この記事では、データ分析プロジェクトで失敗しがちなパターンとその解決方法を紹介します。
具体的には、以下のことがわかります。
- データ分析プロジェクトの失敗がなぜ起こるのか、その理由
- どうすれば失敗を回避し成功へと導けるのか
- 失敗しがちなプロジェクトのパターン
執筆者のご紹介
名前:渡邉
所属:株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー エンジニア事業部
主に、データを軸としたプロダクト開発のエンジニアやプロジェクトマネージャーをしています。最近は、生成AIを活用したプロダクト開発をしています。
過去には、機械学習関連の民間資格であるE資格を取得し、現在の開発にも生かされています。資格を取得したことで、より高度なデータ活用が可能になり、非常に有益だったと感じています。
また、「わかりにくいことをわかりやすく伝える」ことをモットーとしています。本記事でも、わかりにくいことをできるだけ明確にお伝えできるよう努めます。
目次
01. | データ分析でよくある失敗パターン
始め方に問題があるパターン:「このデータで何かできないかな?」
途中に問題があるパターン:「これは難しすぎて結果が出ないから、結果が出やすい課題に取り組もう」
終わり方に問題があるパターン:「で、この分析結果は何の役に立つの?」
02. | データ分析における失敗談と解決方法
常に課題ありき
手元にあるデータはほとんど使い物にならない
途中で解くべき課題をすり替えてはいけない
果てしなく続く長いPoCから成果は生まれない
03. | データ分析の手順と意識すべきポイント
目的の明確化と仮説設定
データの収集・加工
データの可視化・施策立案
効果検証・PDCA
01. | データ分析でよくある失敗パターン
01-1.始め方に問題があるパターン:「このデータで何かできないかな?」
データ分析プロジェクトの失敗の多くは、この一言から始まっています。データ分析や生成AIプロジェクトが注目される中、焦る気持ちはわかりますが、もしあなたが今取り組んでいるプロジェクトがこの言葉でスタートされている場合、プロジェクトの半分はもう失敗している可能性があります。
データである以上、何かしらの計算をすれば、何かしらの結果は出ます。
しかし、それが実社会で役に立つとは限りません。
このように開始されたプロジェクトは、最終的な着地点を見出せずに延々と続くか、途中で頓挫してしまいます。
常に課題起点で考えることが重要です。
01-2.途中に問題があるパターン:「これは難しすぎて結果が出ないから、結果が出やすい課題に取り組もう」
このパターンも典型的な失敗例です。
データ分析を担当しているプロジェクトマネージャーやアナリストは、結果を求められるため、結果がすぐに出ない場合、焦りが生じます。課題が難しすぎると、データの入手が困難だったり、そもそも手段が確立していなかったりすることがあります。
時間が限られているため、結果が出ない状況に耐えきれず、解くべき課題をすり替えることがあります。
課題をすり替えると、プロジェクトの根幹が揺らぎ、せっかくの分析やプロダクトが、実社会で役に立たなくなります。
本当に結果が必要であれば、リソースを追加投入するか、今解決が難しいと判断して撤退するのもひとつの手段です。
01-3.終わり方に問題があるパターン:「で、この分析結果は何の役に立つの?」
たとえデータ分析がうまく進んだとしても、結果が実際に活用されなければ意味がありません。
よくあるのが、データ分析者とその結果を活用する経営者や現場の認識がずれているケースです。あるいは、分析に時間がかかりすぎたために、結果が出る頃には既に不要になっていることもあります。
解くべき課題を明確に設定し、短期間でマイルストーンやゴールを設定することが、実用的なデータ分析を成功させる鍵となります。
02. | データ分析における失敗談と解決方法
02-1.常に課題ありき
データ分析プロジェクトの始まりは、必ず「顧客や社員が何に困っているのか?何があればその困りごとが解決しそうか?」と考える必要があります。
私がプロジェクトに参加する際には必ず「これは誰向けの何を解決するプロダクトですか?」と確認します。
明確に答えられない場合、失敗する可能性が高いため、まずはそこから規定することが重要です。
例えば、一般社員に向けた業務効率化のデータプロダクトを作っているつもりが、実際には管理職向けのデータプロダクトが求められていた、というようなケースはよくあります。
現在取り組んでいるプロジェクトが「誰に向けた、何を解決するプロダクトか?」を改めて問い直してみてください。
02-2.手元にあるデータはほとんど使い物にならない
「データはあります」と言われることは多いですが、目的なく収集されたデータで最終目的に役立つことは少ないのが現実です。
例えば、業務アプリケーションのログを用いて社員の行動パターンを分析しようとしたケースがありました。
しかし、ログの取り方が不適切で、誰の行動なのか判別できなかったり、特定の社員しか利用しないアプリだったりと、偏ったデータしか存在しませんでした。
結局、全員からデータを取得する手段を確立し直し、分析をやり直しました。このように、目的を明確に定めた上で、適切なデータを取得することが重要です。
また、手元にあるデータを無理に成形して利用する場合、追加コストが発生することも多いです。適切なデータを早期に取得することが、成功への近道になります。特に、季節性のあるデータは年単位で収集が必要なケースも多いため、迅速にデータ取得を開始すべきです。
02-3.途中で解くべき課題をすり替えてはいけない
プロジェクトが難航すると、課題をすり替えてしまうことがあります。
「今のデータでは解決できないから、別の簡単な課題にアプローチしよう」という考えに陥りがちですが、これは多くの場合、プロジェクトの失敗につながります。簡単に解決できる課題には競合が多く、そもそもデータ分析を必要としない場合が多いため、ビジネス的な価値が低くなってしまいます。
もし、解決することで大きなビジネスインパクトが見込めるなら、データ取得のための投資や人員増強を検討すべきです。逆に、インパクトが薄い課題に対して無理に取り組む場合は、プロジェクトをクローズする決断も必要です。
02-4.果てしなく続く長いPoCから成果は生まれない
私が関わったプロジェクトの中には、PoC(概念実証)を始めてから2年が経過したものもありました。
そのプロジェクトでは、立ち上げ時のメンバーはすでにおらず、目的も曖昧なまま、変化するビジネス環境の中で延々と続いていました。人件費だけでも数千万円がかけられていたため、中止する決断ができず、結果も出せない状態でした。
そこで、「誰向けの何を解決するものか?」を再定義し、データ取得を見直し、プロジェクトの期限を明確に設定しました。最終的にはプロジェクトをクローズすることになりましたが、短期間のマイルストーンを設けたことで、経営判断がしやすくなりました。
PoCの成功には、短期間で成果を出す仕組みが不可欠です。私の経験では、2週間以内で完了できないタスクはスコープが大きすぎる可能性があります。
プロジェクトの最終目標を設定したら、まずは2週間で取り組めるアプローチを考えてみてください。すべてを完璧にこなすのは難しいかもしれませんが、役立つものは必ず作れるはずです。
データ取得、分析、アプリケーション化を2週間で試すことで、方向性が正しいのか、それとも軌道修正が必要なのかが明確になります。これにより、プロジェクトの舵取りがスムーズになります。
03. | データ分析の手順と意識すべきポイント
03-1.目的の明確化と仮説設定
繰り返しになりますが、目的を明確にしてください。
誰に向けた、どんな課題を解決するものか、決めましょう。
もちろん、それはPoCという形で検証されることが多いです。
短期間のPoCで、データ分析プロダクトが本当に役に立つのかを検証するため、常に仮説を持って課題にアプローチすることが重要です。
03-2.データの収集・加工
目的にあったデータを収集するのが肝要です。
すでに存在するデータだけで成果を出せることは稀であるため、データ収集は早めに開始するのが望ましいでしょう。
また、アプリケーションのログやデータベースは、データ分析のために蓄積されたデータではありません。
そのため、データ分析に適した形へ加工することが不可欠です。
03-3.データの可視化・施策立案
データはそのままでは理解しにくいため、BIツールなどを活用し、統計情報として可視化すると理解しやすくなります。
データに偏りはないか、仮説の立証につながるか、どのような施策が打てるかを確認し、慎重に検討しましょう。
03-4.効果検証・PDCA
データ分析は、迅速かつ短期間で検証を繰り返すことが重要です。
長期間にわたるPoCでは成果が出にくいため、必ず短いマイルストーンを設定し、効果検証を行いましょう。
データプロダクトであれば、実際にユーザーに使ってもらうことが重要です。 その結果をもとに施策やプロダクトを少しずつ洗練させ、より良いものへと進化させていきます。
| まとめ
最後に、データ分析プロジェクトで失敗しないために重要なポイントを再確認します。
- 必ず課題を起点にプロジェクトを始める
- 「データがあるから」といった理由で開始しない
- 「誰の、どんな課題を解決したいのか」を明確にする
- 解くべき課題をすり替えない
- 適切な粒度で短いPoCを繰り返し、仮説検証を行う
あなたのデータ分析プロジェクトが成功するための一助となれば幸いです。
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なぜ多くの企業がデータ分析に失敗するのか?成功の鍵とその対策
生成AIの台頭やDX化の浸透により、自社データの活用が注目されています。
データ活用はビジネス成長を加速させる鍵になります。
この記事では、データ活用を専門とするメンバーズデータアドベンチャーカンパニーが、実際の成功事例を交えつつ、データ活用の進め方や注意点を徹底解説します。 少しでもお役に立てれば幸いです。
この記事で取り扱う業界
・教育業界
・飲食業界
・小売業界(EC事業)
・小売業界(アパレル)
・IT・ソフトウェア業界
・通信・インフラ業界
・フィンテック業界
・金融業界
・メーカー・製造業界
・スポーツ業界
・不動産業界
・出版業界
・モビリティ業界
・都市デザイン
目次
01. | データ活用の基本概念
データ活用とは
データ活用の重要性
DXとデータ活用
02. | 業界別データ活用事例
教育業界
飲食業界
小売業界(EC事業)
小売業界(アパレル)
IT・ソフトウェア業界
通信・インフラ業界
フィンテック業界
金融業界
メーカー・製造業界
スポーツ業界
不動産業界
出版業界
モビリティ業界
都市デザイン
03. | データ活用のプロセス
目的の明確化と仮説設定
データ収集・蓄積
データ処理・加工
データ可視化
データ分析
効果検証・PDCA
データ活用プロセスの最適化
04. | データ活用における課題と解決策
データ活用におけるよくある課題
実際にあったデータ活用プロセスにおける失敗
05. | データ活用を促進する組織組成と人材確保
データ活用組織の組成
データ活用に必要なスキル
データ活用人材の採用
データ活用人材の育成
06. | データ活用の最新トレンド
01. | データ活用の基本概念
01-1.データ活用とは
企業におけるデータ活用とは、日々のビジネス活動で収集したデータを加工・分析し、ビジネス戦略や意思決定に役立てるプロセスです。
顧客やユーザーのオンライン化が進む現代では、適切なデータ活用による戦略的な意思決定が重要視されています。
データ分析というよく似た言葉がありますが、これはデータ活用プロセスのひとつに過ぎません。
よくこのような方がいらっしゃいます。
「データ分析をしようとツールを導入したはいいが、うまく意思決定に繋がらない」
これは適切なデータ活用のプロセスを、意図せず無視してしまっている可能性があります。
分析や意思決定に至るまでにも重要なプロセスがいくつもあり、
これらを適切に実行することで、組織や企業が保有しているデータは強力な要素となり得ます。
単なるデータ分析からデータ活用にステップアップするためのノウハウはこちらの記事で詳しく説明しています→データ可視化はどうして大事なのか? データの単なる分析から、データの活用へステップアップするために
01-2.データ活用の重要性
データ活用は組織や企業に何をもたらすのでしょうか。
それは正確な現状把握による業務効率の向上と高精度な意思決定、つまり組織全体の長期的なパフォーマンス向上です。具体的には以下の3つが挙げられます。
・正確な現状把握
・迅速且つ高精度な意思決定
・業務効率の向上とコストの削減
数値に基づいた効率的な意思決定や議論が可能になると言えます。
01-3.DXとデータ活用
これまでもデータ活用は重要視されていましたが、近年のデジタルトランスフォーメーション(DX)の波は、データ活用の必要性をさらに高めています。
経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」では、DX推進がなければ2025年から多額の経済損失が発生すると指摘されており、これを「2025年の崖」と表現しています。さらに、経済産業省の「デジタルガバナンス・コード2.0」(*1)では、DXは次のように定義されています。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」
*1 出典:「デジタルガバナンス・コード2.0」(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc2.pdf(2025年1月30日に利用)
つまり、競争上の優位性を確立することが目的であり、データやデジタル技術は手段でしかありません。
デジタル社会である現代では、このデータとデジタル技術を最大限活用し、変革することが、DXにおいて重要です。
企業が競争上の優位性を確立するためには、今すぐにビッグデータ活用に取り組み、近年のDX化や生成AI技術の進展に乗り遅れない必要があると言えます。
関連記事はこちら→【2025最新版】2024年の生成AI市場の最新動向と2025年の成功に向けたステップ
02. | 業界別データ活用事例
メンバーズデータアドベンチャーカンパニーは、お客さまの課題解決に向けて常駐サービスをはじめとした伴走支援を行い、データ活用の推進を図っています。本セクションでは、さまざまな業界での具体的なデータ活用事例を紹介し、その課題と取組内容、得られた成果を紹介します。これらの事例を通じて、データ活用の可能性を感じていただければ幸いです。
02-1.教育業界
①【株式会社ベネッセコーポレーションさま】オンライン動画学習プラットフォームにおけるデータ分析
常駐メンバーの高度な技術が「Udemy」事業のさらなる成長に貢献
・課題
- 事業のデータ分析ニーズが増加していたが、人員不足やスキル不足が大きな課題になっていた。
・取組内容
- データアナリストとして講座データの分析を担当し、コースレビューの自由回答の分析を実施。自然言語処理により、文章の内容をスコアリングする仕組みを構築。また、講座価格最適化のため、「システム開発」や「健康・フィットネス」などジャンルごとに売上を最大化する講座価格の分析を実施。
・成果
- 分析結果からリピート購入と相関関係にある値を発見。他にも分析結果からいくつかの知見を獲得し、事業のさらなる成長に貢献。
事例について詳しくはこちら→常駐メンバーの高度な技術が「Udemy」事業のさらなる成長に貢献
ベネッセコーポレーション データソリューション部の部長を務める國吉 啓介氏と弊社データアドベンチャーカンパニー社長の白井 恵里の対談記事→ベネッセ、メンバーズ、生成AI活用の先駆者が語るデータマネジメントの重要性と未来
②【大手学校法人】ツールの導入やデータ整備による組織的なデータ活用推進
・課題
- 校舎や部署が縦割りでデータの共有がなされず、全社的なデータ活用が進まない。
・取組内容
- データレイク・ウェアハウスツールを用いたデータ基盤を構築。Tableauの導入も進め、講座申込情報、生徒情報、模試成績、HPのアクセスデータなどのデータを用いた分析が可能に。また、事例の全社周知やマニュアルドキュメントの作成も実施。
・成果
- プロジェクト開始時には1部署への対応のみだったのに対し、終了時には6部署1校舎を巻き込んだデータ活用プロジェクトに。
02-2.飲食業界
③【株式会社丸亀製麺さま】マーケティングの高速化
データのプロがジョインすることでチームの機能が高まり、マーケティングがより高速に。
・課題
- KANDOを意思決定の軸とするKANDOドリブンマーケティングを進める上で、分析、戦略策定、実行までのスピード感をより高めたい。
・取組内容
- 手動で行われていたデータの抽出作業を自動化。また、MMM(マーケティング・ミックス・モデリング)をはじめとする分析に必要なデータの新規取得や、日々のトレンド変化を追うためのアウトプット作成を担当。
・成果
- データのプロがジョインすることで全体的に業務のスピードと質が飛躍的に向上。
事例について詳しくはこちら→ データのプロがジョインすることでチームの機能が高まり、マーケティングがより高速に。
④【飲食サービス提供企業】業務工数削減へ貢献する生成AIを活用したナレッジ検索ツールの構築運用
・課題
- 社内に蓄積された膨大なナレッジやドキュメントを調査する工数が増大していた。
・取組内容
- クライアントのセキュリティ体制に合わせてAWSとGCPのマルチクラウド体制で、生成AI環境の新しいアーキテクチャを設計。社内WEBアプリを通じて検索ワードを入力するだけで検索結果・関連ドキュメントを自動生成し回答できるように実装。
・成果
- ドキュメント調査にかかる時間の大幅削減を達成。(平均10分→2,3分)
02-3.小売業界(EC事業)
⑤【EC事業会社】BtoB卸EC事業におけるGTMタグの最適化と管理手法の確立
・課題
- アクセス解析を行う際、GTMタグの重複などにより、どのタグがどう使われているか、必要なタグがどれかわからない状況だった。
・取組内容
- 現状把握から行い、GTMタグの命名規則設計を実施。また、現状の組織が無理なく運用を続けられるように、運用管理手法の策定と管理シートの設計を実施。
・成果
- GTMのコンテナの大きさが最適化前の半分に減少(52%→26%)。この結果に付随してページ読み込み時間が減少し、サイトの評価向上にも繋がった。
⑥【EC事業会社】EC消費者購買に関する科学的アプローチでの仮説検証と示唆出し
・課題
- KPI「リピート購買数」の向上・改善に向けた仮説を補強するエビデンスを示唆する必要があったが、分析環境がほぼゼロに等しかった。
・取組内容
- 簡易的なスタッフ共通の分析基盤を整備。また、顧客のサイト内行動に関する変数群と購買の相関行列と、機械学習の分類器にデータを学習させた際の変数説明度を展開し、購買との関係が期待できる変数の示唆出しを実施。
・成果
- ECの消費者購買に関して社内で保有していた説明変数や仮説に対する新たな示唆を提示することで、意思決定に関する判断材料を提供できた。
02-4.小売業界(アパレル)
⑦【株式会社AOKIホールディングスさま】会社全体がデータに注目する文化作り
データ活用は、AOKIホールディングスの経営をどう変えたのか?
