この記事では、クラウドデータプラットフォームの理解促進のため以下の点についてお伝えします。
- クラウドデータプラットフォームとは何か?
- クラウドデータプラットフォームのメリットについて
- 導入の際に気を付けるべき点や導入後に躓きやすい点
クラウドデータプラットフォームのメリットをお伝えするのはもちろん、導入時に気を付けるべき点・考えるべき点をお伝えします。
執筆者のご紹介
小野琢也
所属:株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニーアナリスト事業部
現在の担当業務:私の現在の職務といたしましては、ホールディングス会社において各事業会社のデータのAWSクラウドデータプラットフォームへの一元化を行っています。
各社の持つデータをAWSに連携し、データの収集から分析・可視化を行える環境作りを行っています。
経歴:小売り事業の需要予測、Webマーケティングのデータ分析など、データ界隈の業務を行ってきました。
現在は、深層学習分野の学習を行っております。
目次
01.|クラウドデータプラットフォームとは?
クラウドの役割とデータプラットフォーム
クラウドデータプラットフォームの特徴
02.|データプラットフォームのメリット
データの一元管理による効率化
柔軟なスケーラビリティ
リアルタイム分析の可能性
コスト削減
セキュリティの向上
03.|導入の際に気を付けるべき点
データ移行の計画
セキュリティとコンプライアンス
コスト管理の最適化
システム統合の課題
04.|導入後に躓きやすい点
データのガバナンス不足
社内でのデータリテラシー不足
自動化とリアルタイム分析の難しさ
クラウド依存とコスト管理の課題
05.|まとめ
クラウドデータプラットフォームとは?
クラウドデータプラットフォームとは、企業が持つ膨大なデータを一元管理し、クラウド上で保存、分析、活用するための仕組みです。従来、データは企業のサーバーやローカルシステムに分散して保存されていましたが、クラウドデータプラットフォームを利用することで、これらのデータを安全かつ効率的にクラウド上で集中管理できるようになります。
クラウド技術は、従来のオンプレミス型のデータ管理とは異なり、インターネットを介してどこからでもデータにアクセスできる利便性を提供します。クラウドデータプラットフォームでは、これに加え、データの保存、処理、分析を効率的に行えるさまざまなツールやサービスが一元化されて提供されます。
代表的なクラウドデータプラットフォームには、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)などがあります。これらのプラットフォームは、データの保存・管理だけでなく、ビッグデータの処理、機械学習、リアルタイム分析といった高度な機能もサポートしています。
クラウドデータプラットフォームには、以下のような主な特徴があります:
- スケーラビリティ:必要に応じてリソースを動的に増減できるため、データ量の急増にも対応可能。
- セキュリティ:クラウドプロバイダーが提供する最新のセキュリティ対策が適用され、データ保護が強化されます。
- 可用性:インターネット接続があれば、どこからでもデータにアクセス可能。
- コスト効率:初期投資が不要で、使用した分だけ課金されるため、コスト管理が容易。
データプラットフォームのメリット
クラウドデータプラットフォームを導入することで、企業はさまざまなメリットを享受できます。以下に、その主なメリットを説明します。
クラウドデータプラットフォームを導入する最大の利点は、データを一元管理できる点です。従来、部門ごとやプロジェクトごとに分散して保存されていたデータが、クラウド上で統合され、すべてのデータにアクセスできる環境が整います。これにより、データの検索、取り出し、更新が迅速に行えるようになり、業務の効率が大幅に向上します。
企業が成長するにつれてデータ量も急激に増加します。クラウドデータプラットフォームは、スケーラビリティの面で優れており、データ量に応じてストレージや処理能力を柔軟に拡張することができます。これにより、データ量の変動に対して柔軟に対応できるため、将来的な拡張性を確保できます。
クラウドデータプラットフォームを使用することで、リアルタイムでデータを処理し、分析することが可能です。これにより、最新のデータに基づいた意思決定ができるようになります。たとえば、顧客の購買行動をリアルタイムで把握し、それに基づいてパーソナライズされたオファーを即座に提供することが可能になります。
クラウドデータプラットフォームは、オンプレミスのシステムとは異なり、初期投資が大きくかかることがありません。クラウドは、使った分だけ課金されるため、リソースの無駄を省きながらコストを最適化できます。また、メンテナンスやハードウェアの管理も不要となるため、総コストの削減に貢献します。
クラウドサービスプロバイダーは、最新のセキュリティ技術を提供し、データの保護を強化しています。データの暗号化やアクセス制御、多層的なセキュリティ対策により、不正アクセスやデータ漏洩のリスクを最小限に抑えます。
導入の際に気を付けるべき点
クラウドデータプラットフォームの導入は多くのメリットがありますが、いくつかの注意点もあります。導入時にはこれらの点に留意し、適切な対策を講じることが重要です。
既存のシステムからクラウドプラットフォームへデータを移行する際には、データの移行計画が不可欠です。大量のデータを移行する際、データの整合性を保ちながら、エラーなく移行するための準備を行う必要があります。また、ダウンタイムを最小限に抑えるために、移行作業は計画的に実施されるべきです。
クラウドプラットフォームは強力なセキュリティを提供しますが、企業側もデータ保護やコンプライアンスに関して責任を持つ必要があります。特に、GDPRやHIPAAなどの規制に準拠するために、データの保存場所やアクセス権限の管理が厳密に行われるべきです。
クラウドは使った分だけ課金されるため、コストの管理が容易ですが、リソースの過剰利用によって予想以上の費用が発生することもあります。したがって、リソース使用のモニタリングや適切な使用制限を設定し、コストが膨れ上がらないように管理することが重要です。
既存のシステムやアプリケーションとの統合は、クラウド導入の際に直面する大きな課題の一つです。オンプレミスのシステムとクラウドプラットフォームをスムーズに連携させるためには、APIの整備やデータフォーマットの互換性を確認する必要があります。また、統合がうまくいかない場合、業務プロセスに支障が出る可能性があります。
導入後に躓きやすい点
クラウドデータプラットフォームの導入が完了した後も、企業は引き続きさまざまな課題に直面することがあります。以下は、導入後に特に注意すべきポイントです。
クラウドデータプラットフォームを導入するだけで、全ての問題が解決するわけではありません。特に、データの管理体制(ガバナンス) に注意が必要です。データの一元管理が可能となるクラウド環境でも、データの品質や整合性が維持されない限り、活用の効果は限られます。
ガバナンス体制の重要性
データが増加するにつれ、データのクレンジング(不要データの削除や重複の整理)が重要になります。企業は、データの管理者を配置し、定期的なデータ整備やガバナンスのプロセスを構築する必要があります。
データの権限管理
さらに、誰がどのデータにアクセスできるかを厳密に制御するために、アクセス権限管理 も徹底しましょう。これにより、データの誤用や漏洩リスクを減らすことが可能になります。
クラウドデータプラットフォームが導入された後、そのメリットを最大限に活用できるかどうかは、社内のデータリテラシー に大きく依存します。データリテラシーとは、データを読み取り、分析し、活用する能力のことです。
社員のトレーニング
多くの企業では、データの活用を推進しようとする一方で、実際には社員がデータ分析の基本的なスキルを持たないことがあります。このような問題を避けるためには、トレーニングや研修プログラム を通じて社員のデータリテラシーを向上させる取り組みが不可欠です。分析結果をどのように解釈し、意思決定に反映させるかを理解する社員が増えることで、データプラットフォームの効果はより高まります。
データ文化の醸成
データリテラシー向上の取り組みに加え、社内にデータドリブンな文化 を根付かせることが重要です。データに基づいて意思決定を行う文化を醸成することで、部門間の協力やデータの共有が進み、全体の業務効率が向上します。
クラウドデータプラットフォームでは、自動化やリアルタイムのデータ分析が強力なツールとなりますが、その導入には特定のハードルがあります。データの自動化 には、適切なインフラやツールの選定が不可欠であり、特に企業のニーズに合ったソリューションを選ぶことが重要です。
自動化の過程での課題
自動化を進める中で、全てのデータフローや業務プロセスが自動化に適しているわけではないということも課題となります。システム間の連携が不十分だと、自動化されたプロセスが停止したり、エラーが頻発するリスクがあります。これを回避するためには、事前に十分なテストと確認 を行い、システム間の互換性を確認する必要があります。
リアルタイム分析の要件
また、リアルタイム分析を実現するには、リアルタイムデータの処理能力 を備えたプラットフォームやツールが必要です。しかし、これには高い計算能力とリソースを必要とし、導入初期にはコストやパフォーマンスに関する調整が必要です。リアルタイム分析を効率的に行うための適切なツール選定やインフラの強化は、長期的な成長を支える重要な要素です。
クラウド環境ではリソースの柔軟な拡張が可能ですが、リソースの過剰利用 によるコスト増加には注意が必要です。従量課金制のクラウドサービスでは、無計画なリソース使用が予想外のコスト増加を引き起こす可能性があります。
コスト最適化の必要性
コスト管理のためには、リソースのモニタリング や、リソース使用状況に応じた最適なプランの選択が必要です。定期的にコストパフォーマンスを見直し、無駄なリソースが使用されていないかを確認するプロセスを設けましょう。
まとめ
クラウドデータプラットフォームの導入は、データの一元管理や業務の効率化に大きなメリットをもたらします。しかし、導入後には、ガバナンス体制の確立、社内でのデータリテラシーの向上、コスト管理、自動化の適切な運用など、いくつかの課題にも直面します。
成功の鍵は、適切な導入計画と、導入後の継続的な改善プロセスにあります。データのガバナンス体制を強化し、社内全体でデータを活用できる文化を育てることで、クラウドデータプラットフォームの真の価値を引き出すことができます。
