を行っても、それを適切に活用できなければ意味がありません。実際に、多くのビジネスパーソンがデータをうまく解釈できず、せっかくの分析結果が十分に活かされないケースが少なくありません。

データの価値は、ただ収集・分析するだけでは発揮されません。データを正しく理解し、それをビジネスの意思決定に活かせるかどうかが鍵となります。
しかし、多くの企業において、データ活用がスムーズに進まない理由はいくつか存在します。

1.担当者のデータリテラシー不足

データリテラシーとは、データを適切に読み取り、解釈し、意思決定に活かす能力を指します。しかし、多くのビジネスサイドの担当者は、データの読み方や統計の基礎知識が不足しており、分析結果を適切に活用できていません。

データリテラシーが不足する理由

例えば、ECサイトの売上データを見た際に、単に「売上が上がった」「売上が下がった」と捉えるのではなく、「どの曜日・どの時間帯に売上が増えているのか」「特定の商品カテゴリーに影響があったのか」など、具体的な要因を探る視点が求められます。

2.専門用語の壁

データ分析の結果は、専門的な統計用語やアルゴリズムの名前とともに報告されることが多く、ビジネスサイドの担当者にとって理解しづらいことがあります。

難解な専門用語の例

例えば、「この製品の売上は気温と相関があるため、回帰分析を行いました」と報告されても、「相関」や「回帰分析」の意味を知らなければ、結果をどう解釈すべきか分からなくなります。その結果、分析結果がうまくビジネスに活かされないまま終わってしまうこともあります。

これを防ぐためには、データ専門家がビジネスパーソンに分かりやすい言葉で伝える工夫が必要です。また、ビジネスパーソン自身も基本的なデータ分析の知識を学ぶことが重要です。

3.組織の教育不足

企業がデータドリブン経営を掲げても、それを実現するための研修や学習機会が提供されていないケースが多く見られます。

データ教育の課題

例えば、企業内でBIツール(Tableau、Power BIなど)を導入したとしても、従業員がその使い方を理解していなければ活用されません。データ活用を推進するためには、継続的な教育プログラムが必要です。

上記のようにデータを正しく理解できなければデータ活用につなげることは不可能です。
データを正しく理解するために有効な手段としてデータの可視化が存在します。
次章では更に詳しく可視化の重要性を解説します。

 

03.|データを適切に理解し、可視化することの重要性

 

データを正しく理解し、可視化することは、ビジネスにおいて極めて重要な役割を果たします。データは単なる数字の集まりではなく、正しく解釈し、効果的に可視化することで、価値ある情報として活用できるようになります。

データを適切に理解し、可視化することで得られる主なメリットは以下の通りです。

意思決定の迅速化

データ駆動型の意思決定とは?

データに基づいた意思決定(データドリブン意思決定)は、感覚や経験に頼るのではなく、客観的なデータをもとに戦略や施策を決定する手法です。データを適切に可視化することで、次のようなメリットがあります。

チーム内の共通認識の形成

データ可視化がチームワークを強化する理由

企業では、マーケティング、営業、経理、物流など、複数の部署が関わりながら業務を進めます。しかし、それぞれの部署が異なる視点でデータを解釈してしまうと、共通のゴールに向かうことが難しくなります。

データを適切に可視化することで、以下のような効果が得られます。

業務の効率化と生産性向上

データ可視化による業務改善のポイント

データを可視化することで、業務フローのどこにボトルネックがあるのかを発見し、改善することが可能になります。

 

04.|適切なデータ可視化のための前提条件

 

データを適切に理解するとは、単に数値を並べたり、表やグラフを作成することではありません。データの背後にある文脈や影響要因を把握し、それがビジネスにどのような意味を持つのかを正しく解釈することが重要です。データは、それ単体では意味を持ちません。適切な分析と解釈を加えることで、意思決定に役立つ示唆を引き出せるのです。

データの背景や取得方法を確認する

データの信頼性を確保するためのチェックポイント

データを正しく理解するためには、まず「そのデータがどのように取得されたのか」を確認することが不可欠です。データの出所や取得方法が不明確な場合、誤った結論を導いてしまう可能性があります。