・課題
- データはどこにあるのか、どこに集約して分析するのか、管理できておらず、データがブラックボックス化していた。
・取組内容
- マーケティングオートメーション(MA)ツールだけでは時間がかかるデータの管理や抽出をBigQueryを用いて実行し、ダッシュボードも作成。定量情報だけでは見落としていたエンドユーザーの声を拾った提案を、データをもとに実施。
・成果
- 会社全体がデータに注目するようになり、「分析できないだろう」と思っていたデータも「実は分析できるのではないか」という思考が生まれるようになった。
事例について詳しくはこちら→データ活用は、AOKIホールディングスの経営をどう変えたのか?
02-5.IT・ソフトウェア業界
⑧【株式会社トラストバンクさま】分析から、データに関わる組織設計まで支援
分析から、データに関わる組織設計まで支援。
・課題
- 膨大なマーケティングデータをアウトプットに活かしきれていなかった。
・取組内容
- データ抽出前の基盤整理から取り組み、いろいろな部門のマーケティングの需給予測やデータ基盤の整理を実施。また、Tableauの導入を通して、データの見える化を実施。
・成果
- ユーザー属性とあわせた需給予測など、緻密な分析の見える化が可能になった。
事例について詳しくはこちら→分析から、データに関わる組織設計まで支援。
⑨【IT事業会社】ダッシュボードの構築業務の標準化による業務効率化
・課題
- システムベンダー経由で、イベント運営を行っているエンドクライアントよりダッシュボードの作成依頼があったが、既存のダッシュボードは利便性に欠けていた。
・取組内容
- チケットデータやユーザーデータ、決済・請求データなどイベント運営におけるデータを活用し、汎用性・利便性の高いダッシュボードを構築。また、属人化の排除と将来的な利活用、保守業務の保全を目的とした仕様書を作成。
・成果
- 3クリック必要だったフィルタリング操作が1クリックで可能になるなど、ダッシュボードの確認・構築にかかるコストが減少。
02-6.通信・インフラ業界
⑩【KDDI株式会社さま】コロナ禍で増えたWEBにおける利用者データの活用促進
コロナ後の「auでんき」のDXを推進
・課題
- GA上でドメイン間のデータが分断され、ユーザーの流入からCVまでの行動データが取れていなかった。また、WEB改善のPDCAサイクルを回す体制がなかった。
・取組内容
- 2つのドメイン間でクロスドメイン設定を実施。また、リアルタイム解析を可能にするため、Googleデータポータル(現、Looker Studio)を構築。さらに、組織内で共通言語を持っておく必要があったため、ツールレクチャーを3ヶ月で計10回実施。
・成果
- ユーザーの一連の行動データを取得可能になり、部署全体でデータへの意識が変わり、遷移率や離脱率まで関心を示す担当者が増加。
事例について詳しくはこちら→コロナ後の「auでんき」のDXを推進
⑪【大手通信会社】SMS配信フロー改善とマニュアル作成による属人化解消
・課題
- SMS配信において作業件数が多く業務の効率化が求められていた。また、マーケティング担当者の業務が属人化していた。
・取組内容
- SMS配信の既存業務フローを分析し、Pythonを用いて作業の効率化を図った。また、配信フローの改善と新たなマニュアル作成を行い、業務を可視化。
・成果
- 月に600分かかっていた作業時間を150分(75%減)まで短縮させ、既存担当以外でもSMS配信が可能になった。
02-7.フィンテック業界
⑫ 【株式会社クレディセゾンさま】与信ロジックの精度向上のための機械学習モデル構築
クレディセゾンで活躍 本気のビジネス課題解決にデータのプロフェッショナル人材「常駐サービス」の薦め
・課題
- 与信ロジックの精度向上のための機械学習(以下、ML)モデル構築を目指していたがスキルのある社員が少なかった。
・取組内容
- 入力するデータ項目など試行錯誤を繰り返し、与信審査業務のためのMLモデルを作成。また、データ整備や分析、データ観点のシステム設計支援なども担当。
・成果
- リリース前日のアクシデントも乗り越え、与信審査業務のためのMLモデルのリリースに至った。
事例について詳しくはこちら→クレディセゾンで活躍 本気のビジネス課題解決にデータのプロフェッショナル人材「常駐サービス」の薦め
⑬【株式会社マネーフォワードさま】パートナーとして金融業界のデータ活用に貢献
マネーフォワードのパートナーとして、金融業界のデータ活用に貢献。
・課題
- 事業拡大に伴い、アプリのリリース後に、ユーザーの行動データを見ながら改善していくグロースハックプロジェクトを、社内の人間だけで回していくことが難しくなった。
・取組内容
- ユーザー分析やダッシュボードの作成、定例ミーティングの資料作成など、目的を理解した上で分析アクションの提案までを実施。
・成果
- マネーフォワードさまのクライアントからも「やりたいことをぼんやり伝えれば、何を分析すべきか考えてくれる人」としてクライアントからの信頼を獲得。
事例について詳しくはこちら→マネーフォワードのパートナーとして、金融業界のデータ活用に貢献。
02-8.金融業界
⑭【ネット銀行事業会社】定期預金獲得増加に向けたアクセス解析
・課題
- WEB上での資金調達申し込み数を増加させる必要があったが、分析や施策が不十分だった。
・取組内容
- Adobe Analyticsを用いて新たなCV指標を設定し、WEB申し込み数と予測入力率を計測。月次実績確認ができるワークスペースを構築し、入力ページから申込フォームまでの遷移率を測定してCVRを明示化。さらに、金融情報の追加や新規申込ページの導入を提案。
・成果
- 施策の効果を定量的に把握できるようになり、日別の進捗管理やKPI設定が可能となった。その結果、申込ページのCVRが0.9%改善し、目標達成に寄与した。
02-9.メーカー・製造業界
⑮【製造業企業】業務効率化PJのアプリ開発・導入支援
・課題
- 業務の効率化とDX推進が求められていたが、手作業のプロセスや旧来のシステムが障害となり、業務の平準化やコスト削減が進まなかった。
・取組内容
- GCPを活用して、配送実績データや出荷実績データ、衛生管理データなどの社内データを整理し、業務効率化と自動化を実現。また、AppSheetを導入して他サービスの機能を置き換え、業務プロセスを見直すパイプラインを構築。
・成果
- 年間120万円のコスト削減を達成。データの可視化やダッシュボード作成が容易になり、全体的な業務効率が大幅に向上した。
02-10.スポーツ業界
⑯【スポーツ団体企業】CDPマーケによるデータライフサイクルの仕組み
・課題
- データ基盤の整備が進んでいない中で、人材不足やIT・マーケティングに関する知識の欠如が存在し、データ活用が停滞していた。
・取組内容
- CDPを中心にデータライフサイクルを構築する施策を実施。具体的には、ファンデータを蓄積したデータ基盤をS3からSnowflakeへ移行し、マーケティングクラウドやデータ分析ツールの導入を促進。また、顧客体験の最大化を図るため、各種システムとの連携を強化。
・成果
- 短期間で顧客データに基づくアプローチが可能となり、データライフサイクルの仕組みが整備された。これにより、業務効率が向上し、顧客理解が深まる結果を得られた。
02-11.不動産業界
⑰【森ビル株式会社さま】都市OS「ヒルズネットワーク」の構築を推進
都市OS「ヒルズネットワーク」の構築を推進。
・課題
- より便利で、より豊かな都市生活・顧客体験を実現するためのデジタルプラットフォームである「ヒルズネットワーク」の構築を進める中で、膨大なデータの整理が必要だった。
・取組内容
- 各部署が扱いやすいように保持されている各事業領域のデータを、統合して活用するために、バラバラなデータのフォーマットを整理。必要なデータを持ってきて見える化を実施。また、データ分析をもとに仮説や施策に落とし込んで社内提案を実施。
・成果
- データの見える化が進んだおかげで、データをメインに取り扱う部門以外でも当たり前のようにBIを見る習慣が生まれた。
事例について詳しくはこちら→都市OS「ヒルズネットワーク」の構築を推進。
02-12.出版業界
⑱【株式会社集英社さま】PV数を約5倍に伸ばすまでの取り組み
集英社が、データと過ごした1年半。PV数を約5倍に伸ばすまでの取り組みとは
・課題
- 活用すべきデータは存在したが、データ解析の専門家が少なく、アクションまでうまく繋がっていなかった。
・取組内容
- 担当した4サイトのレポーティングを実施。また、PythonでAPIを叩いて数値を抽出し、エクセルに落とし込むなど、データ取得の自動化を実装。
・成果
- WEBサイト、SNS、SEOなどデジタル施策全般について多面的に見られるようになった。また、データ分析も含め、さまざまな要因が重なった結果としてPV数を5倍まで引き上げることに成功した。
事例について詳しくはこちら→集英社が、データと過ごした1年半。PV数を約5倍に伸ばすまでの取り組みとは
02-13.モビリティ業界
⑲【GO株式会社さま】タクシーアプリに関するデータの分析
データ領域プロフェッショナル常駐サービスで人材不足を解消し、事業成長の礎をつくる。
・課題
- 事業成長と共に必要性が増していくデータエンジニアが見つからなかった。
・取組内容
- タクシーアプリ『GO』のインセンティブ機能に関して、データモデリングからログの設計、データマートの作成、ダッシュボードへの実装までを担当。また、既存のETLツール(散在するデータを収集・加工するツール)から新しいツールへの移行を実施。
・成果
- データを分析することで、顧客満足度の高い乗務員の行動や習慣が明らかになり、サービスの品質向上につなげることが可能になった。
事例について詳しくはこちら→データ領域プロフェッショナル常駐サービスで人材不足を解消し、事業成長の礎をつくる。
02-14.都市デザイン
⑳【商店組合】フィールド調査で歓楽街の再生課題を可視化
・課題
- 東京都内の飲食街再生に向けた取り組みが進まない中、怖い、汚い、安全でないというイメージが定着し、顧客の流入が減少している現状があった。
・取組内容
- フィールド調査を通じて、地域の文化や歴史的背景を収集し、飲食街における利用者の安全で楽しい体験を提供するための情報をマッピング。また、夜の街の価値を再提案するため、地域の特性やニーズを可視化を実施。
・成果
- 地域の歴史や店舗の特徴が明示化された。これにより、利用者に安心感を提供し、安全で魅力的な飲食街の再生に向けた基盤が整った。
03. | データ活用のプロセス
ここまでデータアドベンチャーカンパニーが実際に取り組んできた事例について解説しましたが、これらは全て、データ活用のプロセスの一部もしくはその全てにおける取り組みです。
本セクションでは、一般的に企業のデータ活用はどのようなプロセスを必要とするのか、順番に解説します。
03-1.目的の明確化と仮説設定
ファーストステップは目的の明確化と仮説設定です。
データ活用において最も重要なステップといっても過言ではありません。目的が不明確なままデータを収集しても、得られるインサイトは限られたものになってしまいます。
したがって、ビジネス上の課題や目標を明確にし、その達成のための仮説を設定することが必要です。たとえば、「売上を10%向上させるためにはどのような施策が有効か?」という具体的な問いを立てることが重要です。この目的と仮説次第で、人材の確保や活用するデータ、分析ツールなど、これからのステップが大きく変わります。
03-2.データ収集・蓄積
次に、目的に基づいて必要なデータを収集し、蓄積します。具体的には以下のようなデータがあります。
・内部データ
- 顧客データ:性別や年齢、取引先情報など企業が収集している全ての顧客データ
- 販売データ:小売店における時間帯別売上などPOSシステムやERPシステムから得られる売上記録や取引履歴
- 業務プロセスデータ:人事情報や作業時間データなど製造ラインや業務オペレーションから収集されるデータ
・外部データ
- 市場データ:市場規模や成長率、競合情報など業界全体の動向を示すデータ
- ソーシャルデータ:SNSやブログにおける口コミ、ユーザーからの評価などオンラインプラットフォームで収集されるデータ
これらのデータを収集・蓄積するために、企業はデータ収集インフラの整備と管理、収集に利用するツールの選定を実施する必要があります。また、データを収集する際には、データの品質は確保されているのか、法令を遵守できているかなど、注意すべき点がいくつかあります。
詳しいデータの収集方法や注意点、対策についてはこちらで解説しています→データ収集の基礎知識!メリットや実践ステップ・注意点を徹底解説
03-3.データ処理・加工
データを収集し分析に移る前にデータ処理・加工フェーズがあります。収集したデータは、そのままでは使えないことが多いからです。データを分析可能な形に整えるためには、処理や加工が必要です。一般的に使用されるツールには、Excel、Python、R、Tableauなどがあります。これらのツールを使って、データクリーニングやフィルタリングを行い、分析に向けた準備を整えます。
03-4.データ可視化
データの準備が整えば可視化フェーズに移ります。ダッシュボードを作成し可視化することで、複数の指標を一元管理し、リアルタイムでデータの傾向やパターンを把握可能になります。可視化にはBI(ビジネス・インテリジェンス)ツールを使用します。具体的には、Tableau、Power BI、Looker Studioなどがあり、これらを利用することで直感的にデータを理解できるようになります。
図:実際のダッシュボード(サンプルデータをもとにTableauを用いて作成)
BIツールの使い方について詳しくはこちらで解説しています→データを可視化!BIツール導入によるデータドリブンの促進
03-5.データ分析
データの可視化が完了したら、次は具体的な分析を行います。この段階では、設定した仮説を検証し、意思決定に繋がるインサイトを抽出することが重要です。データ活用においては、課題設定からデータ収集、分析、意思決定支援までの一連の流れが不可欠です。必要に応じて、統計的手法や機械学習を活用することで、より深い洞察を得ることができます。
03-6.効果検証・PDCA
分析結果をもとに意思決定を行った後、その決定が適切であったかどうかを検証します。このプロセスはPDCAサイクルに基づいており、実行した施策の効果を測定し、必要に応じて修正を行います。効果検証を行うことで、次回のデータ活用に向けた改善点が明確になり、持続的な成果を上げることが可能になります。可視化・分析フェーズで使用したダッシュボードは効果検証にも役立ちます。
03-7.データ活用プロセスの最適化
必要に応じてデータ活用プロセス自体を最適化することも検討しましょう。新たなツールの導入やAI技術の活用は、データ分析の精度や効率を向上させることに繋がります。
データ活用のステップに関連する記事はこちら→
マーケティング×データ活用で事業の成長を最大化!初心者でもわかるステップと実践事例
データ活用におけるデータ分析|課題設定からデータ収集と分析、意思決定支援までの進め方
アクセス解析とは?実際のデータ活用のステップと実例を紹介します
04. | データ活用における課題と解決策
データ活用の推進はビジネスの成功に大きく貢献しますが、必ずしも順調に進むわけではありません。本セクションでは、データ活用におけるよくある課題や失敗例を挙げ、それに対する解決策を紹介します。
04-1.データ活用におけるよくある課題
・社内で賛同が得られず思うようにデータ活用が進まない。
- 要因