今後の企業の競争力を高めるためには、データの一元管理が不可欠です。クラウドデータプラットフォームを活用して、データ活用の効果を最大化し、ビジネスの成功を目指しましょう。
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データアドベンチャーのサービスご紹介
この記事ではデータ活用の一つであるデータ分析について、データ分析をするとわかること・データ分析の進め方・具体的な手法の一例をお伝えします。データを何かに使えないか、分析したいけどあまりイメージがわかないような方の参考にしていただけると嬉しいです。
執筆者のご紹介
加藤洋介
所属:株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー アナリスト事業部 データアナリスト
常駐による顧客企業のデータ分析支援を行いWebサービスやアプリのユーザー・PVの向上のための意思決定に貢献し、現在はデータマネジメントやダッシュボードの学習中。
経歴
中古自動車のオークション運営会社、健康保険組合の運営支援会社を経て2021年8月にメンバーズ入社
顧客企業にデータ分析者として常駐し要因分析・効果検証による効果的なコンテンツ制作の意思決定の支援を実施。ただ分析するのではなく、課題や分析の目的を整理して、意思決定を支援するデータ分析をしてきました。
目次
01.| データ活用とデータ分析
02.| データ分析をするとわかること
現状把握
効果検証
顧客ニーズの把握
03.| データ分析の進め方
課題を設定する
その課題に対してどのような意思決定をするかを想定しておく
何がわかると意思決定できそうかを考える
分析設計を考える
分析をする
分析結果をまとめる
レポートを作成する
意思決定者に報告をしてフィードバックをもらう
04.| 具体的な分析手法
施策の効果検証
テキストアナリティクス
機械学習による意思決定支援
アンケート分析
05.|まとめ
データ活用とデータ分析
近年、デジタルデータを中心に多くのデータが取得可能になりました。そのため、ビジネスや日常生活においてデータ活用の機会が飛躍的に増え、データ活用が身近になっていると思います。ビジネスにおけるデータ活用ではレコメンドシステム・業務自動化と効率化・意思決定支援のためのデータ分析、日常生活でも天気予報やゴールデンウイークの高速道路渋滞予測、またスマートウォッチによる脈拍の異常検知など、データ活用の恩恵が浸透しています。
このようにデータ活用の用途は多くありますが、ビジネスにおいて最も重要な活用方法の一つは、意思決定支援のためのデータ分析です。データ分析とは、収集されたデータを整理・加工をして、統計学や機械学習を用いて規則性・傾向・違い・相関関係を明らかにし、因果関係を推定することで、意思決定に役立つ知識を提供することです。例えば、市場動向の把握、顧客ニーズの理解、商品開発、マーケティング戦略の立案、リスク管理などに役立ち、様々な意思決定を支援します。
データ分析は、これまでわからなかった新しい知見や興味深い発見も重要ですが、それだけではビジネス課題の解決には不十分です。 データ分析は、意思決定の判断の1つにデータ分析の結果が活用され、ビジネスにおける課題が解決されることが重要です。以前はデータ分析を活用せずに課題を解決してきたことも多いと思います。しかし、近年では複雑な問題も増えています。 例えば、 顧客ニーズの多様化です。顧客のライフスタイルや価値観が多様化し、画一的なマーケティング戦略ではなく、顧客一人ひとりに最適化された商品やサービスを提供する必要性が高まっています。また、気候変動や資源枯渇などの環境問題は企業にとってリスクであり、持続可能な社会の実現に向けて環境に配慮したサービスが求められています。こうした状況下では、データ分析を用いて、より迅速かつ効果的に課題を解決することが必要となります。データ分析は、ビジネス課題の解決と意思決定の質向上に不可欠なツールです。 適切な活用によって、企業の競争力強化に大きく貢献することができます。
データ分析をするとわかること
データ分析をすることでわかることはたくさんあります。今回は現状把握・効果検証・顧客ニーズの把握の3つをご紹介します。
現状把握
- 顧客の属性や行動パターン
年齢、性別、地域、購買回数や購入商品の種類などの購入履歴、Webサイトやアプリの閲覧履歴など、顧客に関する様々なデータを分析することで、顧客像を明らかにすることができます。顧客像を把握することで、より効果的なマーケティング施策を立案することができます。 - 商品・サービスの売れ行き
商品ごとの売れ行き、利益率、在庫状況などを分析することで、人気商品や不人気商品を特定することができます。また、季節や天候、イベントなどの影響も分析することができます。これらの分析結果を踏まえて、商品開発や販促活動に活かすことができます。 - Webサイトのアクセス状況
アクセス数、PV数、平均滞在時間、離脱率などを分析することで、Webサイトの利用状況を把握することができます。また、どのページが人気なのか、どこでユーザーが離脱しているのかなどを分析することができます。これらの分析結果を踏まえて、Webサイトの改善に活かすことができます。 - コールセンターの利用状況
コール件数、平均通話時間、解決率などを分析することで、コールセンターの利用状況を把握することができます。また、顧客からの問い合わせ内容を分析することで、顧客満足度や製品・サービスの課題を特定することができます。これらの分析結果を踏まえて、コールセンターの運営効率化や顧客満足度向上に活かすことができます。
特に現状把握では、関係者間の齟齬をなくすために、用語の定義と共通認識の醸成が不可欠です。例えば、アクセス数やページビュー数においては、対象となるURLと対象外となるURLを明確に定義し、関係者全員が共通認識を持つことで、データ分析の信頼性と整合性を高めることができます。具体的には、〇〇ページを除外する、△△ページのみを対象とするなど、具体的な基準を設けることが重要です。
施策の効果検証
施策の効果検証をすることで、施策が当初の目的を達成できたかどうか、どの程度達成できたのか、達成できていない場合はその原因が何かを明らかにすることにつながります。効果検証を実施するメリットとして、効果的な施策立案や経営資源をより効果的に配分することができます。
効果検証に求められるもっとも重要な性質の1つは再現性です。施策の効果検証をした結果、このような効果があると結論付けても、実際に実行した際に同じような効果が再現されなければビジネス課題の解決と意思決定の質向上に貢献することはできません。再現性のある効果検証を行うためには適切な比較をすることが重要です。
顧客ニーズの把握
- アンケートの分析
アンケートをすることで、顧客の要望や意見を把握することができます。アンケートではWebやはがき、電話などの方法があります。アンケートを実施することで、「なぜこの顧客層は購入しないのか」といった購入しない理由や、「購入した顧客はなぜ購入したのか」といった購入した理由を把握することができます。商品のパッケージや価格、アプリのUIや機能など、どこに課題がありどこが良いかなどを把握することが可能です。結果をクロス集計することでどの商品がどの性年代で満足度が高いか低いかなどを把握することができます。また、NPSという指標をアンケートで測ることで、顧客満足度を調査することができます。 - 顧客によるレビューの分析
ECサイトや様々なプラットホームには顧客によるレビューがあります。このレビューをテキスト分析することでどのようなキーワードが多く使われているか、関連性の高い単語は何かを明らかにすることができます。
またソーシャルメディアにもレビューがあります。ソーシャルメディアの分析では、どのようなトレンドが生まれているか、どのような商品やサービスが人気を集めているかを把握することができます。
これらを活用することにより、顧客の要望や意見を把握することで、顧客満足度を向上させるための商品やサービスを開発することができます。 - 顧客の履歴の分析
顧客の購買履歴やWebサイト閲覧履歴などを分析することで、顧客が顕在化させていない潜在的なニーズを把握することができます。例えば、バスケット分析では、顧客が一緒に購入する商品を分析して、関連する商品を発見し顧客が潜在的に必要としている商品を発見することができます。これにより、関連商品のレコメンド・商品セット販売・関連商品の購入促進のためのクーポン発行などに役立ちます。
データ分析の進め方
データ分析をビジネスに活かすためには、どのようにデータ分析を進めればよいでしょうか。理想にはなりますが、下記の順番で進めるのがよいのではないかと考えています。
課題を設定する
まずは課題を設定する必要があります。できれば具体的な課題を設定するとよいです。例えば、「施策の効果がわからない」よりも「施策実行によるDAU・PVへの影響がわからない」、「予算削減により施策のターゲットを絞りたいが、施策の最も効果的なターゲットの集団がわからない」などできるだけ課題を詳細にする必要があります。
課題設定にあたっては、以下の5W1Hを意識すると効果的なケースもあります。
- What: 何が課題なのか
- Why: なぜそれが課題なのか
- Who: 誰にとって課題なのか
- When: いつ課題が発生しているのか
- Where: どこで課題が発生しているのか
- How: どのように課題を解決すればよいのか
その課題に対してどのような意思決定をするかを想定しておく
意思決定は非常に複雑で様々な要因に鑑みて総合的にすることが多いと思います。そのため、様々な角度からデータ分析を行い結果が出そろってからどのような意思決定をしようか考えたくなります。しかし、データ分析は時間もコストもかかります。そのため、どのような意思決定をするかをあらかじめ想定しておくことが重要です。例えば、施策を実行してもDAU・PVが予算に対して目標を達成していない場合は中止する、またはより効果的な施策の改善案を考えるなどです。
何がわかると意思決定できそうかを考える
より早くより適切なデータ分析をするためには「何がわかると意思決定できそうか」を設定する必要があります。「今まで分析したことがない」や「興味がある」などは面白いかもしれませんが、それを知っても意思決定ができない場合はビジネス課題を解決することはできません。例えば、アプリのユニークユーザ数の向上がビジネス課題を例に考えてみます。ユーザの性別毎のユニークユーザ数を分析した結果、男性3割・女性7割であることが分かったとしても、施策やUIの変更につなげる意思決定をすることができず、ビジネス課題を解決できなければ、データ分析が役割を果たしたとは言えません。また、意思決定者がユニークユーザの性別の割合がどのような結果であっても、それによって何かしらの意思決定をするつもりがなければ分析をしても意思決定には貢献することは少ないです。そのため、データ分析を進める間に「何がわかると意思決定できそうか」を考える必要があります。