具体的な確認ポイント

ビジネス目標に照らし合わせて解釈する

データの目的を明確にする

データの解釈を間違えないためには、「何のためにこのデータを分析しているのか?」という目的を常に意識することが重要です。データが意味を持つのは、ビジネス目標や課題と結びついたときです。

目的に応じたデータの活用例

データの変動要因を考慮する

データの変動を引き起こす要因

データは常に変動しています。その変動の背後には、何らかの要因が存在しており、それを特定することがデータ分析の大きな役割の一つです。

 主要な変動要因の例

 

05.|データを正しく理解するためのプロセス

 

データを適切に活用し、ビジネスに役立つ示唆を得るためには、単に数値を分析するだけでは不十分です。データには背景があり、その品質を確保したうえで、適切な方法で可視化し、継続的にモニタリングすることが重要です。

データを正しく理解し、活用するためには、以下の3つのステップを踏むことが必要になります。

 

目的の明確化

なぜデータを分析するのか?

データ分析の第一歩は、「何のためにデータを分析するのか」という目的を明確にすることです。目的が不明確なままデータを扱うと、膨大な情報の中で迷ってしまい、結局何も得られないことになりかねません。

目的を明確にするための質問

データを活用する際には、以下のような質問を自問すると、目的が明確になります。

事例:売上向上を目的とする場合

例えば、あるECサイトの売上を向上させることが目的だとします。この場合、以下のようにデータを整理していきます。

  1. 課題: 売上が伸び悩んでいる。
  2. 重要な指標: 訪問者数、コンバージョン率、平均注文単価。
  3. 必要なデータ: 広告の効果測定データ、購買履歴、ユーザーの行動データ。
  4. 期待する結果: データを分析し、購買につながる施策を検討。

このように、目的を明確にすることで、適切なデータを収集し、分析を進めることができます。

 

データの品質チェック

なぜデータの品質が重要なのか?

データの品質が低いと、誤った分析結果を導いてしまい、間違った意思決定をするリスクがあります。そのため、データを活用する前に、品質チェックを行うことが不可欠です。

データの品質を確保するためのチェックポイント

 ① 取得元の信頼性

 ② データの更新頻度

 ③ 欠損値や異常値のチェック

事例:品質チェックの重要性

例えば、ある小売店が顧客の購買履歴を分析しようとしたとき、データの中に以下のような問題が見つかったとします。

このような状態のまま分析を行うと、売上の実態が正しく把握できず、誤った施策を打ってしまう可能性があります。そのため、データの品質チェックは分析前に必ず行うべき重要なプロセスなのです。

 

データ可視化による示唆の抽出

データを正しく理解するために可視化が必要な理由

データは数字のままでは直感的に理解しにくく、適切な解釈を行うためには可視化が必要です。適切なグラフを選択し、データの傾向やパターンを把握することで、ビジネスに役立つ示唆を得ることができます。

適切な可視化手法の選択

データを可視化する際には、適切なグラフを選択することが重要です。

可視化手法の選び方

データの種類

適したグラフ

適したグラフ

時系列データ

折れ線グラフ

売上の推移、アクセス数の変化

カテゴリー比較

棒グラフ

商品ごとの売上、部門別成績

割合の比較

円グラフ

市場シェア、顧客層の分布

相関関係の分析

散布図

広告費と売上の関係、品質管理の分析

階層構造の比較

ツリーマップ

企業の収益構成、カテゴリ別売上

地理的な分析

地図(ヒートマップ)

顧客の地域分布、配送エリアの最適化

具体例

例えば、売上データを分析する際、以下のようにグラフを選択すると適切な可視化が可能です。

ダッシュボードを活用し、継続的にモニタリングする

データ可視化の最大のメリットは、継続的にモニタリングできる点にあります。

BIツール(Tableau、Power BI、Looker Studio など)を活用すれば、売上データ、顧客データ、マーケティングデータなどを一元管理し、経営判断に活かすことができます。

 

06.|データ可視化による業務改善の実践方法

 

データ可視化は、業務の効率化や意思決定の迅速化に大きく貢献します。しかし、単にデータをグラフ化するだけでは、適切な示唆を得ることはできません。可視化を有効に活用するためには、適切なツールの選択、データの種類に応じたグラフの選び方、そして組織内でのデータ活用の仕組みづくりが重要です。

ここでは、データの可視化を業務に活かすための具体的な方法を紹介します。

 

適切な可視化ツールを選択する

どのツールを使うべきか?