「現状のままでも業務がなんとなく回っていること」が原因で従来の手法を重視し、データ活用の重要性が経営層や各部門に理解されていないと考えられます。
- 対策
まずはスモールスタートでデータ活用の成功事例を示し、全社的なメリットを理解してもらうことが重要です。
・分析ツールを導入したはいいものの思うようにデータ活用が進まない。
- 要因
目的や仮説が不明瞭で、分析をすることが目的になってしまっていることが要因だと考えられます。
- 対策
プロジェクトの全体像を見直し、具体的なビジネスゴールを設定し、それに基づいてデータ収集と分析を行うことが成功への鍵となります。
・自社内に部門ごとにデータが分散している。
- 要因
IT領域で部門ごとに異なる基準や方法でデータが管理されている可能性が考えられます。
- 対策
データ統合プラットフォームの導入や、データの正規化を進めることで、分析に必要なデータの収集、加工、可視化を行う環境を整備することが必要です。
よくある課題や対策、失敗しないためのSaaSツール導入について詳しくはこちらで解説しています→
なぜ多くの企業がデータ分析に失敗するのか?成功の鍵とその対策
データ分析を失敗しないためのSaaSツール導入:選定基準と活用法
04-2.実際にあったデータ活用プロセスにおける失敗
・せっかく作成したダッシュボードが目的と大きくはずれていた。
依頼を受けダッシュボードを作成したはいいものの「本当に見たかったデータが見られない」という指摘を受けてしまった事例です。要因としては、
- 要件定義の際にヒアリングを十分にできていなかった
- 分析の目的を理解できていなかった
- 値の概念と算出方法を理解できていなかった
以上のことが挙げられます。データ活用において目的の明確化がどれほど重要であるかがわかる事例です。要件定義の段階で目的や仮説を明らかにし、分析に移る前にビジネスへの理解を深めておく必要があります。
・多額の請求が知らぬ間に。
BigQueryとLooker Studioを用いてクエリ処理を実行していたところ、意図せず大量のデータ量を消費し、多額の請求金額になってしまった事例です。要因としては、
- ツールの仕様を十分に理解せず繰り返しクエリを実行してしまっていた
- Looker Studioが重い処理が苦手であることを理解していなかった
以上のことが挙げられます。データ活用においてデータ分析の手法だけでなく、ツールへの理解も重要であることがわかる事例です。
・出るはずのない数値がなぜか出てしまう。
あるイベントにおける分析で、入場者数と退場者数を集計していたところ、入場者よりも退場者数の方がなぜか多くなってしまっていた事例です。
この時は現地で対応していたスタッフが、扱うQRスキャナを間違えていたことが原因でした。
事前に当日のスタッフの動きまで把握できていれば未然に防げた問題でもありました。
このようにデータ活用を推進しようとしても、そもそもの生データが間違っていることもよくあります。本当にそのデータが正しいのか、信頼性があるのかを事前に確認する必要があります。
05. | データ活用を促進する組織組成と人材確保
では、企業のデータ活用を促進させる組織やチームは、どのように組成できるのでしょうか? さらに、組織の組成だけでなく、適切な人材を確保することもデータ活用には欠かせません。このセクションでは、具体的な人材要件、育成や採用の特徴、そして組織の立ち上げについて解説します。
05-1.データ活用組織の組成
適切なデータ活用組織の組成には、大まかには以下の3つのステップが重要です。
・目指す姿・役割・価値設計
- データチームの目指す姿を明確に定義します。
- 経営と現場との関わりを整理し、データ活用の価値を全社に認識させます。
・ 業務・人材スキル・マネジメント決定
- チームが担う業務を特定します。
- 必要なスキルや人材調達方針(自社採用またはアウトソーシング)を決定します。
- データ人材のキャリアパスや評価基準を設計し、モチベーションを高めます。
・組織組成
- 上記の設計を基にデータチームを実際に構築します。
- 必要な仕組みや制度を整えます。
これらのステップを踏み、まずはスモールスタートで始めることをおすすめします。
大規模なプロジェクトではなく、小さな成果を積み重ねることで、現場の理解を深め、データチームの存在価値を認識させることが重要です。
このアプローチにより、徐々に大きな成果へと繋げることが可能となります。
ここでは解説しきれなかったデータ活用組織の組成について、詳しくはこちらで解説しています→
データ分析の前にやるべきこととは?データ利活用で事業上の成果を生むための考え方
データ活用・DX推進を推進する分析組織の立上げ方法
また、データ活用組織マネジメントについて「若手人材のマネジメント方法大放出!データ人材使いこなしセミナー」にて株式会社トラストバンク(以下トラストバンク)データマネジメントグループマネージャーの町田様へご講演いただきました内容を記事にてお伝えしております→データ組織のチーム・人材マネジメントの手法を解説
05-2.データ活用に必要なスキル
では具体的にデータ活用にはどのようなスキルが必要とされているでしょうか。具体的な職種とともに解説します。
・プロジェクトマネージャー(PM)
プロジェクトマネージャーは名前の通りプロジェクトをマネジメントする人材を指します。プロジェクトの責任者として、全体的な方向性と実行を管理します。特に、QCDと呼ばれる成果物の品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)の管理が重要です。
PMの育成や調達について詳しくはこちらで解説しています→データ活用を推進するプロジェクトのPM(プロジェクトマネージャー)の調達方法
・データアナリスト
データアナリストは、主にデータの収集、処理、分析、解釈、可視化など、一連のデータ分析プロセスを担当します。企業が持つ大量のデータから引き出した情報をもとに示唆を出し、ビジネス課題の解決や意思決定の支援を行います。
・データエンジニア
データエンジニアは、データを活用するためのインフラを設計・構築し、データの収集・加工・分析を行うための基盤を作る専門家です。
・データサイエンティスト
データサイエンティストは、「高度に情報化された社会において、日々複雑化及び増大化(ビッグデータ化)するデータを、利用者の利用目的に応じて情報を収集・分析する技術を有し、ビジネスにおいて実行可能な情報を作ることができる者」(*1)を指します。
*1 出典:「定款」(一般社団法人データサイエンティスト協会)
https://www.datascientist.or.jp/aboutus/statute/(2025年2月14日に利用)
データサイエンス、データサイエンティストの定義についてはこちらで詳しく解説しています→データサイエンスとは?定義やスキルセットについて解説
05-3.データ活用人材の採用
データ活用を推進しようとする多くの企業はまず人材の採用を検討するでしょう。
データ活用に必要なスキルセットを持った人材の採用には以下のようなメリットやデメリットがあります。
・メリット
- 即戦力の確保
経験豊富な人材を採用することで、即座にプロジェクトに貢献できる人材を確保できます。特に、特化したスキルを持つ人材を採用することで、短期間で業務を進めることが可能です。
・デメリット
- 高コスト
人材の採用は、給与や手当などのコストが高くなる可能性があります。また、採用プロセスにかかる時間やリソースも無視できません。
- ミスマッチのリスク
応募者のスキルや文化的フィットが実際の業務に合わない場合、早期の離職や低い業務効率に繋がるリスクがあります。
05-4.データ活用人材の育成
人材の採用にはリスクがあり、そもそも市場においてデータ活用人材は常に不足している状態が続いています。そのため自社でデータ活用人材を育成するのも1つの手段として検討すべきでしょう。
・メリット
- 社内文化の強化
社内で育成を実施することで、企業文化や価値観を理解した人材を育成でき、チームの一体感向上が期待できます。
- 金銭的コストが低い
外部からの人材採用に比べると、育成は比較的コストが低く抑えられます。
・デメリット
- 時間がかかる
新たにスキルを習得するためには時間が必要です。即戦力としては使えない期間が長くなる可能性があります。また、育成の進捗状況に応じて、業務の遅延が発生することもあります。
- 専門知識の不足
内部での育成には、指導者やメンターが必要ですが、十分な専門知識を持った社員がいない場合、育成の質が低下するリスクがあります。
データ活用人材の採用や育成にはそれぞれメリットやデメリットがあり、組織の状況によって使い分けることが重要です。また、データアドベンチャーカンパニーのような常駐型支援サービスを利用するのも最適な手段の1つと言えます。
市場におけるデータ活用人材の不足度や育成のポイントなど、人材の採用や育成について詳しくはこちらで解説しています→データ活用人材の育成方法とは?組織の人材不足は育成で解決できる
06. | データ活用の最新トレンド
ビジネスの現場では、超急速に成長を続ける生成AIが注目を集めています。中でもLLM(大規模言語モデル)やSLM(小規模言語モデル)を用いた、顧客サポートの自動化、コンテンツ生成、データ分析の補助など、多岐にわたるビジネスシーンでの応用が進んでいます。
しかし、AI活用には一筋縄ではいかない側面もあります。企業が保有するデータをAIに学習させるためには、定性的なデータをAIに理解してもらう必要があるのです。例えば、顧客のフィードバックや製品レビュー、過去の意思決定やその裏にある思考などの数値に表しづらいデータです。これらの定性的なデータを「AIレディ」に整備することが、多くの企業の課題となっています。
LLMについて詳しくはこちらで解説しています→ビジネスに役立つLLM(大規模言語モデル)とは?ChatGPTや生成AIとの違いも詳しく解説
生成AI活用におけるデータの整備や管理について詳しくはこちらで解説しています→企業の生成AI活用で成果を出すデータマネジメント
| まとめ
データ活用の重要性が高まる中、企業が自社データを効果的に活用することが求められています。
この記事では、14の業界別データ活用事例を通じて、データ活用の基本概念や進め方、注意点を解説しました。教育、飲食、小売、IT、金融、製造などの多様な業界における具体的なデータ活用事例はいかがでしたでしょうか。
データ活用は、今後のビジネス成長に不可欠な要素であるため、ぜひ実践に移していただきたいと思います。
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【2025最新版】2024年の生成AI市場の最新動向と2025年の成功に向けたステップ
今回はデータを集約して可視化するBI(ビジネス・インテリジェンス)ツールの1つであるTableauについて解説します。
本記事でわかること
・Tableau製品の特徴
・Tableauの料金形態
・Tableauでできること
・Tableau導入のメリットと注意点
執筆者のご紹介
まつなが
-所属 株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー アナリスト事業部
-メンバーズに新卒入社後にデータについての学習をはじめ、Tableau Data Saberに2024年8月に合格
目次
01. | Tableauとは?
Tableauとは
複数のTableau製品
Tableauの料金形態
Tableauと他ツールの比較
02. | Tableauは何ができる?
直感的な操作でデータを可視化することが可能
予測分析など高度なデータ分析が可能
柔軟性が高いダッシュボードの作成が可能
03. | Tableauを使って実際にダッシュボードを作成する
要件整理
データ接続
ダッシュボードの作成
04. | Tableauを用いたダッシュボード例
05. | Tableauを導入するメリット
いつでも好きにデータにアクセスできる
自分でデータを探索できる
06. | Tableauを導入する上での注意点
適切なライセンスを取得する
運用コストに注意する
01. | Tableauとは?
01-1.Tableauとは
Tableauとは社内のデータを集約してグラフとして見やすく可視化するBI(ビジネス・インテリジェンス)ツールの1つです。BI(ビジネス・インテリジェンス)は、データを効率的に収集・整理・可視化し、客観的にビジネスの意思決定を行う仕組みや手法のことです。このBIを実現するためのソフトウェアやシステムのことをBIツールと呼び、TableauはBIツールの中でもトップレベルに導入シェア率が高いことで知られています。
01-2.複数のTableau製品
Tableauには用途に応じた複数の製品があります。
Tableau Desktop:グラフの作成やデータの接続を行う主にデータアナリストが使用します。
Tableau Public:一般にTableauのグラフやダッシュボードを公開できる投稿サイトです。
Tableau Server:社内で安全にデータを共有するためのデータを保存するサーバーです。
Tableau Cloud:Tableau Serverのクラウド版です。
Tableau Mobile:モバイル端末でもグラフやダッシュボードが閲覧できます。
Tableau Reader:Descktopを持たないユーザーでもグラフの閲覧が可能になります。
Tableau Pulse:AI機能が搭載されており、生産性の向上が期待できます。
01-3.Tableauの料金形態
(参考)
Tableau公式購入ページ:https://buy.tableau.com/ja-jp
Tableau のライセンスタイプ:https://www.tableau.com/ja-jp/pricing/tableau-license-types
01-4.Tableauと他ツールの比較
・Tableau
提供企業:Salesforce
特徴:導入シェア率がトップレベルで高く、BIツールの代表的製品の一つです。視覚化の自由度が非常に高く、デザイン面やグラフのカスタマイズ性、クリックして別グラフに遷移するなどインタラクティブな機能の設定が可能です。BIツールの代名詞ともいわれるほどメジャーで初心者向けのツールとなっています。また、約100種類のデータソースに接続可能で、膨大なデータ量でも高速に処理することを得意とします。
公式サイト:Tableau (タブロー) | BIと分析のためのソフトウェア
・PowerBI
提供企業:Microsoft
特徴:約120種類のデータソースに接続でき、中でもExcelとの接続が容易でPower Queryでのデータの加工が行えます。グラフの描画はチャートタイプを選択したのちにデータを貼り付ける仕様のため、柔軟性にはやや欠けますが、基本的なグラフを素早く作成することが可能です。また、費用が比較的廉価なのも魅力の一つです。
公式サイト:Power BI - データの視覚化 | Microsoft Power Platform
・Looker Studio
提供企業:Google
特徴:Googleアカウントを持つ誰もが無料で利用できるGoogle Cloudサービスです。Google系サービスとの連携が容易で、基本的なグラフを素早く作成することが可能です。一方で高度な統計分析には制限があります。また、膨大なデータの処理はブラウザを含むパフォーマンス負荷が大きいため注意が必要です。
公式サイト:Looker Studio: ビジネス分析情報の可視化 | Google Cloud
02. | Tableauは何ができる?