分析設計を考える
「何がわかると意思決定できそうか」を考えた後は、どのような分析をしたら知りたいことが適切にわかるかを考えます。これは「適切な分析設計を考える」と同じ意味です。分析設計は重要です。分析設計は、分析結果の妥当性と再現性に影響を与えます。詳細については良書がたくさんありますのでそちらを参考にしてください。また、分析結果を関係者が理解できるかも考慮して分析設計を考える必要があります。難しい分析手法で解釈が難しい場合は関係者が分析結果を正しく解釈できない可能性があります。また、難しい分析手法が優れているわけではなく、簡単な分析手法でも意思決定をするうえで十分であり、ビジネスの課題が解決されれば問題ありません。
分析設計を考える際には取得可能なデータについて調査する必要があります。適切な分析設計を考えても、取得不可能なデータがあり適切な分析設計ができない場合は、別の分析設計を考える必要があります。必要な期間・種類のデータが取得できるかを調査します。また、欠損が多いと分析結果と解釈に大きな影響を与えます。データがあると思っていても欠損が多く分析に耐えられないこともあるので注意が必要です。
分析をする
分析に使うツールは実施予定の分析手法・スケジュール・分析者のスキル・データ量などを考慮して決めると良いです。
代表的な分析ツールの特徴をご紹介します。
Excel:汎用性の高い表計算ソフト。データ集計、グラフ作成・基本的な統計手法を用いるときなどに適しています。Excelは広く利用されており、多くの人との共有が容易です。データ量が多くなると処理速度が遅くなり、複雑な分析が難しいことがあります。
Python:汎用性の高いプログラミング言語。データ加工・データ分析・機械学習などに適しています。プログラミング言語であるため習得までに時間がかかり、利用するために環境を構築する必要があるため、初心者にとってはハードルが高い場合があります。しかし、一度習得して、環境構築もできるようになれば、データ分析専用のライブラリが豊富に揃っており、高度な分析や機械学習にも対応できます。
SQL:大規模なデータセットを扱う場合にも高速・効率的にデータを処理することが可能です。データ量が多くなり、データベース言語といわれるデータベースを操作するためのクエリを記述する必要があり習得まで時間がかかることがあります。Pythonと比較すると習得しやすいと思います。分析対象となるデータがリレーショナルデータベースに格納されている必要があります。
R言語:統計分析に特化したライブラリが豊富で、統計モデリングの構築・評価が容易に行えます。また、活発な統計分析コミュニティが存在し、情報収集や問題解決に役立ちます。R言語を習得する必要があるため、初心者にとってはハードルが高い場合があります。
分析結果をまとめる
分析を実行した後は、結果をわかりやすくまとめます。わかりやすくまとめるためには、簡潔な文章で事実を記載することが重要です。冗長な表現や回りくどい言い回しを避ける、二重否定を使わないようにします。また、相手の専門知識や理解度を考慮することも重要です。結果を表やグラフにまとめることでより理解しやすくなります。グラフを作成するときは認知負荷が低くなるように不要な要素を取りのぞく必要があります。また、相手に伝わりやすい表現を選択することも重要です。円グラフや第2縦軸は認知負荷が高いので選択しないほうが良いです。
レポートを作成する
結果を出しただけでは意思決定はできません。結果から推察や洞察を加えて意思決定に役立つレベルにまで高めたレポートを作成する必要があります。レポートを活用するのは意思決定者です。意思決定者がどのようなことを考えているか、組織の目的や基本戦略を理解して、どのような意思決定をしようとしているかを理解する必要があります。これは、意思決定者の望む結果に沿ったレポートを作成するということではありません。実行可能で組織の目的と基本戦略に合うレポートを作成するというものです。実行不可能なアクションを提案することや基本戦略に合わない結論では意思決定を支援することは難しいです。普段から意思決定者と密にコミュニケーションを取り、組織の目的や基本戦略を理解しておくことが重要です。
また、データ分析の結果を飛躍して解釈しないことも重要です。ビジネスでは様々な制限の中でデータ分析をすることが多いと思います。その制限が意思決定に大きな影響を与えると判断すれば、実施したデータ分析にはどのような制限があるか、その制限が具体的にどのようなことなのかを意思決定者に伝える必要があります。分析に用いるデータの種類が少ないことや偏りのあるデータであること、使用した分析手法の特性や限界点、分析を行った際の前提条件を明確にして条件が変化した場合の影響について意思決定者に伝える必要があります。結果から飛躍した解釈をしないように誠実にデータ分析の結果と向き合う必要があります。
意思決定者に報告をしてフィードバックをもらう
意思決定者など関係者に報告をします。報告の際に気を付けることの1つに「分析結果に対する説明を十分に行う」があると考えます。分析の目的と背景の明確化、分析手法とデータソースの明記などです。特に分析手法は専門的な内容になり、使用した手法の基本的な考え方や仕組みを簡潔に説明することや、分析対象にその手法が適切であることを説明する必要があります。
また、報告で終わるのではなく、意思決定者や現場の方から分析のフィードバックをもらうことが重要です。レポートは実際に役に立ったのか、役に立たなかった場合はなぜなのか、どのような分析をしたら役に立ったのかをヒアリングします。良かった点、悪かった点をまとめて、もう一度修正して分析をする、または次回の分析に活かすことが重要です。
具体的な分析手法
データ分析をビジネスに活用するためには、適切な分析手法を選択する必要があります。一例にはなりますが、代表的な分析手法について紹介します。
施策の効果検証
キャンペーンなどの施策の効果検証にはA/Bテスト・回帰分析・傾向スコアを用いた分析・差分の差分法・回帰不連続デザインなどがあります。これらは正しい比較をするうえで、何が妨げになっているかによって使い分けます。適切な効果検証の分析手法を用いることで施策の効果を適切に評価することができます。
テキストアナリティクス
VOCやサービスの口コミなど文章で記載されているデータに対する分析がテキストアナリティクスです。テキストアナリティクスを用いることで顧客のニーズや要望をより理解することができ、サービス向上やマーケティングの意思決定に貢献します。
機械学習による意思決定支援
施策を行う上で十分な予算があれば良いですが、限られた予算の中で施策を実施することが多いと思います。そのため限られた予算の中で効果の高いと予測されたお客様を優先して施策を実施したいときは、機械学習と呼ばれる手法を用いることで実現できます。また、施策がなければ購入するが、施策を実施すると購入しなくなるお客様もいます。このようなお客様の特徴を明らかにすることも機械学習を用いることで実現できます。
アンケート分析
アンケート調査で得られた回答データを分析し、調査対象となる集団の特徴や傾向を明らかにすることを目的に行われます。市場調査、マーケティング、顧客満足度調査、社内アンケートなど様々な場面で用いられます。
アンケート分析には様々な分析手法があります。代表的な手法をいくつか紹介します。
- 単純集計
各質問項目に対する回答の頻度や割合を集計します。回答者の人数、回答割合も重要な算出項目です。 - クロス集計
複数の質問項目を組み合わせた分析を行います。例えば「年代別と性別ごとの購入頻度」をクロス集計することで年代や性別による購入頻度の違いを分析することができます。単純集計ではわからない、属性や別の質問項目との関連を分析することが可能です。 - クラスター分析
回答者をいくつかのクラスター(グループ)に分類して、各クラスターの特徴を分析します。分類方法として階層型クラスター分析やKMeans法などの非階層型クラスター分析があります。
まとめ
データ活用の一つであるデータ分析について、メリット・進め方・具体的な手法の一例をお伝えしました。
データ分析をビジネスに活用するためにはビジネス課題は何か・どのような意思決定をしたいかを考えて、適切な分析手法を選択し、結果から推察や洞察を加えて意思決定に役立つレベルにまで高めたレポートを意思決定者に提供することが重要です。
データアドベンチャーカンパニーは、ビジネス課題を解決するという強い気持ちをもってデータ分析をするデータアナリスト・データサイエンティストが在籍しています。もし、データ収集~分析~活用までお困りごとやご相談などあればデータアドベンチャーカンパニーにご相談ください。
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データ分析と聞くと高度な計算や知識が必要と身構えてしまいます。多少の知識は必要になりますが、”手早く簡単に数字の動向を調べたい” など目的によっては特別な分析ツールや知識を大量に要せずとも可能な場合が多くあります。
多くの方になじみのあるExcelでも可能な分析もまた、多くあります。普段使いの延長で操作可能なものが多いため、普段データに触れない方でも比較的簡単に分析できるかと思います。以降Excelを使った分析のメリット・デメリット、できることや機能の紹介をしていきたいと思います。
執筆者のご紹介
くりた
所属:株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー アナリスト事業部 データアナリスト
データアナリストとしてメーカーや、スーパーなどの小売業の分析を行っています。具体的には売上の分析、施策の効果検証や設計に携わっています。
分析ツールの一つである Tableau を中心に扱い、膨大なデータから目的となるデータの抽出・分析、可視化やダッシュボード化を行っています。
その他ツールではExcelやPythonを状況に応じて活用しています。
経歴
メーカーの営業を経て2023年にメンバーズ入社
顧客企業にデータアナリストとして常駐し施策効果検証や顧客分析、データ活用の内製化を支援。
目次
01.| そもそもExcelでデータ活用は可能なのか?