データ可視化のツールには様々な種類があり、目的や扱うデータの規模によって適したツールが異なります。

BIツールの使い分けについては以下記事をご参照ください。

BIツール併用でデータ分析を効率化!Tableau×他BIツール併用のメリットとは

データを可視化!BIツール導入によるデータドリブンの促進

 

データの種類に応じた適切なグラフを選ぶ

データを可視化する際には、適切なグラフを選ぶことが重要です。誤ったグラフを使用すると、データの傾向を誤解し、間違った意思決定をする可能性があります。

可視化手法の選び方については前章の「適切な可視化手法の選択」にてお伝えしましたので詳細は割愛します。

 

組織内でデータ活用を定着させる

データ可視化を業務に活かすためには、組織全体でデータを活用する仕組みを整えることが重要です。単発の分析だけでなく、日常業務の中でデータを見て判断する習慣をつけることで、組織全体のデータリテラシーを向上させることができます。

① BIツールを活用したKPIモニタリング

BIツール(Tableau, Power BIなど)を活用することで、KPI(重要業績評価指標)のモニタリングが容易になります。

導入メリット

② 社内会議でダッシュボードを活用

データ可視化の習慣をつけるには、社内会議での活用が有効です。パワーポイントやExcelの報告資料を作成する代わりに、ダッシュボードを活用することで、最新のデータをリアルタイムで確認できます。

活用例

③ 可視化スキル向上を目的とした研修の実施

データ可視化を効果的に行うためには、社内のデータリテラシーを向上させることが重要です。そのため、定期的に可視化スキル向上のための研修を実施するのが有効です。

研修内容の例

 

おわりに

 

「データ分析」と「データ可視化」は、それぞれ異なる役割を持ちながらも、どちらもビジネスにおいて不可欠な要素です。

データの可視化を活用することで、情報共有の効率が上がり、ビジネスの意思決定スピードも向上します。まずは適切な可視化ツールを導入し、業務に落とし込むことで、データドリブンな文化を醸成しましょう。


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データアドベンチャーのサービスご紹介

本記事では、DXとデータ利活用について、以下の点をお伝えします。

DXの成果がなかなか出ず困っている方や、データ活用の状況や人材についてお悩みの方々に、少しでもお役に立てれば幸いです。

執筆者のご紹介

柏木啓良
所属:
株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー エンジニア事業部 データエンジニア
顧客企業に常駐し、アナリストが分析に使用するデータマートの作成・保守や機械学習モデル構築のためのデータ作成・整備を担当しています。
安定的なデータ品質や効率的な処理の実装・改善に奮闘しています。
経歴:
生命保険会社のシステム開発部門にて、保守・運用を担い、2023年3月にメンバーズに入社

目次
01.|DXとは何か。なぜデータ利活用が重要なのか
02.|DX推進におけるデータ利活用の重要性
  意思決定の基盤
  業務効率化
  顧客エンゲージメント
03.|日本のデータ利活用の現状
  日本と米国の比較
  DXの成果とデータ利活用の関係
  日本のデータ利活用の問題点
04.|データ利活用において必要不可欠なデータ人材
  データアナリスト
  データエンジニア
  データサイエンティスト
05.| DXを促進するデータ人材の予測
  データ人材の需要動向
  必要とされるスキルセット
  未来の計画
06.|データアドベンチャー内のデータ活用でのDX推進事例
07.|まとめ

 

01.| DXとは何か。なぜデータ利活用が重要なのか

 

DX (デジタルトランスフォーメーション) とは、デジタル技術やデータ利活用を駆使して、企業や社会全体の変革を実現することを指します。
経済産業省の「デジタルガバナンス・コード2.0」では、DXの目的を次のように定義しています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデ ルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

*1 出典:経済産業省「デジタルガバナンス・コード2.0」(2024年8月8日に利用)

 

02.| DX推進におけるデータ利活用の重要性

 