Tableauでは図のデータ分析サイクルにおけるデータの取得から可視化、分析までを一貫して行うことが可能です。業務上必要な分析の目的を整理し、データの獲得とビジュアライズを行うことで、データから得た分析結果を実際の業務に反映してコスト削減や成果獲得の効率化につなげることができます。
02-1.直感的な操作でデータを可視化することが可能
Tableauはノーコードかつドラッグアンドドロップを主にした簡易的な操作によって、デザイン性の高いデータのビジュアライゼーションが可能です。Tableauは企業が保有する複雑なデータやビッグデータも直感的にビジュアライズすることができます。
02-2.予測分析など高度なデータ分析が可能
Tableauは、データに対する高度な分析を行うための機能をいくつか提供しています。例えば、予測分析やトレンド分析、クラスタリングなどが可能で、データの背後にあるパターンや傾向を把握しやすくします。
02-3.柔軟性が高いダッシュボードの作成が可能
柔軟性の高さはTableauの最大の特徴の1つです。フィルターやスライサーを使うことで、ユーザーが必要な情報に迅速にアクセスできるようカスタマイズすることが可能です。
例えば、以下のダッシュボードでは見たいデータをクリックすることで、その他全てのグラフが連動して動くように設定されています。このようにTableauではインタラクティブなダッシュボード設計が可能です。
図:実際のダッシュボード例(サンプルデータをもとにTableauを用いて作成)
03. | Tableauを使って実際にダッシュボードを作成する
03-0.全体図
03-1.要件整理
ダッシュボードの作成時には誰が、いつ、どんな目的で使うのか事前に想定しておくことが重要です。
例えば、部門責任者が閲覧する場合は主に月次単位で担当している事業の総売上や利益額を把握することが目的となるため、月単位で売上と利益額が閲覧できる棒グラフを配置するとよいでしょう。
一方、事業部門の担当者が閲覧する場合は月単位の集計値ではなく、各施策や商品ごとの詳細な売上の推移を確認し売上の増減の原因について理解を深めて業務改善を行うことで、データを活用した事業成果の向上につながります。
03-2.データ接続
ダッシュボード作成の要件を決定したのち、必要なデータをTableauに接続します。
Tableauではファイルやデータベースのデータと接続することが可能です。
・DB:Amazon Redshift、Azure SQL Database、Google BigQuery、Snowflakeなど
・ファイル形式:Microsoft Excel、テキスト ファイル、JSON ファイル、空間ファイルなど
03-3.ダッシュボードの作成
要件定義で決定した内容に沿ってダッシュボードの作成を行います。
ダッシュボード上での各グラフの配置やデザインを決めてグラフの作成を行い、フィルター機能や詳細表示機能、クリックすることで詳細なグラフに変化する機能などを設定します。
04. | Tableauを用いたダッシュボード例
図:ダッシュボード例(サンプルデータをもとにTableauを用いて作成)
こちらはTableauで作成したダッシュボードの例です。
主にKPIである売上の目標に対しての達成状況を把握することがこのダッシュボードを閲覧する目的です。
上部のカードには各種KPI数値の今年度と今月の合計と前年比が表示されています。月次で数値報告する場合に参照しやすい形式にしています。
中段のグラフは月次と地域別で目標の達成状況を達成を青、未達を赤で表現しています。目標数値もグレーの棒グラフで売上の背面に表示し、さらに達成率も線グラフで同時に表示しています。
このようにTableauで作成するグラフでは棒グラフと線グラフの組み合わせ、条件でカラーを変更、前年比や差分などの計算した数値を出すなど、グラフデザインの自由度がとても高いです。
分析目的に合わせて幅広い手段で数値の比較、強調、補足が可能です。
05. | Tableauを導入するメリット
05-1.いつでも好きにデータにアクセスできる
Tableau Serverでデータを管理することで安全かつ精度の高いデータをもとに分析が可能です。Excelでデータを管理する場合には、データの抽出元やデータの定義や範囲が不明になる可能性がありますが、Tableauでは部署の全員で同一のデータをもとに議論を進めることが可能です。
05-2.自分でデータを探索できる
Tableauのインタラクション機能を設定すると既存のダッシュボード内で分析が可能です。例えば、売上の低迷に対して地域ごとや月次ごとなど詳細な切り口で低迷の原因を探したり、関係する数値(購入サイトへの訪問者数)の変動の影響を確認するなどの仮説の検証が可能なダッシュボードを作成することができます。
06. | Tableauを導入する上での注意点
06-1.適切なライセンスを取得する
Tableauには「Creator」「Explorer」「Viewer」の3つの主要なライセンスがあります。それぞれのライセンスは異なる機能を持ち、業務のニーズに応じて選定することが重要です。「Creator」はデータの準備、分析、ビジュアライゼーションを行うためのフル機能を備えたライセンスで、データ分析を主に行うユーザー向けです。「Explorer」は、ダッシュボードの作成やカスタマイズを行う中級者向けで、データの可視化や共有が可能です。一方、「Viewer」は、ダッシュボードやレポートの閲覧に特化したライセンスで、データを分析することはできませんが、結果を確認することができます。誤ったライセンス選定は、必要な機能が利用できない、あるいは無駄なコストが発生するリスクを伴います。導入前に各ライセンスの特性を理解し、業務フローやチーム規模に最適なものを選ぶ必要があります。
06-2.運用コストに注意する
Tableauの導入に際しては、運用コストの把握が欠かせません。データ管理やダッシュボード作成には、専門的な知識や技術が必要となり、ユーザーがツールを効果的に活用できるようになるまでには一定の学習コストが発生します。これには、初期のトレーニングや教材の購入、社内での教育などが含まれます。また、データのインポートや処理にかかる時間、インフラの維持管理、さらにはサポート体制の構築に伴うコストも考慮する必要があります。これらの運用コストを事前に見積もり、適切な予算を確保しておくことで、導入後のスムーズな運用が実現します。また、TableauとLooker Studioを併用するなど複数のBIツールを導入するケースもあります。BIツールを導入する本来の目的を見失わずに、適切な手法を選択しましょう。
| まとめ
Tableauは、データの可視化と分析を簡単に行える強力なツールであり、直感的な操作性や柔軟なダッシュボード作成が特徴です。複数の製品が用意されており、さまざまな業務ニーズに応じたソリューションを提供します。
また、メンバーズデータアドベンチャーカンパニーでは、企業がデータを効果的に活用できるよう、TableauをはじめとしたBIツールの導入や運用を支援します。BIツールやその他データ分析についてお困りごとがあればお気軽にご相談ください。
\ データ活用についてのご相談はメンバーズデータアドベンチャーまで /
\ 相談する前に資料を見たいという方はこちら /
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BIツール併用でデータ分析を効率化!Tableau×他BIツール併用のメリットとは
データサイエンスとコンピュータサイエンスの発展に伴い、近年スポーツアナリティクスが活発になっています。本記事ではスポーツアナリティクスが活発になった背景と、スポーツ業界におけるデータ分析の具体的な活用事例を共有したいと思います。また、弊社が実施したスポーツ業界の具体的な分析事例も併せてご紹介します。
執筆者のご紹介
加藤洋介
所属:株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー アナリスト事業部
常駐による顧客企業のデータ分析支援を行いWebサービスやアプリのユーザー・PVの向上のための意思決定に貢献。現在は大手小売企業に常駐し大規模なデータ基盤のデータマネジメント業務に従事。
経歴:中古自動車のオークション運営会社、健康保険組合の運営支援会社を経て2021年8月にメンバーズ入社。
顧客企業にデータ分析者として常駐し要因分析・効果検証による効果的なコンテンツ制作の意思決定の支援を実施。ただ分析するのではなく、課題や分析の目的を整理して、意思決定を支援するデータ分析をしてきました。
保有資格:データ分析実務スキル検定、OSS-DB Silver、マーケティング・ビジネス実務検定(B級)
過去保有していた資格:日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、JATI-ATI
目次
01. | スポーツにおけるデータ分析(スポーツアナリティクス)とは
02. | スポーツアナリティクスが活発になった背景
データ収集技術の向上
コンピュータ処理の向上
MLBにおける成功事例の登場
サービス提供企業の増加
03. | 競技シーンにおけるデータ分析
競技シーンにおけるデータ分析の概要
競技シーンにおけるデータ分析で得られるメリット
04. | 興行運営におけるデータ分析
興行運営におけるデータ分析の概要
興行運営におけるデータ分析で得られるメリット
05. | 弊社取り組み事例
ファン向けの販促やマーケティング施策におけるデータ可視化の非効率性を改善
ファン会員分析業務の属人化を解消
パーソナライズされたファンアプローチを可能とする環境を整備
06. | データ分析を取り入れているスポーツの事例
野球
バスケットボール
01. | スポーツにおけるデータ分析(スポーツアナリティクス)とは
スポーツチームの運営や競技に関するデータを収集・蓄積して加工・検証などを行い、課題解決や意思決定に活用するための分析をスポーツアナリティクスといいます。
例えばスポーツチームの運営シーンでは観客動員数、スタジアムの混雑状況を予測してスムーズな運営の意思決定に用いることがあります。また競技シーンでは、選手のパフォーマンスの向上や戦術を決めるための分析、また怪我のリスク減少を目的とした分析などがあります。
02. | スポーツアナリティクスが活発になった背景
近年、スポーツアナリティクスが活発に行われるようになった背景としては、データ収集技術の向上、コンピュータ処理の向上、成功事例の登場、スポーツアナリティクスに関連するサービスを提供する企業の登場が考えられます。
02-1.データ収集技術の向上
ボールや選手のトラッキングデータの収集技術が向上してきました。例えば野球ではトラックマンやラプソードなどを使ってボールの回転数や回転方向、投手のリリースの位置など、ボールの細かい情報を収集する技術が向上してきました。また、選手の動作解析はこれまでVICONなど全身にマーカーを付けてマーカーの座標を測定するモーションキャプチャ技術を用いた動作解析システムによって行われていました。しかし、マーカーを用いた動作解析システムは非常に高価で測定場所が限られます。また、マーカーを張り付ける手間や測定中にマーカーがハズレてしまうこともあるため手間がかかります。近年はその課題も解消され、深層学習の技術の進歩によりマーカーをつけることなく(マーカーレスで)動画データから骨格推定を行うことが可能となりました。深層学習を用いた動作解析にはOpenPoseや PoseNetなどを用いて特徴点を抽出する方法があります。これらの技術は、画像の中の人物の骨格を検出し、高い精度で各部位のベクトルから姿勢データを得ることができるため、特別な機材を用いずに選手の姿勢や動きを認識することが可能となります。
02-2.コンピュータ処理の向上
近年のコンピュータの処理能力・処理速度の向上により、大量のデータをリアルタイムで処理できるようになりました。例えば選手の細かい位置情報などのトラッキングデータを取得するには、大量に早く処理できるコンピュータが必要です。サッカーやバスケットボールなどは選手のトラッキングデータが重要になる場面がありますが、これらを早く処理できるようになり、試合後すぐに何が問題だったのか、次の試合に向けてどうすればよいかといった、戦略面の迅速な評価、改善策の考案ができるようになっています。
02-3.MLBにおける成功事例の登場
成功事例が業界内で共有されたこともスポーツアナリティクスが活発になった重要な要因です。象徴的な例として、「マネーボール」という映画が挙げられます。マネーボールは、2011年に公開されたアメリカの映画で、実際の出来事に基づいて制作されており、MLBの球団の一つであるアスレチックスのGM(ゼネラルマネージャー)ビリー・ビーンの実話を描いています。ビリー・ビーンは選手の評価を数値データに基づいて行う「セイバーメトリクス」を導入します。彼らは、選手のパフォーマンスを定量的に分析し、見落とされがちな才能を持つ選手を見つけ出すことで、チームを強化しようとします。この映画が流行したことによりセイバーメトリクスを含めたデータ分析を意思決定に活用することの有用性が知れ渡るようになり、データ分析を使うことがMLB各球団の間でも定着するきっかけになりました。現在、MLBは1球ごとのデータをStatcastと呼ばれるシステムに集約しており、MLB全30球団がStatcast の全データを API を通じてデータベースに取り込み、各球団が BigQuery 環境で分析できるようになっています。
02-4.サービス提供企業の増加
データ収集技術を含めたスポーツアナリティクスに関連するサービスを提供する企業の登場も、スポーツアナリティクスが活発になった要因の1つです。2010年代まではモーションキャプチャや床反力などを用いて身体の動きの測定や力の推定などは大学などの研究施設くらいしかありませんでした。しかし、近年は、株式会社ネクストベースや株式会社Knowhereなど民間企業においてもモーションキャプチャや床反力系を用いた動作解析システムを含めた計測・コンサルティングサービスが登場してきました。これにより、動作解析のサービスが一般的に普及し始めました。また、動作解析だけでなくトラッキングデータも活用し、投球に関するデータを即時フィードバックできるサービスを提供しているなど、自身のパフォーマンスに関するデータを取得することがより身近になりました。さらに株式会社ユーフォリアが提供するONE TAP SPORTSなど、スポーツ選手のコンディショニングやトレーニングに必要な情報を一括して記録・管理できるサービスが登場し、データを用いて選手の状態を分析をすることができるようになりました。これによりケガの履歴や、練習・試合の運動負荷データの蓄積やモニタリングが可能となり、ケガの傾向の振り返りと適切なトレーニング計画でケガによる離脱を予防できるようになりました。加えて選手のトレーニング負荷やコンディションをもとに、試合に向けた緻密な調整ができるようになりました。
03. | 競技シーンにおけるデータ分析
スポーツ業界のデータ分析は大きく二つに分かれます。
03-1.競技シーンにおけるデータ分析の概要
競技を対象にした分析は、主に選手のパフォーマンス向上を目的にした分析です。選手のパフォーマンス分析では、ウェアラブルデバイスを選手につけることで生理的データ、GPSトラッキングによる選手の移動距離・位置・速度、加速度センサーによる加速度を測定します。また、動作解析システムが整備されている場合や、機械学習エンジニアがいる場合にはマーカーレスに動作解析を行うことも可能で、試合の戦略立案にもデータ分析が用いられます。相手チームや自分のチームの強み弱みをデータ分析により把握することができ、より効果的な戦略を立案しチームのパフォーマンスを向上させるのに役立ちます。
03-2.競技シーンにおけるデータ分析で得られるメリット
- 選手のパフォーマンス改善
選手のパフォーマンス分析では、ウェアラブルデバイスを選手につけることで生理的データ、GPSトラッキングによる選手の移動距離・位置・速度、加速度センサーによる加速度を測定し選手のパフォーマンスを分析することができます。また、動作解析システムが整備されている場合や、機械学習エンジニアがいる場合には、マーカーレスでの動作解析も可能です。これにより、調子の良い時と悪い時のバッティングフォームを比較し、調子が悪い時と良い時と比較してどのような違いがあるのかを明らかにすることができます。
また、バイオメカニストと協力することで、より良いパフォーマンスを発揮するためのバッティングフォームを考案することができます。
- 試合の戦略立案
データ分析を活用することで、どのような戦略が効果的なのかを明らかにすることができます。例えば、野球では数年前までは送りバントが得点獲得の手段として重視されていましたが、近年のデータ分析によって必ずしも効果的ではないとされるようになりました。しかし、さらに詳細な分析を行うことで、特定の状況下では送りバントが効果的な戦略となると判明する可能性があります。
また、選手の適切な起用法についても、データ分析を用いることで最適な戦略を立案することが可能です。過去の試合データを分析することで選手ごとの得意・不得意な場面や状況を明らかにし、より適切な起用法を導き出すことができます。
ただし、試合の戦略を立案する際には、データのみに頼ることは避けるべきです。スポーツの結果にはさまざまな要因が複雑に絡み合っており、試合の流れや状況をすべてデータで表すことは困難です。そのため、データ分析と併せて、経験や直感も重要な要素として活用することが望ましいと考えます。
04. | 興行運営におけるデータ分析
04-1.興行運営におけるデータ分析の概要
スポーツの興行運営において、データ分析は不可欠な要素です。スポーツビジネスではファンマーケティングが重要な柱の一つとなりますが、データ分析を活用することで、ファンクラブに入会するファンの特徴を明確にし、より効果的なマーケティング戦略を立案することが可能になります。
また、チーム運営においてはスポンサーの獲得も極めて重要です。データ分析を行うことでより適切な企業とのマッチングが可能になり、双方にとってメリットのあるスポンサー契約を締結することができます。
04-2.興行運営におけるデータ分析で得られるメリット
- ファンマーケティング
スポーツビジネスでは、ファンとの強固な関係を築くためのファンマーケティングが不可欠です。一般的なマーケティングではより多くの人にリーチすることを目指しますが、ファンマーケティングでは、ファンクラブ限定イベントなどを通じて熱心なファンのエンゲージメントを高めることが目的となります。
例えば、Bリーグではレギュラーシーズン中に会員限定で試合後の選手サイン会や練習見学会を実施しています。また、NPBではシーズン終了後にファン感謝デーを開催するなど、ファンとの接点を強化する施策が展開されています。
このようなファンマーケティングには、データ分析が欠かせません。代表的な分析手法としてCRM(顧客関係管理)分析があります。CRM分析により、LTV(顧客生涯価値)を明らかにし、リピート購入を促進する施策やプログラムを設計できます。また、顧客の属性や行動に基づいてセグメント分けを行い、それぞれのグループに適したマーケティング施策を展開することも可能です。
さらに、SNSの投稿内容を分析するテキストアナリティクスも有効です。ファンの投稿をすべて手作業で確認するのは現実的ではありませんが、テキストアナリティクスを活用することで、ファンのチームに対する反応や改善点を把握することができます。
- スポンサーの獲得
スポーツチームの運営において、スポンサーの獲得は重要な収益源の一つです。特に、チケット収入や放映権料が限られている場合、スポンサーからの支援が財政の安定に寄与します。