02.| Excelで分析を行う際のメリットとデメリット
メリット
デメリット
03.| Excelでデータの活用を行う場合のポイント
04.| データ活用の際備えておくべきExcelの基礎知識とは
05.|売上データ分析をExcelで行う際の方法は?
分析のためのデータ加工
Excelで代表的な分析
06.|Excelでは難しいデータ分析はある?
複雑な分析の実施
データ量の制限
07.|まとめ
そもそもExcelでデータ活用は可能なのか?
売上データ分析において、Excelは最も手軽に使用できるツールの一つです。Excelは、企業や個人がデータの集計や分析を行うために日常的に使用しており、基本的なデータ入力や簡単な計算、グラフ作成ができるため、データ活用初心者にとって非常に親しみやすいソフトです。
ただし、Excelでのデータ分析には限界があります。Excelは基本的な売上データの集計や分析に十分対応しますが、データ量が多くなったり、複雑な分析が必要な場合には性能や機能の限界が生じることもあります。たとえば、Excelにはデータの行数に制限があり、大規模なデータセットを扱う場合には、他のツールとの併用が必要になることがあります。
では、Excelを使って売上データを分析する場合のメリットとデメリットを見てみましょう。
Excelで分析を行う際のメリットとデメリット
- 広く使われているツール:Excelは多くの企業や組織で日常的に使用されており、ユーザー同士での共有が容易です。また、インターフェースが直感的であるため、初心者でも簡単に操作できます。
- 基本的な集計・分析が容易:Excelの基本機能だけでも、SUMやAVERAGEといった基本的な関数を使って簡単にデータを集計したり、売上の推移を可視化するグラフを作成できます。これにより、基本的な売上分析をすぐに行うことが可能です。
- ピボットテーブルによるデータ操作:Excelのピボットテーブル機能を使えば、売上データを条件ごとに柔軟に集計することができます。例えば、商品カテゴリーや地域ごとの売上を簡単に集計し、異なる切り口でデータを分析できます。
- コスト効率が高い:Excelは多くの企業ですでに導入されているため、新たにツールを購入する必要がありません。初期投資が少なく、データ分析を始めるには手頃なソフトウェアです。
- データ量の制限:Excelは大量のデータを扱う際にパフォーマンスが低下することがあります。特に行数や列数が増えると、ファイルが重くなり、操作が遅くなる場合があります。大規模データの処理には、他の専門的なツールを検討する必要があります。
- 複雑な分析には不向き:Excelでは、基本的な集計やグラフ作成には適していますが、機械学習や統計的な回帰分析などの高度な分析には向いていません。このような場合、PythonやRといったデータ分析に特化したプログラミング言語が必要になることがあります。
- 共同作業が難しい:リアルタイムでの共同編集は、Googleスプレッドシートのようなクラウドベースのツールと比較してExcelでは制限があります。複数の人が同時に編集する場合、データのバージョン管理が課題になることがあります。
Excelでデータの活用を行う場合のポイント
Excelで売上データを効果的に活用するためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。これにより、データ分析をスムーズに進めることができます。
1. データの整備
まず、データが正確に整備されていることが重要です。データの不整合や誤入力があると、正しい分析結果を得ることができません。例えば、日付形式や通貨の表示形式を統一することで、エラーを防ぎ、正確な集計が可能になります。
2. 関数の使いこなし
Excelの強力な機能の一つが関数です。売上データを分析する際には、SUM、AVERAGE、COUNT、IF、VLOOKUPなどの基本的な関数を使いこなすことが重要です。これらの関数を使えば、簡単に売上合計や平均値を計算したり、特定の条件に基づいてデータを抽出することができます。
3. ピボットテーブルの活用
ピボットテーブルは、Excelのデータ分析において非常に便利な機能です。大量の売上データを瞬時に集計・分析することができ、条件を変更してさまざまな視点からデータを分析することが可能です。売上データを効率的に整理し、月別、商品別、地域別の売上推移を簡単に確認できるため、マーケティングや営業戦略に活用できます。
4. データの可視化
データを視覚的に表現することで、トレンドや異常値を一目で把握できるようになります。Excelのグラフ機能を使えば、売上の変動や比較を視覚化でき、経営層やチームメンバーに分かりやすくプレゼンテーションすることが可能です。たとえば、折れ線グラフを使って月別売上の推移を視覚化したり、棒グラフで商品別の売上を比較することができます。
データ活用の際備えておくべきExcelの基礎知識とは
Excelを最大限に活用して売上データを分析するためには、いくつかの基本的な機能を理解しておく必要があります。
1. ピボットテーブルの基本操作
ピボットテーブルは、データを集計・分析するための強力なツールです。例えば、商品カテゴリー別の売上をまとめたり、月別売上の推移を分析する際に非常に役立ちます。ピボットテーブルを使えば、元のデータを変更することなく、瞬時に結果を表示させることができ、分析の効率が格段に向上します。
2. 関数の組み合わせ
Excelでは、複数の関数を組み合わせることで、より複雑なデータ処理が可能です。たとえば、IF関数とSUMIF関数を組み合わせて、特定の条件に基づいて売上の合計を求めることができます。複数の条件を設定して集計や分析を行うことで、より詳細なデータ分析が可能になります。
3. 条件付き書式の活用
条件付き書式を使えば、特定の条件に一致するデータに対して自動的にフォーマット(色付けやフォント変更)を適用することができます。これにより、売上が一定の基準を超えた商品や、逆に売上が低迷している商品を一目で確認することができます。視覚的に重要なデータを強調することで、データ分析のスピードを上げることができます。
売上データ分析をExcelで行う際の方法は?
Excelを使って売上データを分析する際には、いくつかのステップを踏む必要があります。ここでは、データ加工の方法から具体的な分析手法までを詳しく解説します。
分析のためのデータ加工
売上データの分析を行う前に、データを整備・加工することが重要です。データが正確で整理されていなければ、分析の結果も正しくありません。以下のポイントを押さえながらデータの準備を行いましょう。
- 重複データの削除:複数回同じ取引が記録されている場合、分析結果が不正確になります。重複しているデータを削除する作業は基本中の基本です。
- 欠損データの確認と補完:売上データの中には、空白や異常値が含まれていることがあります。こうしたデータは適切に補完(または除外)しなければ、分析の精度が落ちてしまいます。適切な補完方法を考え、整備を行うことが大切です。
データの形式統一:日付や金額の表記がバラバラだと、Excelの関数やピボットテーブルで正確に集計することが難しくなります。日付形式や通貨の表示形式を一貫させることで、後の分析作業がスムーズになります。
Excelで代表的な分析
Excelを活用して売上データを分析する際、以下の代表的な手法を使って効率的にデータを読み解いていくことができます。
売上推移の可視化
売上の推移を可視化することで、季節ごとのトレンドや全体の成長率を把握できます。月別、四半期ごとの売上を棒グラフや折れ線グラフで表示することで、過去のパフォーマンスと比較した上で将来の予測が可能になります。具体的な手順としては、以下のようになります。
- 売上データを時系列で並べ替えます。
- 時系列ごとにデータを選択し、「挿入」タブから適切なグラフ(棒グラフ、折れ線グラフなど)を選択。
- グラフの見やすさを調整し、必要に応じてタイトルやラベルを追加。
このように、売上の時系列データを可視化することで、ビジネスの傾向を一目で把握することができます。
ABC分析
ABC分析は、売上データを基に商品や顧客をA、B、Cの3つのカテゴリに分類し、最も重要な商品や顧客に注力する方法です。例えば、総売上の80%を占める商品を「Aランク」、次の15%を「Bランク」、残りを「Cランク」に分類することで、どの商品が売上に貢献しているかを視覚的に理解することができます。Excelでは以下の手順で行います。
- 商品ごとの売上金額を計算。
- 売上が高い順に並べ替え、各商品の割合を算出。
- 累積売上に基づいて、A、B、Cのランクを割り当てる。
ABC分析により、リソースを集中させるべき商品や顧客を特定することができます。
売上予測
Excelの「移動平均」や「回帰分析」機能を使用して、過去の売上データに基づいた将来の売上予測を行うことも可能です。予測分析を行うことで、将来の売上動向を把握し、効果的なマーケティング戦略や在庫管理を計画できます。
- 過去の売上データを選択。
- 「データ分析」ツールを使い、「移動平均」または「回帰分析」を適用。
- 結果をグラフにして、予測される売上推移を可視化。
これにより、データに基づいた将来の売上予測が可能となります。
Excelでは難しいデータ分析はある?