DXを推進するためには、データの利活用が必須です。データは、企業の意思決定の基盤となるだけでなく、業務効率の向上や顧客エンゲージメントの戦略においても不可欠な要素です。ここでは、特に重要な三つの視点について解説します。

意思決定の基盤

企業が最適な戦略を決定するためには、データに基づく分析が必要です。

業務効率化

業務プロセスの流れを数値化し、改善することで効率化が可能になります。

顧客エンゲージメント

データ利活用により、顧客との関係を強化し、長期的な関係構築を行うことができます。

データ利活用により、企業のDXを大きく進化させることが可能です。

 

03.| 日本のデータ利活用の現状

 

DXを推進するうえで、データ利活用は中心的な役割を果たします。では、日本の企業は実際にどのようにデータ利活用を行っているのでしょうか。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)から発行された「DX動向2024」(*2)の調査結果によると、次のようなことが分かっています。

日本と米国の比較

「全社でデータ利活用を行っている」と回答した企業の割合は、日本は米国と比べて約10%低いことが明らかになっています。しかし、「事業部や部署単位でデータ利活用を行っている」企業の割合は大きく違いがなく、部分的なデータ利活用は進んでいることがうかがえます。(*2 「図表 2-1 データの利活用状況(経年変化および米国との比較)」より)

DXの成果とデータ利活用の関係

日本でDXを実行し、成果をあげている企業を調査すると、その約10%は全社でデータ利活用を実施しており、事業部単位でのデータ利活用も含めると約70%に達しています。(*2 「図表 2-2 データの利活用状況(DX 成果別)」より)

これは、データ利活用がDXの成功にとって欠かせない要素であることを示しています。
一方、DXの成果が不実としている企業の場合は、全社または事業部単位でのデータ利活用を実施している割合が約40%にとどまっていることが分かりました。(*2 「図表 2-2 データの利活用状況(DX 成果別)」より)

*2 出典:IPADX動向2024」(2024年8月8日に利用)

日本のデータ利活用の問題点

日本では、部署単位でのデータ利活用は進んでいる一方、全社的にデータを最大限に活用している企業はまだ不足しています。この格差が、DXの成果に大きく差を付ける要因になっていると考えられます。
これを解決するためには、全社のデータ利活用ステージを高めること、データを運用できる人材の磨き上げが必要です。

 

04.| データ利活用において必要不可欠なデータ人材

 

DXを動かしていくためには、実際にデータを採集し、分析し、実行につなげる人材が必須です。特に、次の3つのロールが重要です。

データアナリスト

データアナリストは、大量のデータを分析し、ビジネスの意思決定の基盤となる情報を提供する専門家です。データビジュアライゼーションやBIツールを活用し、効率的な解析を行います。

主な業務内容

データエンジニア

データエンジニアは、データを活用するための基盤を構築し、システム内でデータが流通する仕組みを確立する技術者です。

主な業務内容

データサイエンティスト

データサイエンティストは、データを深く分析し、企業の決定を支えるインサイトを提供する専門家です。

主な業務内容

これらの人材が大きく組織のDXを前進させていきます。

 

05.| DXを促進するデータ人材の予測

 

DXの進行につれ、データ人材の不足が大きな課題となっています。現代のビジネス環境において、データの効果的な利活用は企業の成長に不可欠ですが、データ利活用に十分な技術力を持った人材が足りないのが現状です。

データ人材の需要動向

IPAの調査によると、全社的または部署単位でDXに取り組んでいる企業の約20%が、データサイエンティストの不足を訴えています。これに加え、データエンジニアやデータアナリストといった職種においても人手不足が明らかになっており、これは年々悪化していると報告されています。

必要とされるスキルセット

データ人材の不足は、営業から情報技術まで広いスキルが求められることに起因しています。特に、次のようなスキルが予想されます。

未来の計画

これからのDXを成功させるためには、一体どのような計画が必要でしょうか。次の点が重要となります。

これらの反映を受けて、未来のDXの機会を最大限に生かすためには、データ人材の価値の再認識が必須です。

 