企業にとってのメリットとしては、試合やイベントを通じて自社ブランドの露出を高められる点が挙げられます。例えば、スポンサー契約を締結することで、チームのユニフォームに企業ロゴを掲載したり、契約発表をSNSでリリースすることで、新たな層にブランドを認知してもらう機会を得ることができます。
スポンサー獲得においても、データ分析は重要な役割を果たします。データを活用することで、スポンサー企業に対して具体的な価値を示し、効果的なターゲットマーケティング戦略を構築できます。
例えば、ファンのデモグラフィックデータ(年齢、性別、家族構成、職業など)、試合観戦履歴、イベント参加履歴、チケットやグッズの購入履歴を分析することで、チームのファン層と相性の良い企業を特定することが可能です。これにより、双方にとって最適なスポンサー契約を締結することができます。
05. | 弊社取り組み事例
05-1. ファン向けの販促やマーケティング施策におけるデータ可視化の非効率性を改善
スポーツ団体のファンに向けた販促や来場マーケティング施策を行っているお客様において、データ可視化の非効率性やスピードが課題となっていました。そこで、分析業務の高速化を実現する運用基盤のPoC導入と効果検証をご支援しました。
既存のBIツールには、Tableau Desktopに関連する2つの主要な課題がありました。
- ローカルデータの読み込み、DBテーブルの結合、複雑な計算フィールド/フィルターの使用による処理遅延。
- 1台のPCに依存する運用が業務の品質に影響を及ぼす。
社内環境がMS-Officeであるため、安価なクラウド分析環境を活用し、複数の社員が同時に業務を遂行できる環境を求めていました。そこで、Power BIの導入を検討しましたが、経験者が不在のため移行作業が進まないという問題がありました。
この課題に対し、弊社からエンジニアが常駐し、移行業務を支援しました。具体的には、以下の取り組みを行いました。
・テーブル設計の見直し
・計算メジャーの最適化
・データマートとPower BI間の可視化データ復元と処理の最適化
結果として、処理速度が向上し、PoCの段階でPower BI導入による業務効率化を証明することができました。
05-2. ファン会員分析業務の属人化を解消
同じお客様において、分析業務の属人化により業務品質が安定せず、可視化までのプロセスやノウハウが共有されていないという課題がありました。そこで、分析業務の平準化を実現するユースケース作成と運用整備をご支援しました。
主な課題は以下の3点でした。
- 既存BIツールの特性による作業の属人化。
- セキュリティリスクとファイル更新の手間。
- 分析担当者及び後任者の業務習熟と引き継ぎの難しさ。
この課題に対し、弊社エンジニアが常駐し、以下の施策を実施しました。
・ファン会員分析のダッシュボード整備
・更新データ環境の整備
・業務仕様書の作成とお客様担当者への業務トランスファー
その結果、ダッシュボードの運用が民主化され、業務工数の削減を実現しました。また、接続先をクラウドに変更することで、最新のデータファイルが追加されれば更新ボタンを押すだけでPower BIのデータを最新化できるようになり、誰もが容易にダッシュボードを操作できる環境を整備しました。
05-3. パーソナライズされたファンアプローチを可能とする環境を整備
最後に、スポーツ団体の企業様を支援した事例をご紹介します。ファン育成と顧客体験の最大化を目的としたCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)を軸にしたファンマーケティング基盤の構築を支援しました。
このプロジェクトでは、広告効果とリテンション施策の最大化を目指し、基幹DBとMAツールを新たな環境へ移行しました。また、データ活用の加速を目的とし、データライフサイクルの仕組み化を推進しました。
お客様が抱えていた主な課題は以下の3点でした。
- データ基盤構築を進める中での人材不足
- IT・マーケティング知識の不足
- データ活用のサイクルが回っていない
そこで、弊社は顧客のビジネスサイドとベンダー間のハブ人材として、以下のプロジェクトを同時に推進しました。
・基幹DB移行
・DWH(データウェアハウス)構築
・可視化環境の整備
その結果、顧客体験の最大化を見据えたシステムアーキテクチャを実装し、短期間でパーソナライズされたファンアプローチを実現する環境を整備しました。加えて、データライフサイクルの仕組み化を実現し、持続的なデータ活用基盤を構築することができました。
06. | データ分析を取り入れているスポーツの事例
データ分析は多くのスポーツにとって欠かせない要素となっており、その活用範囲は今後も拡大していくことが予想されます。ここでは、特にデータ活用が進んでいる野球とバスケットボールを紹介します。
06-1. 野球
MLBでは、Statcastと呼ばれるシステムを用いて試合データを収集しており、MLBのすべての球団にデータが提供されています。Statcastの導入により、「フライボール革命」と呼ばれる戦術が流行しました。これは、詳細なデータの取得により選手ごとに極端な守備シフトを敷くようになり、内野の頭を超えるような強い打球を狙うことで、ヒットや長打の確率を高めるという考え方に基づいています。これはデータ分析の進展によって生まれた戦略の一例です。
Statcastのデータは「Savant」というサイトで公開されており、APIを通じてデータを取得することも可能です。そのため、Pythonなどのプログラミング言語を活用することで、誰でもMLBのデータを取得し、独自の分析を行うことができます。
日本のプロ野球(NPB)でもデータ分析を導入している球団が増えています。例えば、埼玉西武ライオンズ、福岡ソフトバンクホークス、横浜DeNAベイスターズでは、データ分析を専門に行う組織が設置され、選手のパフォーマンス向上や試合の戦略立案に活用されています。また、他の球団でも、マーケティング施策にデータ分析を活用する事例が増えてきています。
06-2. バスケットボール
Bリーグにおいても、データ活用が進んでいます。SCS推進チームが、メディカルスタッフによる外傷・障害の発生状況のデータを収集・分析し、選手のケガ予防に役立てています。
また、Bリーグではトライアル段階として「ホークアイ」システムを導入し、トラッキングデータを取得する取り組みが行われています。このデータは、ファンの観戦体験向上や、選手のケガ防止に活用される予定です。
Bリーグに所属する各チームでも、データ活用の事例が増えています。例えば、名古屋ダイヤモンドドルフィンズでは、グッズの購入履歴データを分析し、ファンの好みや推しの選手を予測した上で、個別におすすめのグッズをメルマガで提案しています。
さらに、データ分析の結果から、春日井市や一宮市に住むファンのLTV(顧客生涯価値)が高いことや、小学生の子どもを持つ母親の中でも30代のリピート転換率は低いがLTVは高い傾向にあることを明らかにするなど、データ分析を用いたマーケティング施策が実施されています。
データ分析の進展により、野球やバスケットボールだけでなく、さまざまなスポーツでの活用が進んでいます。今後のデータ分析技術の発展により、スポーツの戦術やファンマーケティングがどのように変化していくのか、引き続き注目されます。
| まとめ
本記事では、データサイエンスとコンピュータサイエンスの進展がもたらしたスポーツアナリティクスの活発化の背景と、スポーツアナリティクスが選手のパフォーマンス分析や試合戦略の立案、ファンマーケティング、スポンサー獲得といった多様な側面でどのように役立っているかを具体的に示しました。そして最後に、弊社による実際のスポーツ業界の分析事例を通じて、データアナリティクスが現場でどのように応用され、実践的な成果を上げているのかを紹介しました。
スポーツ業界におけるデータ分析の活用は、競技力の向上やビジネスの成長に貢献することが可能であり、今後もその重要性は一層高まると考えられます。データ分析を通じて得られる洞察は、選手やチーム、ファン、スポンサーにとって新たな価値を生み出す可能性を秘めています。もし、スポーツアナリティクスについてお困りごとがございましたら、弊社メンバーズデータアドベンチャーカンパニーへご相談いただけますと幸いです。弊社の150名ものデータのプロフェッショナルが、高いビジネス貢献思考をもって貴社のデータ活用を支援いたします。
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なぜ多くの企業がデータ分析に失敗するのか?成功の鍵とその対策
~データ専門人材がマーケティングとITの架け橋となり
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DX現場支援で顧客と共に社会変革をリードする株式会社メンバーズ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:髙野 明彦、東証プライム:2130、以下「メンバーズ」)のデータ領域プロフェッショナル常駐サービスを展開する専門組織、メンバーズデータアドベンチャーカンパニー(カンパニー社長:白井 恵里、以下「データアドベンチャー」)は、マーケティングオペレーション(MOps)におけるデータ活用領域のサポートを行う「MOps支援サービス」の提供を開始します。本サービスは、データ専門人材が企業のMOpsにおけるデータ活用領域の設計から運用改善までトータルでサポートすることで、データドリブンなマーケティング活動を実現します。
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背景
テクノロジーの発達、企業のDX投資の増加によりマーケティング領域における先端テクノロジーの導入が拡大しています。このような要因によりマーケティング活動は複雑化し、最適なマーケティングを実施するためには先端テクノロジーや高度なデータ活用に関する専門知識が不可欠です。
これらの専門性をもってマーケティング活動を推進する役割を果たすのがMOpsです。MOpsは、マーケティング組織のデータやシステムの活用を推進するために、マーケティングとIT(テクノロジーやデータ)の架け橋となり、マーケティング活動の効率と成果を高めます。
MOpsにおけるデータ領域では、マーケティングチームが扱う膨大で多様なデータを専門的な知識を持って効果的に活用します。これにより、マーケティング活動をデータドリブンに進化させ、効率と成果を向上させます。しかし、データ領域は専門性が高く、かつマーケティング領域における知見を有する人材の確保・育成は難しいのが現状です。
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MOps支援サービスについて
MOpsにおける調査・構想、構築、運用改善フェーズでそれぞれ必要なチーム体制を提案し、必要なフェーズに必要な専門人材をアサインすることで、企業のマーケティングチームメンバーが顧客理解や施策考案などマーケティングのコア業務に専念できる環境を作ります。
(1)特徴
【提供価値】
・マーケティングに関するデータ活用を統合的に運用管理可能な状態を生み出すことで、マーケティング業務の効率化、専業化を推進します。
・マーケティングに関するデータ活用の全体像を捉えながらデータ活用を推進することで、全体最適かつビジネスの変化に対して柔軟性のあるデータ活用環境を構築します。
・企業のマーケターは新しいテクノロジーやツールについて最低限度のキャッチアップで、顧客理解・施策企画や実行部分にリソースを集中することができるようになります。
・データ運用と分析/レポートの統合環境を構築することで、データに基づいたエビデンスベースドマーケティングの実行が可能となります。
【データアドベンチャーの強み】
①利用者ファーストのデータ活用環境構築
・採用率1%の厳選採用。業務推進力のあるデータ専門人材が伴走します。
・顧客課題/利用者属性に合わせた環境開発を得意としています。
②多職種の専門データ人材による支援
・アナリスト/エンジニアの両側面からオールインワンで支援します。
・マーケター/システム部の橋渡し・翻訳家として業務を推進します。
③豊富なデジタルマーケティング支援実績
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ビジネスの成長を前提に、MOpsにおけるデータ活用領域の設計から運用改善までトータルでサポートいたします。
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現状把握や各種ツールの活用状況・環境調査などを実施。マーケティング戦略・戦術を理解し、その戦術に見合ったスケジュール・ツール選定/導入/環境構築を包括したプロジェクトを企画推進します。
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DMP/CDPの設計・構築、MAツールで活用するデータ設計、生成AI環境の構築、各種システム間のデータ連携などITシステム部門との窓口となりデータ活用を高速化する土台を構築します。
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DMP/CDP/MAツール/BIツールなどマーケティングテクノロジーで活用するデータの整合性や安全性を担保し、利用者が安全に正確に素早くデータを活用できる環境を構築・維持します。
- ・データ分析施策フィードバック
データサイエンスを活用し施策の効果検証のために施策設計段階から伴走。データ取得設計/分析設計・実行/可視化/ダッシュボード・レポート作成/示唆出しを行うことで、より良い意思決定を支援します。
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・データ統合や機械学習を用いた顧客セグメントの創出を可能にします。
・分析スキル不要のダッシュボードを構築しPDCAサイクルを支援します。
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サービスに関するお問い合わせ
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MOps支援サービスの導入に関する費用、流れ、詳細については、下記メールアドレスへご連絡ください。。
・お問い合わせ先:data_sales@members.co.jp
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株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー
- メンバーズデータアドベンチャーカンパニーについて
株式会社メンバーズの社内カンパニー。正社員として在籍しているデータアナリスト、データサイエンティスト、データエンジニアなどデータ領域のプロフェッショナルを取引先企業へ常駐することで企業のデータ活用を支援し、顧客のビジネス成果に貢献するサービスを提供しています。
・所在地:東京都中央区晴海一丁目8番10号
晴海アイランド トリトンスクエアオフィスタワーX 37階(受付35階)
・代表者:カンパニー社長 白井 恵里
・Webサイト:https://www.dataadventure.co.jp/
・Facebook:https://www.facebook.com/Membersda
・X(旧:Twitter):https://twitter.com/Members_da
- 「データ領域プロフェッショナル常駐サービス」について
データアドベンチャーでは、データ活用戦略の策定から分析基盤や運用体制の構築、内製化までを支援する「データ領域プロフェッショナル常駐サービス」を提供しています。
顧客のデータ利活用施策に合わせて、データアナリスト・データエンジニア・データサイエンティストからチームを編成し、常駐させることで、データ活用における人材不足を解消することができます。
また、データ活用人材不足を解消するだけではなく、顧客先でのデータ分析勉強会や運用体制の構築も行う伴走型支援により、組織全体のデータリテラシーを高め内製化を推進することも可能です。
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株式会社メンバーズ
- 株式会社メンバーズについて
メンバーズは、VISION2030として「日本中のクリエイターの力で、気候変動・人口減少を中心とした社会課題解決へ貢献し、持続可能社会への変革をリードする」ことを掲げ、デジタル人材の伴走によるDX現場支援で顧客と共に社会変革をリードしてゆきます。
・所在地:東京都中央区晴海一丁目8番10号
晴海アイランド トリトンスクエアオフィスタワーX 37階(受付35階)
・代表者:代表取締役社長 髙野 明彦
・資本金:1,057百万円(2024年3月末時点)
・Webサイト:https://www.members.co.jp/
・Facebook:https://www.facebook.com/Memberscorp
・X(旧:Twitter):https://twitter.com/Members_corp
- メンバーズの専門カンパニーについて
取引先企業のビジネス変革・内製化DXの推進を支援するため、高付加価値なモダン技術領域に特化した社内専門組織の拡大を推進しています。2025年2月1日現在、AI、データ活用、Web3、SaaS活用、脱炭素DXTMなど、多種多様なDX領域において20社が事業を展開し、DX現場支援により企業のDX投資のROI最大化実現を目指しています。
カンパニー一覧:https://www.members.co.jp/company/groups.html
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本リリースに関するお問い合わせ
株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー
広報担当 小池 育弥
mail:m_da_pr_prg@members.co.jp
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この記事では、「データ」と「情報」の違いに焦点を当て、データを効果的に情報化する重要性を紹介します。
正しく情報化されたデータは、企業の意思決定や業務改善に不可欠な要素です。
具体的な事例を通じて、データを情報として活用するメリットや注意点について触れます。
情報化によってデータの力を引き出し、企業競争力の向上や業務効率化を実現するためのヒントとなれば幸いです。
執筆者のご紹介
續 航平(つづき こうへい)
所属:株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー エンジニア事業部
業務内容:データエンジニアとして、クラウドやSaaSを活用し、データ基盤の設計・構築、データパイプラインの開発など、データ駆動型の意思決定を支援する業務に従事。
経歴:情報系高等専門学校を卒業後、2023年に株式会社メンバーズに入社。
2024年9月までイベントプラットフォーム運用企業にてデータ関連業務の支援を行う。
現在は大手自動車関連メーカーにてマーケティング施策の効果検証に用いるデータ基盤を構築中。
保有資格:情報処理安全確保支援士 など
目次
01.|データと情報の違い
データ(data)とは
情報(information)とは
企業における分かりやすい例
02.|データを情報として活用するメリット
正確な現状把握
業務効率の向上とコストの削減
迅速かつ高精度な意思決定
03.|データの情報として活用する際の注意点
導入目的の明確化
適切なツールの選定
社内体制の整備
04.|データを情報化するには?