Excelは非常に多機能なツールですが、全てのデータ分析に対応できるわけではありません。特にデータ量が多い場合や、高度な統計分析、機械学習モデルの実行などではExcelに限界があります。
Excelでは基本的な統計分析や売上予測が可能ですが、複雑な分析には不向きです。特に多次元データや非線形なパターンを扱う場合、Excelの機能だけでは対応が難しいです。こういった場合には、PythonやRなどのデータ分析専用ツールが役立ちます。例えば、回帰分析やクラスター分析をより精度の高いモデルで実行するには、より高度なプラットフォームを利用する方が効率的です。
Excelはデータ量が多い場合、その処理能力に限界が生じます。Excelには1シートあたりの行数が104万8576行までという制約があり、これを超えるデータを扱う場合には、処理速度が遅くなるだけでなく、クラッシュするリスクも高くなります。大量の売上データを分析する際には、BigQueryやTableauといったBI(ビジネスインテリジェンス)ツールやデータベースと組み合わせることが推奨されます。
まとめ
Excelは売上データの基本的な分析に非常に役立つツールです。特に、ピボットテーブルやグラフ機能を使えば、売上推移や顧客の傾向を視覚的に把握することができ、経営判断に必要なインサイトを短時間で得ることができます。さらに、関数を駆使すれば、日常的な売上データの集計・分析を効率よく行うことが可能です。
しかし、データ量が膨大になったり、複雑な分析が必要な場合には、Excelの限界が見えてきます。こうした場合には、Excelと他のBIツールや専用のデータ分析ツールを組み合わせることで、より高度な分析が実現できるでしょう。
データ活用初心者にとって、まずはExcelで基本を学び、売上分析の基礎を固めることが大切です。その上で、さらに高度な分析が必要な場合には、適切なツールを選択し、Excelと併用する形でデータの可能性を最大限に引き出していくことが理想です。まずは小さなデータから始め、徐々にスキルを高めていきましょう。
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総務省(2020)「デジタルデータの経済的価値の計測と活用の現状に関する調査研究※1」によると、データ利活用の効果を享受するには、データ活用を高度化することが有効であるとの分析結果が得られています。高度化とは、難解な分析手法を用いることでは必ずしもないと思っています(手法を知っていることは大事ですが)。難解な手法を用いるというよりかは、適切な課題設定とそれに対応した分析手法とデータ選定を行い、分析結果を解釈して意思決定することだと考えています。本記事では、データ利活用を効果的に行うために何をどのように行うべきなのかを以下6つのステップで紹介していきます。
①データ活用とは
②データ活用のメリット
③どのように利用するデータを決めるのか
④データ生成過程を確認する
⑤分析手法ってどうやって決めるの?
⑥分析結果をどのように解釈し意思決定に活用するのか?
※1 出典:「令和5年版情報通信白書」(総務省)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/pdf/n2100000.pdf
licensed under CC BY 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja
執筆者のご紹介
所属
サービス開発室 秋山
業務内容
データ利活用に関する試験研究/新規事業開発案件における企画・推進をリードしています。GIS(地理情報システム)や機械学習・深層学習モデルなどの技術を活用したり、評価指標設計をしたり、プロジェクト方針の意思決定をしたりしています。
経歴
経済学部卒業後、外資系SIerにて生命保険事業におけるEUCシステムの設計・構築とプロジェクトリードを経験しました。社会人経験後、一橋大学経済学研究科にて産業組織論や応用ミクロ経済学、計量経済学を専攻し、ジョイントベンチャーなどの企業組織形態の最適化に関する理論分析や企業カルテル・談合に関する実証分析などを行ってきました。大学院卒業後、株式会社メンバーズ データアドベンチャーカンパニーに入社した。
目次
01.|データ活用とは
データ活用の目的
具体例
02.|データ活用のメリット
意思決定の精度向上
コスト削減
顧客満足度の向上
イノベーションの促進
03.|どのように利用するデータを決めるのか
目的の明確化
関連性のあるデータの特定
データの信頼性と品質の確認
データのコストと入手方法の評価
04.|データ生成過程を確認する
データの収集
データの処理とクレンジング
データの保存
監査と記録
05.|分析手法を決定する
目的の明確化
データの特性評価
手法の選択
モデルの構築と評価
モデルの適用とチューニング
06.|分析結果の解釈と意思決定への活用
結果の確認
結果の解釈
意思決定への反映
フィードバックと改善
コミュニケーション
07.|まとめ
データ活用とは
データ活用は、組織や企業が日々の活動で収集したデータを活用して、ビジネス戦略や意思決定に役立てるプロセスです。
現代のビジネス環境では、データを単に保存するだけでなく、それを分析し、具体的なアクションに反映させることが重要視されています。
データを適切に活用することで、組織は競争力を高め、業務の効率化や顧客満足度の向上を図ることができます。
データ活用の目的は、以下のように多岐にわたります。
- 業務プロセスの最適化:データを活用して、業務効率を向上させる方法を見つけます。
- 市場トレンドの理解:顧客の行動パターンや消費者の嗜好を把握し、マーケティング戦略に役立てます。
- リスクの最小化:データから得た知見を使い、予測精度を高め、リスクを最小限に抑えた意思決定を行います。
- 顧客データの分析:顧客の購買履歴や行動データを分析し、効果的なマーケティング施策を実行します。
- 製造プロセスの改善:センサーや機械の稼働データを基に、生産工程を効率化し、コスト削減や品質向上を図ります。
データ活用のメリット
データ活用のメリットは、ビジネスのあらゆる領域において効果を発揮します。データを活用することで、企業はよりスマートな意思決定を行い、持続的な成長を促進することができます。
- 客観的なデータに基づいた判断:データ分析を基にした意思決定は、直感や過去の経験に頼る意思決定と比べて、信頼性が高まります。
- リスク軽減:売上データや市場トレンドのデータを活用して予測を行うことで、投資の失敗やリスクを軽減できます。
- 在庫管理の最適化:需要予測を行うことで、過剰な在庫を抱えるリスクを軽減し、在庫コストを削減できます。
- 効率的なリソース配分:効果的なリソースの投入により、無駄を最小限にし、コストを抑えることができます。
- パーソナライズドなアプローチ:顧客の購買履歴や嗜好に基づいたサービスを提供することで、顧客満足度が向上します。
- リピーターの獲得:満足した顧客は、再度サービスを利用する可能性が高まります。
- 新しいビジネスチャンスの発見:市場や消費者の行動データから、新しいトレンドや機会を早期に察知し、新製品やサービスの開発に活かせます。
どのように利用するデータを決めるのか
データ活用を成功させるためには、適切なデータを選ぶことが重要です。すべてのデータが有用というわけではないため、目標に合致したデータを選定することが鍵となります。
まず、何を達成したいのかを明確にします。例えば、顧客満足度を向上させたいのか、売上を最大化したいのかによって、必要なデータが異なります。
次に、目的に関連するデータを特定します。顧客のフィードバックや購買履歴、ソーシャルメディアでのコメントなどがその一例です。
データの正確性と信頼性を確保するため、データソースが信頼できるものであるかを確認します。最新かつ信頼性の高いデータを使用することが、正確な分析に不可欠です。
必要なデータが社内に存在しない場合、外部から購入することを検討します。データのコストも考慮に入れ、費用対効果の高い選択を行います。
データ生成過程を確認する
データがどのように生成され、管理されているかを確認することは、データの信頼性と品質を保証するために不可欠です。
データはさまざまなソースから収集されます。具体的には、センサー、トランザクションシステム、顧客管理システム(CRM)、ソーシャルメディアなどが例として挙げられます。収集したデータがすぐに使える状態にあるとは限らず、適切な整理や加工が必要です。
収集されたデータは、クレンジングと呼ばれるプロセスを経て、誤りや欠損を修正し、一貫性を持たせます。この作業により、分析に適したデータセットが作成されます。また、必要に応じてデータのフォーマット変換や統一も行います。
クレンジングされたデータはデータベースやデータウェアハウスに保存され、後の分析に備えます。保存する際には、データの整合性やセキュリティを確保するための対策が必要です。
データの生成過程全体を監査し、記録を残すことで、後にデータの出所や変更履歴を確認できるようにします。このステップは、データの信頼性を保つために非常に重要です。
分析手法を決定する
データを活用する際には、目的とデータの特性に応じた分析手法を選ぶことが重要です。以下に、分析手法を決めるステップと代表的な手法を示します。