06.|データアドベンチャー内のデータ活用でのDX推進事例

ここまで述べてきたように、DXの推進においてはデータ利活用が重要な役割を担っています。
最後に、弊社が支援した、データ活用でのDX推進事例を紹介します。


金融業界における機械学習モデル構築の事例です。
データ分析環境がある程度整っている企業においては、次のフェーズとして、サービスの高度化が考えられます。
その一つとして、機械学習モデルを構築することが挙げられますが、顧客企業とメンバーズデータアドベンチャーが協力し、着実に成果を上げている事例として以下を紹介します。
下記は金融業界における機械学習モデル構築の事例です。

 

クレディセゾンで活躍 本気のビジネス課題解決にデータのプロフェッショナル人材「常駐サービス」の薦め


データ分析環境がある程度整っている企業においては、次のフェーズとして、サービスの高度化が考えられます。

このようにメンバーズデータアドベンチャーでは、データ利活用の観点から顧客のDXの推進に貢献している事例が複数あります。

 

07.|まとめ

本記事では、DXとデータ利活用について、以下の点をお伝えしてきました。

DX推進において、データ利活用は重要な要素になっており、データ利活用を推進することでDXを大きく推進できると考えています。
そういったデータ人材にお悩みの方は、メンバーズデータアドベンチャーまでご相談ください。


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データアドベンチャーのサービスご紹介

2024年9月13日(金)に開催される、ビジネス+IT主催『DX & AI Forum 2024 東京 Summer 夏』にカンパニー社長の白井が登壇します。

登壇概要

DX & AI Forum 2024 東京 Summer 夏

登壇セッション:大手企業のDX(変革)の壁と、それを打破する "組織"、"人"とは?
セッション概要:DX(変革)が成功している企業とそうでない企業の差は何でしょうか?
『会社を変えるということ』の著者であり、味の素株式会社 代表取締役副社長兼CDOとして、様々なDXの取り組みを成功させた福士博司氏が登壇。
数多くの大手企業のDX現場支援を推進している株式会社メンバーズ 執行役員 白井とともに、DXを推進する上での障壁と、それを打破する組織・人財のありかたについて、トークセッション形式で解説いたします。

日時:2024年9月13日(金)17:55~18:25
場所:東京コンファレンスセンター・品川
参加費:無料(事前登録制)
詳細:https://www.sbbit.jp/eventinfo/80377

登壇者紹介

白井 恵里(しらい えり)

株式会社メンバーズ 執行役員
兼 メンバーズデータアドベンチャーカンパニー社長

東京大学を卒業後、株式会社メンバーズへ入社。
大手企業のオウンドメディア運用、UXデザイン手法での制作や、デジタル広告の企画運用に従事したのち、2018年11月に社内公募にてメンバーズの子会社(現、社内カンパニー)社長として株式会社メンバーズデータアドベンチャーを立ち上げ。
データアナリスト、データサイエンティスト、データエンジニアなどデータ領域のプロフェッショナルの常駐により企業のデータ活用を支援し、顧客ビジネス成果に貢献するサービスを提供。
2020年10月から株式会社メンバーズ執行役員兼務。現在カンパニーに所属するデータ分析のプロフェッショナルは約150名。
2024年、一般社団法人Generative AI Japan立ち上げに伴い、理事就任。
X @EriShirai

2024年7月4日(木) 〜 6日(土)に開催された、IVS KYOTO実行委員会主催『IVS2024 KYOTO』 にて白井が登壇したパネルセッションについてのリポート記事が、日経クロストレンドに掲載されました。

 

日経クロストレンド(2024年8月14日掲載)

生成AI、日本の勝ち筋はこれだ! IVS2024 KYOTOで語られた2つの道

https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00739/00015/

 

※登壇内容については以下をご確認ください。

https://www.dataadventure.co.jp/post-695/

当サイト『提供サービス』ページをリニューアルし、下記サービスの詳細ページを公開しました。

・「エキスパート人材支援サービス」ページの公開

・「メンバーズデータアドベンチャースタッフサービス」ページの公開

ぜひご確認ください。

『お役立ち情報』ページに下記のサービス資料を追加しました。

 

・「データ分析サポート特化型派遣サービス」のご紹介

・「エキスパート人材支援サービス」のご紹介

 

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