生成AIの活用
分析ツールの導入
外注サービスの活用
05.|実際の情報化事例
【大手通信企業】情報化による施策改善とコンバージョン率の向上
【飲食サービス提供企業】 社員の業務工数削減へ貢献する生成AIの活用
01.|データと情報の違い
01-1.データ(data)とは
「データ」とは、
「観察や計測によって得られた生の事実を、数値や文字、記号などで表現したもの」
を指します。
例えば、温度、売上金額、顧客の名前などがデータの例です。
データは通常、文脈を持たず、単なる数字や文字列として存在します。
特に、ITの世界では主にコンピューターに適した形式(データベースやスプレッドシートなど)で保存されることが一般的です。
01-2.情報(information)とは
一方で「情報」とは、
「データに文脈や意味が付加され、理解可能な形で整理されたもの」
を指します。
データが加工され、分析されることで、特定の目的に応じた知識や洞察を提供するものが情報です。
情報は、データの背後にあるトレンドやパターンを明らかにすることによって、意思決定や戦略の策定において重要な役割を果たします。
また、情報は様々な形式で存在し、報告書やプレゼンテーション、データビジュアライゼーションなどを通じて他者に伝達されることが一般的です。
01-3.企業における分かりやすい例
企業活動において、データと情報の違いを理解することは非常に重要です。
例えば、ある店舗の売上データが日別に記録されている場合、この「データ」は単なる数値の羅列に過ぎません。しかし、これを分析すると以下のような「情報」を得ることができます。
- 曜日ごとの売上傾向
- 特定商品の人気推移
- 季節ごとの売上パターン
これらの情報を基に、在庫管理や販売戦略を最適化することが可能になります。
図:データと情報のイメージ
このように、「データ」を適切に分析・解釈して「情報化」することで、初めて意思決定の有効な材料となります。単に数値を並べるだけでなく、その背後にある意味や傾向を読み解くことが重要です。
02.|データを情報として活用するメリット
データを情報として活用することで、以下のようなメリットが得られます。
02-1.正確な現状把握
データを情報化することで、現状を正確に把握することが可能になります。
例えば、前節で示した通り、売上データを分析することでどの商品がどの時期に売れているのかを明確に理解でき、マーケティングにおける現状の課題や強みを把握する助けとなります。
02-2.業務効率の向上とコストの削減
情報化されたデータは、業務プロセスの効率化やコスト削減にも寄与します。
例えば、散在している自社内のドキュメントを情報化しておく事で、目的の情報に迅速にアクセスする事が可能になるなど、業務の自動化や効率化を進めるための基盤として活用できます。他にも、在庫データを分析して需要予測を行うことで、過剰在庫や欠品を防ぎ、無駄なコストを削減することなども可能です。
02-3.迅速かつ高精度な意思決定
情報は、迅速かつ高精度な意思決定も支援します。
例えば、リアルタイムの売上データを基にした情報は、即座に販売戦略を変更するといった迅速な対応を可能にします。これにより、競争の激しい市場環境においても柔軟に対応することができます。
03.|データの情報として活用する際の注意点
データを情報として活用する際には、以下の点に注意する必要があります。
03-1. 導入目的の明確化
データを情報化する際には、まずその目的を明確にすることが重要です。
目的が曖昧なままでは、収集したデータが適切に活用されず、意思決定に関係のないデータを収集してしまうなど、無駄なコストや労力が発生する可能性があります。
例えば、「売上を増加させるためにどの商品の販売を強化すべきか」といった具体的な目的を設定し、それに関連するデータはどれなのかを適切に判断することが重要です。
03-2. 適切なツールの選定
データを情報化するためには、適切なツールを選定することも必要です。
例えば、データ分析ツールやデータ加工ツールを活用することで、ニーズに合った最適なデータの可視化や分析が効率的に行えます。連携する他ツールとの相性や対応するデータ形式など、ツールによって機能は様々ですので、選定の際には企業の規模や目的に合ったものを選ぶことが重要です。
03-3. 社内体制の整備
データを情報として活用するためには、社内体制の整備も欠かせません。
データの収集・分析を行う専門チームの設置や、社員への教育を通じて、データ活用の文化を醸成することが求められます。また、データの所在やデータ連携先などのメタデータの管理といった、データの品質を保つための管理体制も重要です。
04.|データを情報化するには?
04-1.生成AIの活用
生成AIを活用することで、迅速に有用な情報を引き出すことが可能です。
例えば、社内に蓄積されたナレッジや資料というデータから、生成AIを活用した検索ツールを導入することで、従業員が迅速かつ効率的に目的の情報にアクセスすることが可能となります。
04-2.分析ツールの導入
BI(Business Intelligence)ツールなどの分析ツールを導入することで、データを視覚化し、意思決定に役立つ情報を抽出できます。
これらのツールは、データをグラフやチャート、ダッシュボードといった視覚的に分かりやすい形式で表示し、データの傾向やパターンを簡単に把握することが可能です。また、複数のデータソースを統合して分析することができ、部門間でのデータ共有や連携を強化する役割も果たします。これにより、業務効率の向上やコスト削減にもつながります。
関連記事:BIツール併用でデータ分析を効率化!Tableau×他BIツール併用のメリットとは
04-3.外注サービスの活用
データ分析の専門知識が社内に不足している場合、外部の専門サービスを活用するのも有効な手段です。データ分析を専門とする企業やコンサルティング会社は、高度な分析技術やノウハウを持っており、複雑なデータ分析を迅速かつ正確に行うことができます。
例えば、顧客データを基にしたセグメンテーション分析やAIを活用した予測分析など、専門的なスキルが求められる作業を外注することで、より精度の高い結果を得ることが可能です。
外注サービスを利用することで、社内リソースを効率的に活用し、従業員が本来の業務に集中できる環境を整えることができます。
05.|実際の情報化事例
05-1.【大手通信企業】情報化による施策改善とコンバージョン率の向上
ある大手通信企業では、WEBサイトにGoogle Analytics(GA)などの分析ツールが導入されていましたが、スキルや時間の不足からデータの活用や情報化が進んでいないという課題がありました。この課題を解決するために、ダッシュボードの構築が行われ、データを活用した施策の効果検証と改善を実施しました。
この取り組みの成果として、GAのデータを活用した施策が実行され、ファネルを可視化することでボトルネックとなるページを特定できました。ページ要素の絞り込みによって、コンバージョン率(CVR)が10ポイント向上しました。また、効果検証が適切に行えるようになり、追加したアンカーリンクによってエンゲージメント率が5ポイント向上したことも確認されました。
このように、正しく収集したデータを活用することで、データドリブンな施策検討が実現され、改善活動が他部署にも波及する結果となりました。
データと情報の違いを理解し、データを効果的に情報化することで、意思決定に必要な材料を整える重要性が示された事例です。
05-2.【飲食サービス提供企業】社員の業務工数削減へ貢献する生成AIの活用
ある飲食サービス提供企業では、社内に蓄積された膨大なナレッジやドキュメントへのアクセスの効率化を目指し、生成AIを活用した検索ツールの導入プロジェクトが始まりました。このプロジェクトは、従業員が必要な情報に迅速かつ効率的にアクセスできるようにすることを目的としています。
企業内には、Confluence上に多くのドキュメントが存在していましたが、その量が膨大であるため、従業員は「どこに」「どのような」ドキュメントがあるのかを調査するのに多くの時間を費やしていました。
このような課題に対処するため、生成AIを使った検索ツールを開発し、ユーザーからの質問に対してAIが回答と関連ドキュメントを提示するWebアプリを構築しました。このツールは、社内の情報を効率的に検索できる機能を提供し、検索ワードを入力することで自動的に検索結果を生成します。また、従業員がWeb画面から質問できるインターフェースも実装されています。
この取り組みの成果として、ドキュメント調査にかかる工数が大幅に削減されました。これにより、従業員はより迅速に必要な情報にアクセスできるようになり、業務効率が向上しています。
図:生成AI活用事例のイメージ
まとめ
データと情報の違いを理解することは、ビジネスにおいて重要です。
「データ」は未加工の数値や記号であり、それを分析・整理することで初めて「情報」として価値を持ちます。情報化されたデータは、現状把握の精度を高め、業務効率の向上や迅速な意思決定を可能にします。
適切に活用するためには、目的を明確にし、分析ツールやAIを導入するなどの手法が有効です。また、データ活用のための社内体制の整備も重要なポイントです。さらに、社内に専門知識が不足している場合は、外部サービスを活用することで高度な分析を実現できます。
データを適切に情報化し、活用することで、より迅速で戦略的なビジネス判断が可能となるでしょう。
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なぜ多くの企業がデータ分析に失敗するのか?成功の鍵とその対策
この記事では、データ活用人材の採用と育成プログラムの設計に必要なポイントをお伝えします。
執筆者のご紹介
名前:工藤佳奈子
所属:株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー アナリスト事業部HRグループ
担当:データアナリストの採用業務および育成業務を担当。入社~常駐開始までの期間のチームメンバーマネジメントも兼任にて担当。
経歴:非IT業界にて営業事務や総務を経験。2019年にメンバーズに入社。メンバーズに入社時からデータ活用人材の採用に関する業務全般を担当。
目次
01. |データ活用と人材不足
データ活用が企業に与える影響
人材不足に直面する企業の現状
02. |データ活用人材とは?
データ活用人材の定義
必要なスキルと役割
03. |データ活用人材を確保するときのよくある失敗
自社採用しようとしたがうまくいかなかった
担当社員を育成・採用したがワークしない
04. |データ活用人材育成の必要性
採用だけでは解決できない理由
育成が企業の競争力向上に寄与する
05. |データ活用人材育成のポイント
データ活用の目的を明確化
必要なスキルセットの定義
効果的な育成プログラムの設計
06. |データアドベンチャーの研修体制
データアドベンチャーが実施している研修の内容
毎年数十名をデータプロフェッショナルに育成する実績
01.|データ活用と人材不足
01-1. データ活用が企業に与える影響
<そもそも、データ活用とは?>
データ活用とは、企業が業務で発生するデータを収集・蓄積・分析することで、ビジネス戦略や意思決定に役立てる取り組みです。
データを適切に活用することで、社内の業務効率化やコスト削減、顧客満足度の向上、売上の向上を図ることができます。
01-2. 人材不足に直面する企業の現状
<深刻な人材不足>
データ活用を含む専門的なデジタル人材は現在市場全体で不足しています。
増え続ける需要に対し、供給が追い付かない状況となっているためです。
総務省令和6年版「情報通信白書」(*1)には以下のような記載があります。
「デジタル化に関して現在認識している、もしくは今後想定される課題や障壁として、日本企業は「人材不足(42.1%)」の回答割合が最も大きく、他国企業と比較して圧倒的に高い割合となった。」
「日本企業においては特にUI・UXに係るデザイナーや、AI・デジタル解析の専門家が他国に比べて少ない点が顕著である。UI・UXに係るデザイナーが「在籍している」と回答した割合は、日本企業では18.3%に対して他国企業では約60%から約70%であり、AI・デジタル解析の専門家が「在籍している」と回答した割合は、日本企業では18.8%に対して他国企業では約60%から約80%であった」
*1 出典:「令和6年版 情報通信白書」(総務省)https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/html/nd21b210.html(2025年2月14日に利用)
図1 専門的なデジタル人材の在籍状況
図1 出典:「令和6年版 情報通信白書」(総務省)https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/html/nd21b210.html(2025年2月14日に利用)
<人材の不足による課題>
デジタル人材の不足により、社内のDX化が進められない・DX化を進めたものの思うような成果が得られないなどが課題になっていると考えられます。
関連記事:データ分析・活用で採用に関するお悩みを解決するには?
02.|データ活用人材とは?
02-1. データ活用人材の定義
データ活用人材とは大量のデータを収集・分析し、仮説立案から戦略設計・意志決定までを行うことができる人材のことです。
簡単に言えば、データをビジネスに活かせる人材です。
02-2. 必要なスキルと役割
<データ活用における代表的な職種>
データ活用人材には、様々な職種があります。
その中でも代表的な3つの職種における必要なスキルと役割をご紹介します。
・データアナリスト
データアナリストは、主にデータの収集、処理、分析、解釈、可視化など、データを用いてビジネス課題を特定し施策につながる示唆を出し、施策を評価するというPDCAサイクルを回して、ビジネス成果に貢献します。
・データエンジニア
データエンジニアは、データパイプラインの設計と構築などデータを活用するためのインフラを設計・構築し、データの収集・加工・分析を行うための基盤を作る専門家です。
・データサイエンティスト
データサイエンティストは、「高度に情報化された社会において、日々複雑化及び増大化(ビッグデータ化)するデータを、利用者の利用目的に応じて情報を収集・分析する技術を有し、ビジネスにおいて実行可能な情報を作ることができる者」(*2)を指します。
*2 出典:「定款」(一般社団法人データサイエンティスト協会)
https://www.datascientist.or.jp/aboutus/statute/(2025年2月14日に利用)
関連記事:データ活用人材ってどうやって育成するの?