まず、何を達成したいか、どのような課題を解決したいかを明確にします。例えば、売上の予測を行うのか、顧客のセグメンテーションを行うのか、目的に応じて適用する手法が異なります。
次に、使用するデータの種類や特性を把握します。以下のポイントを考慮します。
- データの種類:数値データ、カテゴリデータ、テキストデータなど、データの種類を確認。
- データの量:大量データか、少量データかで使用するツールや手法が変わることがあります。
- 欠損値の有無:データの欠損部分が多い場合、補完の必要があるか判断。
目的とデータの特性を把握した上で、適切な分析手法を選択します。以下は、代表的な手法です。
- 回帰分析:数値データを使い、変数間の関係をモデル化し、未来の数値を予測するために使用されます。売上予測に非常に有効です。
- クラスター分析:データをグループに分け、特定のパターンを発見するために使用します。顧客セグメンテーションや市場の分析に用いられます。
- 決定木分析:決定木は、データを階層構造で分類・予測するために使われます。顧客行動の分類や商品の売上予測に有効です。
- 時系列分析:時間に沿ったデータを用いて、将来のトレンドや傾向を予測します。売上データや市場の変動を予測する際に使用されます。
- テキストマイニング:テキストデータを分析し、重要な情報やトピックを抽出します。顧客レビューやフィードバックの解析に活用できます。
選択した手法を基にモデルを構築します。モデルの性能を評価する際には、次の指標を使用します。
- 平均二乗誤差 (MSE):予測結果と実際の値の誤差を測定。
- 正確度:予測モデルがどれだけ正確に結果を出しているかを判断。
- F値:分類モデルの場合、精度と再現率のバランスを評価します。
最終的なモデルを選択し、適用します。パラメータの調整やアルゴリズムのチューニングを行うことで、モデルの精度やパフォーマンスをさらに向上させることができます。
分析結果の解釈と意思決定への活用
データ分析の結果を正しく解釈し、それを基に意思決定を行うことが重要です。以下に、結果をどのように活用するかのステップを示します。
まず、分析の結果が予測通りかどうか、正確に確認します。これにはグラフや統計指標を使って、視覚的に結果を表示する方法が有効です。異常値や想定外のパターンがないかをチェックします。
次に、分析結果をビジネスの状況に当てはめて解釈します。たとえば、売上予測モデルの結果から、特定の季節に売上が増加する傾向が見られた場合、その原因を探り、さらなる分析を行います。また、顧客セグメントの結果から、どの顧客層が最も利益を生むのかを考察し、今後の施策に反映させます。
解釈した結果に基づき、具体的なアクションプランを策定します。たとえば、季節ごとの売上増加に備えて、特定の時期に在庫を増やす、または利益率の高い顧客グループに対してターゲットマーケティングを行うといった対応を検討します。
分析結果を基に実施した施策の成果を定期的にモニタリングします。期待通りの成果が得られたか、何がうまくいかなかったかを評価し、次のアプローチに反映させます。このプロセスを繰り返すことで、データ分析の精度と意思決定の効果が継続的に向上します。
最後に、分析結果を関係者に分かりやすく伝えることが必要です。専門用語や複雑な統計情報は避け、シンプルかつ具体的に説明することで、組織全体で共通理解を得られ、意思決定のプロセスがスムーズに進行します。ビジュアル要素(グラフ、チャート)を使ってプレゼンテーションすることも有効です。
まとめ
データ活用は、現代のビジネスにおいて競争力を高めるための必須のプロセスです。収集されたデータを分析し、そこから得た知見をもとに意思決定を行うことで、企業は効率的な業務運営や顧客満足度の向上を実現できます。データの選定から生成過程の確認、適切な分析手法の選択、結果の解釈、意思決定への活用に至るまで、一連のプロセスを体系的に実施することで、企業は持続的な成長を遂げることが可能です。
また、データ活用は一度の取り組みで終わるものではなく、継続的に分析プロセスを改善し、意思決定の精度を高めていくことが必要です。組織全体でデータに基づく意思決定を推進し、競争力を維持・向上させるためには、データ活用の重要性を全員が理解し、実践することが重要です。
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データアドベンチャーのサービスご紹介
マーケティングにおけるデータ活用の重要性と具体的な手法
現代のビジネスにおいて、データは「新しい石油」とも称され、その価値は計り知れません。
特にマーケティングの分野では、データを活用することで、ターゲット層の理解を深め、効果的なアプローチを実現できます。
しかし、データ活用の重要性は理解しつつも、その具体的な方法については戸惑いを感じている方も多いでしょう。
本記事では、データ活用の基本から具体的な手法までを、初心者にもわかりやすく解説します。
執筆者のご紹介
髙木
所属:株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー アナリスト事業部、データアナリスト
顧客企業に常駐し、現在は学習塾の申込情報を基に生徒の行動分析や各講習会の効果検証、データ分析基盤の構築を担当
経歴
大学院で分析手法の開発に関する研究を経て、2022年にメンバーズに新卒入社。
入社後、データアナリストとしてECポータルサイトのデータ抽出、加工、可視化といった基本的な業務に従事。2023年から現職。
目次
01.|データ活用とは?
データの種類とその活用方法
02.|顧客データ
市場データ
ソーシャルデータ
03.|データ活用のステップ
データの収集
データの分析
戦略の策定
アクションの実施
モニタリングと改善
04.|データ活用の未来
AIとデータ活用
データプライバシーの重要性
データ活用とは?
まず、データ活用とは何かを定義しましょう。データ活用とは、企業が保有するさまざまな情報(データ)を整理し、それを基にビジネスの意思決定を行うことを指します。マーケティングにおいては、顧客の購買履歴、ウェブサイトのアクセスデータ、ソーシャルメディアでの反応など、多種多様なデータを活用します。
このデータ活用により、以下のような効果が期待できます。
- 顧客の理解を深める: データを分析することで、顧客がどのような製品やサービスに興味を持っているのか、どのような購入パターンを持っているのかを把握できます。
- 施策の精度を高める: データに基づいた施策は、よりターゲットに適した内容となり、効果が高まります。
- 市場の変化に対応: リアルタイムでデータを分析することで、市場の変化に迅速に対応することが可能になります。
データの種類とその活用方法
次に、マーケティングで使用される主なデータの種類と、その活用方法について説明します。
顧客データとは、顧客に関するあらゆる情報を指します。例えば、以下のようなデータが含まれます。
- 基本情報: 名前、年齢、性別、住所、職業など。
- 行動データ: 購入履歴、ウェブサイトの訪問履歴、メールの開封履歴、SNSでのエンゲージメントなど。
- 心理データ: 顧客の嗜好や価値観、購買に影響を与える要因など。
これらのデータを活用することで、顧客の購買行動を予測し、適切なタイミングで効果的なアプローチが可能となります。例えば、過去の購入履歴を基に、次に購入する可能性の高い商品をレコメンドすることで、クロスセルやアップセルを促進できます。
市場データとは、業界全体や競合他社に関する情報を指します。例えば、以下のようなデータが市場データに含まれます。
- 市場規模や成長率: 特定の市場がどれくらいの規模で、今後どの程度成長が見込まれるか。
- 競合他社の動向: 競合他社がどのような製品やサービスを提供しているか、どのようなマーケティング戦略を採用しているか。
- 消費者トレンド: 消費者の購買傾向や嗜好がどのように変化しているか。
市場データを活用することで、競争環境を把握し、自社の強みを最大限に活かしたマーケティング戦略を立案することができます。例えば、競合他社がまだ手を付けていないニッチ市場を狙うことで、競争優位性を確保することが可能です。
ソーシャルデータとは、SNSやブログ、オンラインレビューサイトなど、ソーシャルメディア上での消費者の発言や行動に関するデータを指します。例えば、以下のようなデータがソーシャルデータに含まれます。
- SNSでの言及: 自社製品やサービスについて、SNSでどのような言及がされているか。
- 口コミやレビュー: オンラインレビューサイトでの評価やコメント。
- インフルエンサーの発信: インフルエンサーが自社に関連する内容を発信しているかどうか。
ソーシャルデータを活用することで、消費者のリアルな声を拾い上げ、ブランドイメージの向上や改善に繋げることができます。例えば、SNS上でネガティブなコメントが増えている場合、その原因を特定し、迅速に対策を講じることで、ブランドイメージの低下を防ぐことができます。
データ活用のステップ
次に、データを活用してマーケティング戦略を構築するための基本的なステップを紹介します。初心者の方でも実践しやすいよう、具体的な手順を解説します。
まず、マーケティングに必要なデータを収集します。データ収集には、以下のようなツールや手法を活用します。