03.|データ活用人材を確保するときのよくある失敗
03-1. 自社採用しようとしたがうまくいかなかった
データ活用人材は、デジタル化の需要にともない今後ますます需要が高まると予想されます。その流れに合わせて、データ活用人材の自社採用を考える企業も多いのではないでしょうか。
しかし、いざ求人を掲載しても応募者の中に条件に当てはまる人材がいないという話をよく聞きます。結果として、求人掲載はしたものの求めていた人材からの応募がなく採用ができなかったというケースです。
03-2. 担当社員を育成・採用したがワークしない
データ活用推進部署を新設するため、担当者が必要になり急いで採用したが、想定していた成果が出なかったという話を聞くことがあります。社内で事前に十分なヒアリングができておらず、採用した人材のスキルと任せたい業務がマッチしていないという例です。
データ活用と一言で言っても、社内の状況やデータ活用の目的、出したい成果が明らかになっていないと本当に必要な人材を採用できず、結果として失敗してしまう可能性が高いと言えます。
また、育成のノウハウがなければその失敗をリカバリーすることも難しくなってしまいます。
関連記事:データ活用人材が必要な企業必見!~データアナリスト・データエンジニアを採用する時のポイント
04.|データ活用人材育成の必要性
04-1. 採用だけでは解決できない理由
データ活用人材の採用がうまくいかない理由としては、企業が求める人材と、市場にいる人材にギャップがあることが考えられます。そもそも、企業が求める条件には「データ分析経験〇年以上」など経験者を想定したものが多くあります。
市場全体でデータ活用人材が不足していることを踏まえると、データ活用経験のある即戦力人材を採用するのは容易ではありません。
また、企業での採用においてはスキルだけではなく企業文化に合った人材を採用する必要があります。少ない人材の中から、ビジネスモデルやカルチャーに合った人材を探すのはさらに困難です。
04-2. 育成が企業の競争力向上に寄与する
先述の通り、スキルやカルチャーマッチなど、求めるすべてに当てはまる人材を採用するのは厳しいというのが現状です。
そこで、必要になるのがデータ活用人材を育成する体制です。
市場には求めるスキルや経験に当てはまる人材が少ないことを前提とし、社内にてスキル育成のカリキュラムを確立させます。それにより、採用数を増やすことができ人材の不足を補えるため、企業の競争力向上につながります。
また、育成の取り組みのひとつとして、社員同士のナレッジシェアなど学びあう文化を醸成することにより社内全体のスキルレベルが上がり、企業の長期的な成長につながります。
05.|データ活用人材育成のポイント
05-1. データ活用の目的を明確化
人材育成プログラムを設計するにあたり、データ活用の目的や業務に沿った内容にする必要があります。
<データ活用の目的とは?>
データ活用の目的は、「データをビジネスに活かす」ことです。
社内の業務効率化や売上向上などの目的や課題に対し、何を解決し何を達成したいのかを明確にしておくことが大切です。
その内容によって、求められるスキルやアプローチが異なるため、必要とされるスキルに特化した人材育成に焦点をあてるのがよいでしょう。
05-2. 必要なスキルセットの定義
次に、データ活用の目的を達成するために必要なスキルを定義していきます。
<データ活用人材に求められる3つのスキル>
データ活用を実現するために必要な、3つのスキルをご紹介します。
・ビジネス力
データ活用人材には、一般的なビジネススキルが求められます。データ分析の結果を元にしてプロジェクトを推進するためのコミュニケーション能力や、進捗管理能力など、データ活用実現のために関係者を巻き込みながら業務に取り組む必要があるためです。
また、ビジネス課題の解決や目的の達成など、成果を生み出すためのフローや方法を考える力も必要です。
・データエンジニア力
データやデータベースに関する基礎知識、分析を行うためのデータ基盤構築や整備、収集・分析に必要なExcel、SQL、Pythonなどのスキルが求められます。
また、BIツールなどのツールを用いたダッシュボードの構築・可視化といったデータを展開する力も必要です。
・データサイエンス力
データサイエンス力とは、大量のデータを分析し、企業のビジネス課題に対する適切なアクションを情報科学理論に基づいて導く力です。
統計学の知識、近年では生成AIに関する知識・経験も求められています。
参考:「2023年度版データサイエンティスト スキルチェックリストver.5」(データサイエンティスト協会)https://www.datascientist.or.jp/news/n-pressrelease/post-1757/(2025年2月14日に利用)を参考に作成
<目的に合わせたスキルセットの定義>
1つのスキルではデータ活用の実現はできません。
一方で、達成したい目標や解決したい課題によっては、アプローチ方法が変わります。状況により、先述した3つのスキルのすべてを必要としない可能性もあります。
どのような目的でデータを活用したいのかを十分に整理したうえで、業務に合わせたスキルセットを定義することが大切です。
05-3. 効果的な育成プログラムの設計
ここまで、育成のポイントとしてデータ活用の目的と必要なスキルセットを明らかにしてきました。
より効果的な育成のポイントとして、採用した人材のスキルレベルに合わせた学習計画を立てることができる育成プログラムの設計をするのがよいでしょう。
人材のスキルレベルに合わせた学習計画ではない場合、習得に時間がかかってしまったり、途中で挫折してしまう可能性があります。
それぞれに必要な学習内容を洗い出し、学習計画のゴール設計をしていきましょう。
関連記事:データ活用人材ってどうやって育成するの?
06.|弊社の研修体制
弊社(メンバーズデータアドベンチャーカンパニー)では毎年数十名のデータ活用人材を育成し輩出しています。そこで実際に実施している研修の内容を簡単にご紹介します。ご参考になれば幸いです。
06-1. 弊社が実施している研修の内容
<研修の流れ>
育成したい人材のスキルを洗い出し、学習計画を立てていきます。
職種やお任せするデータ活用業務を踏まえてゴールを設定し、必要なスキルを優先して学べるようにスケジュールを調整します。
また、ここまでの流れは研修担当が一方的に進めるのではなく、本人が自分でゴール設定できるようサポートしていきます。目的に対してどのようなスキルが必要かを考え、計画を立て自ら進捗管理する力も、データ活用業務において欠かせないスキルのひとつです。
<研修の内容>
弊社では、以下のプログラムを用意しています。
この中から、職種やお任せするデータ活用業務に合わせて必要なスキルを4つ程度組み合わせて学んでいただきます。
・データプロフェッショナルスキル
ビジネスにおける論理とデータの重要性を理解したデータプロフェッショナルとして業務遂行できるレベル
・SQL
SQLのクエリ操作とBigQueryの機能理解・ツール操作が可能なレベル
・アクセス解析
Googleアナリティクスの機能・用語を理解し、要件に対して分析レポートが作成可能なレベル
・BIツール
BIツールの機能・必要性を理解し、ツール操作が可能なレベル
・GCP
データエンジニアリングに関連するリソースの理解と基本的な操作が可能なレベル
・AWS
データエンジニアリングに関連するリソースの理解と基本的な操作が可能なレベル
・データ分析基盤構築
データ収集・ETL・データ基盤構築・可視化のプロセスを含む初歩的なシステム構築ができるレベル
06-2. 毎年数十名をデータプロフェッショナルに育成する実績
弊社では、毎年数十名のデータ活用人材を育成し輩出しています。
新卒社員だけではなく、中途社員も多く所属しています。その中には前職がデータ活用やデータ分析の専門職ではない社員も多くいます。
実務の経験がなくても、学ぶ意欲があればデータ活用のプロフェッショナルとして活躍していただくことが可能になる環境をご用意しております。
まとめ
この記事では不足するデータ活用人材を採用し育成するときのポイントをお伝えしてきました。
人材が不足している現状を踏まえ、社内で育成プログラムを用意することが競争力向上につながります。
育成プログラムを用意するには、データ活用の目的に沿った研修内容を用意し、個人のスキルレベルに合わせた育成プログラムの設計をするのがよいでしょう。
また、データ活用人材を初めて採用する企業や、時間をかけずに人材を確保したい企業では、弊社のようなデータ活用専門の人材事業会社から外部調達することを検討してはいかがでしょうか?
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【2025最新版】2024年の生成AI市場の最新動向と2025年の成功に向けたステップ
この記事では、企業のデータ活用における技術や最新技術について、データ活用の基本概念やメリットも踏まえて、以下のステップで解説します。
- データ活用の基本概念
- データ活用のメリット
- データ活用における5つのフェーズに必要な技術
- データ活用における最新技術
執筆者のご紹介
名前:柏木啓良
所属:株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー エンジニア事業部
お客さま企業に常駐し、アナリストが分析に使用するデータマートの作成・保守や機械学習モデル構築のためのデータ作成・整備を担当しています。
安定的なデータ品質や効率的な処理の実装・改善に奮闘しています。
最近は、Apache IcebergやDelta Lakeといったオープンテーブルフォーマットに関する技術や活用に興味があります。
経歴:生命保険会社のシステム開発部門にて、保守・運用を担い、2023年3月にメンバーズに入社
目次
01.|データ活用の基本概念
データ活用とは
活用できるデータの種類
データ活用の主な目的
02.|データ活用のメリット
業務効率の向上
正確な現状把握と将来予測
迅速かつ戦略的な意思決定
03.|データ活用における5つのフェーズに必要な技術
データ収集技術
データストレージ技術
データ処理技術
データ分析技術
データ可視化技術
04.|データ活用における最新技術
AIや機械学習モデルの活用
クラウドコンピューディングの利用
05.|弊社取組事例
01.|データ活用の基本概念
01-1.データ活用とは
データ活用とは、企業や組織がこれまでに蓄積してきたあらゆるデータを、業務効率の向上や市場分析、迅速な意思決定をサポートすること等を目的として行うプロセスのことです。
似たような言葉で、データ分析という言葉がありますが、これはデータ活用のプロセスの一つです。
近年の急速な技術進歩と情報化社会の中では、日々生成される膨大なデータを正確に処理し、そこから有用な知見を抽出することが、企業の成長を大きく左右するものとなっています。
01-2.活用できるデータの種類
このデータ活用を行う上で対象となるデータは、大きく分けて「構造化データ」、「半構造化データ」、「非構造化データ」の三種類に分類されます。
構造化データは、リレーショナルデータベースに格納される売上情報や顧客データなど、決められたフォーマットに沿って整理されたデータです。
半構造化データは、XMLやJSONといった形式で表現され、一定の規則性を持ちながらも柔軟性を備えており、ログやセンサーなどのデータのことです。
非構造化データは、テキスト、画像、動画などのように、形式が固定されていない情報であり、SNS投稿やカスタマーサポートの記録など、多種多様なソースから生成されるデータのことです。
これまで企業は、構造化データを中心としたデータ活用を行なっていたが、近年の技術進歩により、半構造化・非構造化データの処理・蓄積・活用が可能となったことで、企業のあらゆるデータがデータ活用の対象となっています。
01-3.データ活用の主な目的
データ活用の目的は多岐にわたりますが、主に業務効率の向上、市場理解と顧客分析、迅速な意思決定の支援などが挙げられます。
業務効率の向上では、データに基づいたプロセスの自動化や最適化を進めることで、従来の手作業によるエラーや無駄なコストを大幅に削減できるようになります。
市場や顧客に関するデータを分析することで、企業はより正確な現状把握と、将来予測が可能となります。
これをもとに、リスクへの対応や新たなビジネスへの投資といった、従来意思決定に至るまでに多くの時間を費やしていた事項に対しても、迅速に対応することが可能となっています。
02.|データ活用のメリット
02-1.業務効率の向上
データ活用は、業務プロセスの自動化と最適化を通じて、従来の手作業に伴うエラーや遅延、暗黙知での業務遂行といったことが解消され、リソースを効果的に配分することが可能になります。
特に自動化によって、定型業務は正確かつ迅速に自動で処理され、人はこれまで以上にクリエイティブな業務に専念することが可能となり、業務効率が飛躍的に向上します。
02-2.正確な現状把握と将来予測
大量のデータを収集・分析することで、企業は現状の業務や市場の動向を正確に把握することができます。
さらに、統計解析や機械学習を活用して将来のトレンドやリスクを予測するモデルを構築することで、これまでより失敗確率の低い、将来予測が可能となります。
その結果、迅速なリスク対応や効果的な投資判断が可能となり、透明性のある企業の成長が期待できます。
02-3.迅速かつ戦略的な意思決定
蓄積されたデータやリアルタイムで取得されるデータを活用することで、市場や社内の変化に対して、敏感に反応することが可能となり、迅速な意思決定が可能になります。
これにより、企業は顧客や株主などステークホルダーからも信頼性のある判断に繋げることができます。
これまでの直感や経験のみでの判断より、データに基づく意思決定は確実性が高く、企業にとって、データ活用はこれまで以上に重要な経営資源となります。
03.|データ活用における5つのフェーズに必要な技術
03-1.データ収集技術
データ収集は、データ活用プロセスの第一歩であり、IoTセンサー、Webスクレイピング、各種API連携などの技術を活用して、オンラインとオフラインのあらゆるデータソースから必要な情報を集める手法になります。
このデータ収集技術がなければ、これ以降のプロセスへ繋がらないため、データ収集はデータ活用のプロセス全体でも重要なポイントとなります。
関連記事:データ収集の基礎知識!メリットや実践ステップ・注意点を徹底解説
03-2.データストレージ技術
収集したデータを安全かつ効率的に保存するためには、ストレージを使用することになります。
リレーショナルデータベース、NoSQL、さらには分散型ファイルシステムといった技術が挙げられます。
これらの技術は、データの高速な読み書きや大容量データのスケーラビリティを可能にし、後続の処理や分析においてもスムーズなデータアクセスを担保します。
03-3.データ処理技術
データの抽出、変換、ロード(ETL)といったデータ処理のプロセスは、データ活用の中核となるプロセスです。
Apache SparkやHadoop、AWS Glueなどのツールを利用することで、膨大なデータを効率的に抽出し、統一された形式に変換することが可能となります。
これにより、次の分析プロセスで高品質なデータの利用に繋がります。
03-4.データ分析技術
データ分析は、収集された情報から意味ある情報を抽出するためのプロセスです。
統計解析、機械学習、データマイニングなどの手法を用いて、データ内に潜むパターンやトレンドを見出します。
Python、R、TensorFlow、scikit-learnといったツールやライブラリが、その実現を支える技術として活用されています。
03-5.データ可視化技術
分析結果を効果的に伝えるためには、データを直感的に理解できる形で可視化することが重要です。
Tableau、Power BIなどのツールを用いることで、複雑なデータをグラフやチャート、ダッシュボードとして表現し、関係者全員が迅速に情報を視覚的に把握することができます。
これにより、データにより意思決定の説得力・納得感を得ることに繋がります。
04.|データ活用における最新技術
04-1.AIや機械学習の活用
近年、AIや機械学習の分野では、ディープラーニング、強化学習、自然言語処理(NLP)など、技術的にも急速な発展をとげています。
これらの技術は、医療診断、自動運転、需要予測など、幅広い応用分野で実社会でも利用され始め、データから抽出されるインサイトの精度と効率を飛躍的に向上させています。
企業は、これらの先進的技術を取り入れることで、これまでより高精度な予測や分析が可能となり、競争力のあるデータ活用が可能となります。
04-2.クラウドコンピューティングの利用
クラウドコンピューティングは、スケーラブルで柔軟なインフラストラクチャを提供し、企業が必要なリソースを迅速に確保できる環境を提供します。
AWS、Azure、Google Cloud Platformなどのクラウドサービスを活用することで、ストレージの確保からデータパイプラインの構築、サーバーレスアーキテクチャの導入が容易になり、効率的なデータ処理とコスト最適化が可能となります。
これにより、これまでよりも短期間かつ最新トレンドを踏まえた環境の提供を可能としています。
04-3.オープンテーブルフォーマットの活用
オープンテーブルフォーマットの採用は、データの共有と相互運用性を向上させる重要な取り組みです。
標準化されたデータフォーマットを利用することで、異なるシステム間でのデータ交換が容易になり、オープンデータやAPI連携を通じて、さまざまなエコシステムが拡大していきます。
これにより、企業は自社にあるさまざまなデータソースの自社でのシームレスな利用や自社のデータ自身を外部のパートナーや市場とシームレスに連携させることができ、イノベーションを促進する環境が整えられます。
05.|弊社取組事例
最後に最新技術を使用したデータ活用に関して、弊社の取組事例を紹介します。
1つめは、機械学習を活用した事例、2つめは、生成AIを活用した事例を紹介します。
1つめに、機械学習を活用した事例として、教育事業企業様への支援があります。
教育事業の売上改善や向上に関して、なんとなくの「仮説」はあったが、立証するためのノウハウが不十分でした。そこでさまざまな手法の機械学習ノウハウを用いた分析手法の開発やアウトプットを実行し、分析結果の示唆出しを行ったことで、支援企業様のデータ活用プレゼンスの拡大へと貢献しました。
2つめに、生成AIを活用した事例として、飲食サービス提供企業様への支援をご紹介します。
ドキュメントによるナレッジは蓄積されているものの数が膨大で、調査工数も膨大。システム異常におけるアラートへの対応も属人化されているといった課題がありました。
この課題に対して、生成AIを用いて、検索機能の構築とアラートの仕組みの構築を実施しました。
検索機能の構築では、検索するだけではなく、ユーザーがリアルタイムで質問できる機能も実装し、ドキュメント調査にかかる時間の削減にも貢献しました。
アラートの仕組みの構築では、エラーメッセージの通知とともに、対応方法を関連付けた内容を連携することで、誰でも対応できる仕組みを構築し、属人化解消へ貢献しました。
まとめ
データ活用は、昨今の技術進歩により、企業にとって重要な取り組みとなっています。データ活用の基本的なフェーズとしては、データ収集、データストレージ、データ処理、データ分析、データ可視化の5つのステップがあります。
この基本的な5つのステップをベースに、AIや機械学習といった最新技術を活用することで、企業独自の取り組みをより高度に実施し、競争優位性を確保することが可能となります。
より高度なデータ活用をクライアントとともに実施できるメンバーが、メンバーズデータアドベンチャーには揃っています。
この記事をご覧になって気になることがございましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。
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ベネッセ、メンバーズ、生成AI活用の先駆者が語るデータマネジメントの重要性と未来
近年、企業活動においてデータの利活用が経営の意思決定や企業の競争力に大きく寄与する要素として重要視されています。
本記事では、企業が保有する多種多様のデータを適切に分析・可視化を行うために活用される「BIツール」について、概要やツールの種類、導入メリットや注意点などを解説します。
執筆者のご紹介
氏名:谷 寧々
所属:株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー アナリスト事業部
経歴:4年制大学(経済学部)を卒業後、2022年に株式会社メンバーズに入社。
新卒から約2年間メガバンクに常駐し、Tableauによるデータの利活用推進による業務効率化をサポート。お客さまに対しTableauリテラシー向上のために研修の企画運営やスキルトランスファーを実施。
目次
01. |BIツールとは
BI(ビジネス・インテリジェンス)
BIツールでできること
ExcelやETLなど類似ツールとの違い
02. |主要なBIツールの例
Tableau
PowerBI
Looker Studio
Domo
Amazon QuickSight
03. |自社導入のメリット
意思決定の迅速化
業務効率化
競争優位性の確立
04. |自社導入に際する注意点
明確な目的を持ったツール選定
データの整備とクリーニング
従業員の教育とトレーニング
05. |BIツールの最新動向
AIの活用
複数のBIツールの併用
06. |BIツールの導入事例
01.|BIツールとは
01-1. BI(ビジネス・インテリジェンス)
BIとは「Business Inteligence(ビジネス・インテリジェンス)」の略称です。
ビジネスにおける知能となる企業内外の様々なデータを収集し分析や可視化を行い、客観的にビジネスの意思決定を行うことを指します。
01-2. BIツールでできること
一般的に企業活動により日常的に蓄積されるデータは「ビッグデータ」とも呼ばれ、企業内外複数のシステムに横断して蓄積されています。
BIツールは、それら複数のシステムからデータの集計・分析・可視化を一元的に行うことで客観的な意思決定を可能とします。
BIツールはデータ分析プロセスの中でも可視化を得意とし、帳票型のような羅列したデータをグラフや図としてビジュアライゼーションすることで、視覚的にデータを捉えることが可能です。データが可視化されることで、データに精通していない人であっても、直観的に課題や事象の発生を分析でき、ネクストアクションとなる意思決定を迅速に行うことができます。
そのためBIツールをうまく活用することで、企業活動のあらゆる場面でデータに基づいた意思決定が可能になり「データドリブン経営」の実現を推進することができます。
BIツールの代表的な機能を4つに分類し紹介します。
・レポーティング
業務上追うべきKPIや実績などの数値をリアルタイムで取得し可視化することで、KPIの進捗や全体的なトレンド、課題の早期発見など数値の羅列では読み取りにくい情報を直感的に把握することが可能です。
加えて、月次報告や四半期報告といった定期報告資料の作成にかかる負担を大幅に軽減できます。データの更新を行うだけで自動的に最新データをグラフや表に反映することができ、定例作業の削減や業務効率向上が期待できます。
・OLAP分析(オンライン分析処理)
データが可視化されることで顕著になった問題や事象に対して、要因を深掘りして分析・検証を可能とします。エンドユーザーは多角的に柔軟性をもって分析を行うことができます。
・データマイニング
マイニングは「発掘・採掘」という意味の単語で、複数のデータや蓄積されたデータに対して統計的な処理(相関分析やクラスター分析など)を行い、新たな角度からの調査を可能とすることで、データの関係性や傾向を分析します。
・プランニング
蓄積された過去実績のデータやシミュレーションのデータから予測数値の算出を行います。例えば予算編成や次年度等の経営計画、売上や在庫の予測の根拠などを示すことが可能になります。
実際のダッシュボード例(サンプルデータをもとにTableauを用いて作成)
01-3. ExcelやETLなど類似ツールとの違い
BIツールと類似として認識されるものにExcelやELT・DWHがあります。
ご存じの通りExcelでも、ピポットや関数、グラフの挿入などの機能を用いることでデータの集計や分析、可視化が可能です。
しかし、BIツール・Excel・ELT・DWHでは本来主軸機能として持つ役割や強みが異なります。
そのためそれぞれの特徴を理解し、Excelや既存のツールで苦手とする部分を、BIツールの強みで補うことで、よりよいアウトプットや業務改善が可能になります。
それぞれの強みと役割は以下の通りです。
<BIツール>
BIツールはビッグデータを集計し分析・可視化を行うことを目的としたツールです。
多様なデータソースからデータを組み合わせた分析を可能とするため、複数のデータから自由度高く多角的な分析や可視化を実現できます。
<Excel>
上述の通りExcelは多機能なツールですが、本来は「表計算ソフト」であり、データの入力や蓄積などのインプット・数値の集計を得意とします。一方でグラフによるデータの可視化や分析に特化したツールではないため、ビッグデータを扱うにはデータ量への制限があり作業コストやパフォーマンスの低下が懸念されます。
また、他者への共有という観点では、ExcelファイルをメールやGoogleドライブ内に添付したり、PowerPointにグラフをコピーして報告書を作成したりなど、他のツールとの併用が必要となるケースがあります。
<ELT>
ELTとは「Extract(抽出)Transform(変換)Load(書き出し)」の略称で、企業の基幹システムなど企業内外に分散された複数のシステムからデータを抽出し、適した形に加工し、DWHやデータベースに受け渡すためのツールです。そのためデータの可視化や分析の役割はありません。
<DWH>
DWH(データウェアハウス)は、ELTが抽出したデータを保管・蓄積する役割を担います。DWH自体に抽出機能や可視化の機能が備わっているわけではありません。
上記の通り、各ツールにより役割が異なるため、それぞれの強みや役割を理解し、特徴を生かしたデータ活用が必要となります。
02.|主要なBIツールの例
ここでは主要なBIツールを紹介し、それぞれの特徴を記します。
02-1. Tableau
・提供企業:Salesforce
・特徴:導入シェア率がトップレベルで高く、国内でもTableau導入企業事例が多くBIツールの代表的製品の一つです。ノーコードかつドラッグアンドドロップを主にした簡易的な操作によってデザイン性の高いデータのビジュアライゼーションが可能です。BIツールの代名詞ともいわれるほどメジャーで初心者向けのツールとなっています。
また、約100種類のデータソースに接続可能で、膨大なデータ量でも高速に処理することを得意とします。その他機能として、データのリアルタイム更新や自動更新が可能なため、最新のデータへのアクセスすることも容易です。
・公式サイト:Tableau (タブロー) | BIと分析のためのソフトウェア
02-2. PowerBI
・提供企業:Microsoft
・特徴:約120種類のデータソースに接続でき、中でもMicrosoft 製品であるExcelやWordなどのOffice365サービスへの連携を得意とします。グラフの描画はチャートタイプを選択したのちにデータを貼り付ける仕様のため、柔軟性にはやや欠けますが、画面設計が決まっている場合や、ベーシックなチャートによる分析であれば簡易な操作のみで使用できます。また費用も比較的廉価なのも魅力の一つです。
・公式サイト:Power BI - データの視覚化 | Microsoft Power Platform
02-3. Looker Studio
・提供企業:Google
・特徴:Googleアカウントを持つ誰もが利用できるGoogle Cloudサービスです。Google提供サービスであるスプレッドシートやアナリティクス、BigQueryとの連携を得意とし、Googleサービスを活用するユーザーに最も有効なツールとなっています。平均や中央値、標準偏差など基本的な記述統計の算出と可視化が可能な一方、高度な統計分析には制限があります。また、膨大なデータの処理はブラウザを含むパフォーマンス負荷が大きいため注意が必要です。
・公式サイト:Looker Studio: ビジネス分析情報の可視化 | Google Cloud
02-4. Domo
・提供企業:ドーモ株式会社
・特徴:1000を超えるデータコネクタによる豊富なデータベースへの接続が可能なため、Webアプリケーションなどへの連携やビジネスデータに直接接続してデータを分析することが得意です。閲覧者が自由にデータを分析できる探索的な分析より、作成者の主張を伝えるための説明的なダッシュボードを作成するときに便利なツールとなっています。また、共同作業を可能にするコラボレーション機能やアラート機能、メール通知機能が備わっているためインサイトを迅速に共有することが可能です。
・公式サイト:Domo - データ活用プラットフォーム
02-5. Amazon QuickSight
・提供企業:Amazon
・特徴:AWS(Amazon Web Services)のプラットフォームの傘下にある BIツールということが最大の特徴です。また、AWS独自開発のSPICE(Super-fast, Parallel, In-memory Calculation Engine/超高速・並列型インメモリ計算エンジン)を搭載していることで大規模なデータ分析においても高いパフォーマンスを発揮します。費用は従量課金制で、使用した分のコストが発生するため利用規模などを考慮することが必要です。
・公式サイト:Amazon QuickSight(あらゆるデバイスからアクセス可能な高速BIサービス)
03.|自社導入のメリット
03-1. 意思決定の迅速化
BIツールを導入することで、企業内外の膨大なデータをスピーディーに収集・分析・可視化することができ、企業活動における経営や人事、予算管理や販売・購買・在庫管理などあらゆる場面で、迅速な意思決定が可能となります。顕在化したデータの把握のみでなく潜在的なニーズやリスクなどの早期発見も期待できます。
また、従来の「KKD(勘・経験・度胸)」と呼ばれる主観的な判断に頼ることのない、客観的な判断と意思決定が実現されます。
03-2. 業務効率化
従来多くの企業で散見されたデータ分析の手法は、「Excelでデータを収集し加工・分析を手作業で行う」ものでした。しかし、Excelの手作業では時間も手間もかかる上、担当者のスキルレベルや経験に依存した作業となり、ミスが生じやすく引継ぎやメンテナンスの負荷が高くなる傾向にあります。
BIツールでは形式の異なる複数データの集計や統合を行い、さらには自動化により最新のデータを即座に反映することができ、大幅な作業工数の削減と質の高いパフォーマンスが実現できます。
IoT技術やAIの活用などテクノロジーの進歩により収集されるデータ量が莫大に増加する中、長期的に見て効率化を求める場合にBIツールは有効であるといえます。
03-3. 競争優位性の確立
デジタル化・IT化が著しく発達する中で企業が長く生き残るためには、データをいかに有意義に活用し経営に役立てられるかが重要なポイントです。
そのため従来の方法のままでは、市場や社会の急速な変化について行けず「昨日正しいとされた手法が今日は使えない」状況が発生し、データドリブン経営を実現している他社に後れを取り、競争優位性を失う可能性があります。
そこで、タイムリーなデータをもとに迅速かつ容易にデータ分析を可能にするBIツールの活用が競争優位性の確立に大きく貢献します。多様化する顧客ニーズや消費者行動を捉え、自社課題に対して迅速に意思決定することが企業の成長と存続につながります。
04.|自社導入に際する注意点
これまでBIツールのメリットや製品について記述してきましたが、BIツールを無闇に導入するのではなく、きちんと自社が抱えている課題を把握し、自社に適したBIツールを導入することが大切です。
自社の状況や課題、目的によってはBIツールを導入しない方がいい場合もあるので以下を参考に導入の検討を行いましょう。
04-1. 明確な目的を持ったツール選定
BIツールを導入する前に自社の課題やデータ周りの環境、目的を明確にする必要があります。
まず自社のシステムやデータ環境を理解し、誰が、どのようなデータを、誰に、どう活用してほしいのか、またそこからどのような効果をもたらせたいのかという目的を明確にすることが大切です。
また、予算と各ツールの費用を利用する規模などを想定して比較検討を進めることも必要となります。同業の企業で導入されているツールを把握することも検討の際、参考になるはずです。
04-2. データの整備とクリーニング
自社の持つデータをうまく活用するには既存のデータがシステム連携できるかを確認する必要があります。クラウド環境なのかローカル環境なのかといった違いをはじめ、BIツールに連携する前に、自社のデータが適したデータの持ち方(縦持ち、横持ちなど)に整形する必要があるのかなどを確かめることで導入前後のミスマッチを防ぎ、自社に適したツールの選定が行えます。自社の持つデータやシステム環境を理解することが、導入にあたって失敗を避けるために必要なポイントです。
04-3. 従業員の教育とトレーニング
BIツールを導入後、「そもそも使用方法がわからない」「導入設定ができずデータを連携できない」などの問題に直面するケースも少なくありません。BIツールの中にはSQLなど一定のプログラミングスキルを要するものもあれば、ノーコードで使用できるものもあります。使用する従業員のスキルレベルやリテラシーがどれくらいあるのかを把握することも、失敗を回避するポイントの一つです。
自社内で課題が解決できない場合はBIツールの知識が豊富な導入支援企業からの支援を受けることも検討にいれることで導入コストを無駄にすることなく、有意義な活用が可能になるでしょう。
また、自社従業員へ運用方法のレクチャーや基礎研修などによるスキルトランスファーなどの実施も、BIツールを活用していくうえで有効です。
これらの運用支援は弊社にて承っておりますので、興味のある方はぜひお気軽にご連絡ください。
05.|BIツールの最新動向
05-1. AIの活用
上記で紹介してきたBI ツールですが、「AI(人工知能)」と組み合わせて活用することで、担当者の分析スキルに依存しない精度の高い分析や意思決定が可能です。
そもそもAIは、膨大な量のデータの処理や機械学習など高度な情報処理能力があり、データの集計だけでなく、蓄積されたデータから類似パターンや相関関係などを分析し、示唆出しなど分析結果をもとにした施策の判断や実行までを可能とします。
BIツールの中にはAI機能が搭載されたものもあり、例えばデータセットの中から異常値や急激なトレンドの変化などを自動的に検出しリアルタイムでアラートを発信する「異常検知機能」や、過去の売上データから購買パターンを予測したり、事務量データから予算を予測するなどの「予測機能」の活用が可能です。
05-2. 複数のBIツールの併用
既にBIツールを導入しているものの、既存ツールのみでは対応しきれないアウトプットや活用しきれないデータが生じる場合も想定されます。
その場合は複数のBIツールを併用することで企業内外のビックデータに対し網羅的にデータ活用を促進することができます。
どのツールを併用するかは自社のデータ環境や活用の目的と意図を明確にし、既存のツールの不足部分をきちんと補えるよう補完的な観点から導入を進める必要があります。
併用についての関連記事はこちらにありますのでご参考になれば幸いです→BIツール併用でデータ分析を効率化!Tableau×他BIツール併用のメリットとは
06.|BIツールの導入事例
以下では弊社が運用支援を行ったBIツールの導入事例を紹介します。
・導入企業:金融関連企業
・ツール:Tableau、Domo
・業務課題:BIプラットフォームの整備による全社的なデータ活用推進
・支援内容:顧客のビジネス要求を整理し、環境に応じて機能に優れているもののライセンス料が高価なTableauと、多くの社員がダッシュボードを閲覧できる環境を比較的安価に構築できるDomoを併用することで、既存のデータ環境を保持したまま、わずか2か月でBI環境の整備とユースケースに応じたデータガバナンスの整備を実現。
・成果:企業内データの抽出〜可視化までの業務プロセスが整理され、全社的なデータ活用を円滑化。
まとめ
急速に変化するビジネス社会において、BIツールは、企業の多様なデータを迅速的に収集・集計・分析・可視化することを可能とし、経営や事業活動の意思決定を行う際に多くのメリットをもたらします。
また、導入に際し、自社のデータ環境やシステム連携への理解、業務課題の整理と目的の明確化が、適切なツールの選定を行う上で失敗しないための重要なポイントとなります。
あくまで導入することがゴールではなく、導入後の活用・運用を成果に繋げることが目的です。
データ活用による業務効率化はもちろんのこと、BIプラットフォームのスリム化や、社員向けの研修やマニュアル整備、スキルトランスファーによるリテラシーの向上が、持続的なデータドリブン文化の定着を実現します。
BIツールを効果的に選定・活用することが、長きにわたる企業活動や成長にとって重要なカギとなることでしょう。
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