- ウェブアナリティクスツール: Google Analyticsなどのツールを使って、ウェブサイトの訪問者データを収集します。
- CRMシステム: 顧客の基本情報や購買履歴を管理するためのシステムです。SalesforceやHubSpotが代表的なツールです。
- ソーシャルメディア監視ツール: SNSでの言及やエンゲージメントを監視するためのツールです。HootsuiteやSprout Socialが一般的に使用されています。
これらのツールを使って、必要なデータを効率的に収集し、データベースに蓄積します。
次に、収集したデータを分析します。分析には、データサイエンティストやマーケティングアナリストの協力が不可欠です。以下のような分析手法があります。
- デスクリプティブ分析: 過去のデータを分析し、現状を把握する手法です。例えば、過去の売上データを分析して、売上のピーク時期や売れ筋商品を特定します。
- 予測分析: 過去のデータを基に、将来の動向を予測する手法です。機械学習を活用して、今後の売上や顧客の行動を予測します。
- プリスクリプティブ分析: 予測結果に基づいて、最適な意思決定を支援する手法です。例えば、どの顧客に対して、どのタイミングでどのようなオファーをするべきかを提案します。
BI(ビジネスインテリジェンス)ツールを活用することで、データを視覚的に分析しやすくなり、意思決定のスピードを向上させることができます。
分析結果に基づき、具体的なマーケティング戦略を策定します。このステップでは、ターゲットセグメントを明確にし、それぞれに対するアプローチを詳細に設定します。
- ターゲティング: どの顧客層に対してアプローチを行うかを決定します。例えば、過去に自社の商品を購入した顧客に対して、リピート購入を促すキャンペーンを展開するなどです。
- メッセージング: 各セグメントに対して、どのようなメッセージを伝えるかを決定します。例えば、新規顧客には特別割引を提供することで、購買意欲を高めることができます。
- チャネル選定: メッセージを伝えるためのチャネル(メール、SNS、広告など)を選定します。ターゲットセグメントの行動パターンに基づき、最も効果的なチャネルを選びます。
策定した戦略に基づき、実際のマーケティング施策を実施します。以下は、具体的な施策の例です。
- 広告キャンペーン: ターゲットセグメントに対して、Google AdsやFacebook Adsなどの広告を展開します。広告のクリエイティブやメッセージは、データ分析に基づいて最適化します。
- メールマーケティング: セグメントに応じたパーソナライズされたメールを配信します。メールの内容は、過去の購買履歴やウェブサイトでの行動データを基に構築します。
- SNSプロモーション: ソーシャルメディア上で、ターゲットセグメントに対してプロモーションを展開します。インフルエンサーと協力して、ブランド認知度を高めることも有効です。
実施した施策の効果をモニタリングし、必要に応じて改善を行います。このステップでは、KPI(重要業績評価指標)を設定し、施策の成果を定量的に評価します。
- KPI設定: 例えば、コンバージョン率、クリック率、ROI(投資対効果)など、具体的な指標を設定します。
- 効果測定: 定期的にKPIをモニタリングし、目標達成度を評価します。目標を達成していない場合は、施策の内容やアプローチ方法を見直します。
PDCAサイクルの実践: Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)のサイクルを回し、継続的に施策を改善します。
データ活用の未来
最後に、データ活用の未来について考察します。テクノロジーの進化に伴い、データ活用の可能性はますます広がっています。
今後、AI(人工知能)がデータ活用において重要な役割を果たすことが予想されます。AIを活用することで、より精度の高い予測分析や、リアルタイムでの意思決定が可能となります。例えば、AIを活用したチャットボットは、顧客の質問に迅速に対応し、顧客満足度を向上させることができます。
データ活用が進む一方で、データプライバシーの重要性も増しています。個人情報の取り扱いに関する規制が強化されているため、企業は適切なデータ管理とプライバシーポリシーの策定が求められます。データ活用を進める際には、プライバシーを尊重し、透明性のあるデータ運用を心がけることが重要です。
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データアドベンチャーのサービスご紹介
今回は基本的なデータ分析の手法やその際に利用できるツールのご紹介、そしてそれらを実のあるものにするために大切なことをお話しします。
今やデータ活用の重要性は多くの企業に認識されていますが、データを蓄積し、ツールを導入したものの、有効な活用方法を見いだせていないという方もまだまだ多いのではないでしょうか。せっかくの貴重なデータやツールが宝の持ち腐れにならないよう、適切に活用していく。それこそが、データ活用の最も大切なポイントです。
執筆者のご紹介
谷
所属部署、職種:株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー アナリスト事業部、データアナリスト
現在大手ディベロッパーのマーケティング部署に常駐し、業務支援を行っています。主な担当業務は、TableauというBIツールやExcelなどを使用したデータ分析、集計業務、そして、Tableauの社内活用の促進のためのスキルアップ支援です。またその他にも、サービスや優待、イベントなど施策立案やメールマガジンの編集の補佐等、幅広い業務を行っています。
経歴:2022年新卒入社でメンバーズ入社。研修期間を経て入社4か月目から現在のクライアントに常駐しています。
目次
01.|マーケティング部署で取り扱うデータとは?
顧客データ
市場データ
ソーシャルデータ
02.|データ活用で得られるメリットとは?
ターゲティングの精度向上
施策のパフォーマンス向上
顧客ロイヤリティの向上
03.|どのような分析手法が活用できる?
クロス集計分析
分散分析
時系列分析
アソシエーション分析
RFM分析
クラスター分析
04.|データ活用で使用できるツールを一部ご紹介
Tableau
Googleアナリティクス4
05.|まとめ
マーケティング部署で取り扱うデータとは?
現代のマーケティングでは、データが成功の鍵となっています。マーケティング部門が活用するデータには、さまざまな種類があり、それぞれがビジネスの成長に貢献します。ここでは、マーケティングでよく取り扱うデータを簡単にご紹介します。
顧客データは、マーケティングにおいて最も重要なデータの一つです。具体的には、以下の情報が含まれます。
- 基本情報:名前、年齢、性別、住所など、顧客のプロフィール情報。
- 購買履歴:顧客がいつ、何を購入したのか、どのような金額を支払ったのか。
- ウェブ行動データ:ウェブサイトでのページ閲覧やクリック行動、購入までのステップを追跡するデータ。
顧客データを活用することで、消費者の行動パターンや興味を把握し、パーソナライズされたマーケティング施策を展開することが可能になります。
市場データは、ビジネスが成長するための戦略を立てるために必要な情報です。例えば、以下のようなデータが含まれます。
- 市場トレンド:業界や市場全体の成長率、消費者の興味や購買傾向など。
- 競合他社の動向:競合企業がどのようなマーケティング施策を実施しているか、どのような商品やサービスを提供しているか。
市場データを分析することで、競合との差別化戦略や新規市場への進出戦略が立てられます。
ソーシャルデータは、SNSやオンラインコミュニティでの顧客の声を集めたデータです。ソーシャルメディア上の反応やフィードバックをもとに、以下のような情報を得ることができます。
- ブランド言及:SNS上で自社ブランドがどれだけ話題になっているか。
- 顧客の感想や評価:製品やサービスに対するポジティブ/ネガティブなコメントやレビュー。
このデータを使うことで、ブランドイメージの向上や、顧客の満足度向上につながる施策を実施することができます。
データ活用で得られるメリットとは?
データをマーケティングで効果的に活用することには、さまざまなメリットがあります。これにより、単なる「勘」に頼った施策ではなく、データに基づく正確で効果的な施策が実現します。
データを活用することで、ターゲット層を正確に特定し、最適なメッセージやコンテンツを提供できます。例えば、顧客の購買履歴や興味のある商品に基づいて、個々の顧客に合わせたメールを送ることで、クリック率や購入率が向上します。
広告やキャンペーンの効果をリアルタイムで測定し、改善が可能です。これにより、無駄な広告費を削減し、最大の効果を引き出すことができます。例えば、Google Analyticsを使えば、どの広告が最もクリックされているか、どのページでユーザーが離脱しているかを瞬時に把握でき、迅速に施策を調整することが可能です。
データに基づいたパーソナライズされたサービスを提供することで、顧客との信頼関係を深め、リピーターとしてのロイヤリティを向上させることができます。例えば、特定の顧客が好む商品を提案したり、彼らの購買履歴に基づいた特別なオファーを提供することができます。
どういう分析手法が活用できる?
マーケティングで活用するデータを最大限に生かすためには、適切な分析手法を選び、施策に活用することが重要です。ここでは、代表的な分析手法を紹介します。
クロス集計分析とは、2つ以上の変数を掛け合わせてデータを分析する手法です。たとえば、性別と年齢層に分けて購入データを分析することで、どの年齢層の男性が特定の商品に興味を持っているかを把握できます。これにより、より細かいターゲティングが可能になります。
分散分析は、異なる要因が結果にどの程度影響しているかを調べる分析手法です。例えば、異なる広告キャンペーンが売上に与える影響を調べ、どのキャンペーンが最も効果的かを把握できます。
時系列分析は、時間の経過に伴ってデータがどのように変化しているかを分析する手法です。これにより、過去のデータを基に将来のトレンドを予測できます。季節ごとの売上変動を分析し、繁忙期に向けて適切な在庫管理やプロモーションの準備ができるようにします。
アソシエーション分析は、どの商品の組み合わせがよく購入されるかを分析する手法です。例えば、ある商品を購入した顧客が、他にどの商品を一緒に購入しているかを調べることで、クロスセルやバンドル販売の効果を高めることができます。
RFM分析は、顧客を「最新の購入日(Recency)」「購入頻度(Frequency)」「購入金額(Monetary)」の3つの指標で評価し、顧客を分類する手法です。この分析を用いることで、どの顧客に特別なキャンペーンを展開するべきかを判断し、リピート購入を促進することができます。
クラスター分析は、類似した特徴を持つ顧客をグループ分けする分析手法です。これにより、異なるセグメントに対して異なるマーケティング施策を展開し、それぞれのニーズに応じたアプローチが可能になります。
データ活用で使用できるツールを一部ご紹介
Tableauは、データの可視化に特化したBI(ビジネスインテリジェンス)ツールです。直感的なインターフェースでデータを視覚化できるため、データに詳しくないマーケターでも簡単に使うことができます。データを視覚化することで、売上のトレンドや顧客行動のパターンを把握しやすくなり、意思決定を迅速に行うことができます。
Googleアナリティクス4(GA4)は、ウェブサイトやアプリ上のユーザー行動を追跡し、分析するための無料ツールです。ユーザーがどのページで離脱しているか、どのデバイスでアクセスしているかなどを詳細に把握できるため、デジタルマーケティング施策の改善に非常に役立ちます。特に、広告キャンペーンやコンテンツマーケティングの効果をリアルタイムで確認し、すばやく調整することが可能です。
まとめ
マーケティングにおけるデータ活用は、今や競争力を維持するために不可欠な要素となっています。顧客データや市場データ、ソーシャルデータを適切に活用し、効果的な分析手法を取り入れることで、ターゲティングの精度を高め、施策のパフォーマンスを向上させることが可能です。また、適切なツールを導入することで、これらのデータ分析を効率的に行うことができます。
データ活用の第一歩は、小さな成功を積み重ねることです。最初は限られた範囲のデータから始め、徐々に分析手法やツールを高度化させることで、マーケティングの効果を最大限に引き出せるようになります。今後もデータドリブンなアプローチを採用し、ビジネスの成長を加速させましょう。
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データアドベンチャーのサービスご紹介
こんにちは。データアドベンチャーの北島です。
今回は、データアドベンチャーが具体的にどのようなサービスを提供しているかについて、サービス体系や事例を交えながらお話ししたいと思います。
執筆者のご紹介
北島史徒
株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー(以下データアドベンチャー) サービス開発室 所属
戦略プランナー
データ活用におけるお客様の課題に対して高付加価値のサービスを提供する「エキスパートサービス」の開発や、実際にお客様へ課題のヒアリング〜提案業務を行っています。
経歴:2019年 株式会社メンバーズ入社。顧客専任のデジタルマーケティング運用支援チームのマネージャーとして顧客のデジタルトランスフォーメーション(以下DX)やカスタマーサクセスの推進を支援。2023年からデータアドベンチャーのサービス開発室へジョインし、データをキーに顧客のDX、カスタマーサクセスの推進をサービス開発という立場から後方支援しています。
目次
01.| そもそもデータ分析サービスって何?
02.| サービスの支援範囲は?
03.| どのようなサービスを提供してくれるの?
04.| 導入のメリットは?
05.| 導入コスト・費用感は?
06.|まとめ
そもそもデータ分析サービスって何?
①顧客のDX現場を「内製化支援」するサービス
企業がビジネス戦略上デジタル化が必要な領域に対して、自社内において「内製化」の潮流が生まれています。
メンバーズでは、顧客チームの一員として継続的に運用・実行フェーズの支援を行うことを「現場支援」と呼んでいます。
データアドベンチャーは、「データ」を軸に企業が業務で発生する情報を収集・蓄積したり、または分析することで、顧客の生産性向上や業務効率化、売上向上に貢献します。データアドベンチャーでは顧客と一体化したチームとして顧客の運用・実行フェーズの現場支援を行っています。このようなデータ活用業務の「内製化」を支援するサービスを提供しています。
②データ領域特化型の「伴走型プロフェッショナル常駐サービス」
データ活用には様々な工程があります。
たとえば、何を目的としてデータを活用すべきかを定義する「データ活用戦略」、実際にデータ活用するための環境を作る「分析基盤構築」、データの収集から加工、可視化そしてビジネス上の意思決定まで一連のデータライフサイクルを回す「運用定着化」などが挙げられます。
データアドベンチャーでは、これら各工程における必要な業務をデータの専門家として顧客のオフィスへ常駐しあたかも社員のように伴走しながら現場支援を行っています。
※弊社サービス資料より引用
③様々な業種の企業に導入していただいています
非デジタル系大手企業からデジタルサービスメガベンチャーまで様々な業種の企業に導入していただいております。
扱うデータはデジタルマーケティング系のトラフィックデータ、売上データ、会員データが中心。デジタルマーケ、ビジネス貢献をゴールとした分析が強み。
一部デジタルマーケに止まらず経営・事業に資する分析や、データ活用組織の立ち上げや組織設計まで対応しております。
※データアドベンチャーカンパニーHP(https://www.dataadventure.co.jp/)より引用
④導入事例の一部をご紹介
ある大手ECサイト運営企業様においては、顧客のデータ活用推進チームを設立するところからご支援をさせていただきました。この事例は「データ活用戦略」「分析基盤構築」「運用定着化」の各工程を段階的に継続的にご支援しました。
各工程で取り組む業務に対し、データアドベンチャーから最適なデータ人材を配置しながら顧客のデータ活用内製化を推進していきました。同時に、顧客へスキルトランスファーを行いチーム一丸となってデータ活用の高度化を実現した事例です。
※弊社サービス資料より引用
サービスの支援範囲は?
データ活用の各工程に最適なサービス・人材の提供が可能です
各工程によって専門領域の異なるデータのプロフェッショナル人材をアレンジして体制を構築していくことが可能です。
人材にはデータエンジニア、データアナリスト、データサイエンティスト等様々な職種が存在します。
※弊社サービス資料より引用
どんなサービスを提供してくれるの?
①各工程に応じたサービスパッケージをご用意しています
「データ活用戦略」「分析基盤構築」「運用定着化」の各工程に応じて、顧客のデータ活用を支援するために様々なサービスをパッケージとしてご用意しております。
顧客の課題に最適なサービスを弊社からご提案し、顧客とコミュニケーションを取りながら支援内容や人材のマッチングを図ります。
※弊社サービス資料より引用
②どんなデータ人材がいるの?
各種サービスにはそれぞれ得意なプロフェッショナル人材がおります。
- データ分析が得意なアナリスト系
- データ環境を構築・運用するのが得意なエンジニア系
- データ活用計画や管理などプロジェクト推進が得意なPM系
これらの系統の中に、さらに各業務に特化した9種の職種で構成しています。
人材の各役割については、ご提案時に弊社から詳細をご説明させていただきます。
※弊社サービス資料より引用
※弊社サービス資料より引用
導入のメリットは?
顧客と伴走することでデータリテラシーを高め内製化を支援すること
データアドベンチャーの5つの強みによって顧客へ価値提供が可能です。
- 内製化への貢献:顧客企業へのスキルトランスファー。最終的に顧客企業のみで自走できる状態の構築をご支援します。
- 多種多様な実績:あたかも社員のように顧客ビジネスドメインを理解したメンバーによる、業界の特徴などを活かしたデータ活用・価値提供が可能です。
- 人的リソースへの対応:顧客のデータ人材不足解決への継続的支援。顧客のニーズやデータ活用フェーズにあわせ、体制のチューニング・増員も可能です。
- 充実した研修制度:データアドベンチャー社内での学びあい文化による最新情報インプットと顧客へのアウトプット。顧客に対するノウハウのスキルトランスファーや勉強会も実施可能です。
- データ領域特化人材:データサイエンティスト、データアナリスト、データエンジニアなど多種多様なデータ人材を多数保有。
※弊社サービス資料より引用
導入コスト・費用感は?
①標準価格表をご用意しております
各サービスに対応した標準価格と人材の対応職種のご用意がございます。
実際はご提案の際に、ご依頼を受けた案件において顧客の課題解決を遂行するために必要なスキル、業務適正を見極めたうえで、業務難易度に応じてジュニア、ミドル、エキスパートといった形で人材単価をご提示の上、ご提案させていただきます。
価格表については、本ページ下よりお問い合わせ頂ければ弊社から追ってご案内させていただきます。
②サービス利用例と費用感
たとえば、顧客の現状のデータ運用に課題がある場合は、
- 弊社メンバーが現状課題を明確化し運用業務を改善・整備
- 顧客の分析メンバーへスキルトランスファーを行い顧客の自律した運用までを支援
このように顧客のデータ活用の「運用整備」と「内製化」を同時に実現していくといったパッケージプランの場合、弊社メンバーは顧客データ活用の高度化を目指すためのご支援を提供することが可能です。この場合の費用感も参考までご紹介させていただきます。
※弊社サービス資料より引用
まとめ
- 弊社が考えるデータ分析の取り組みは、顧客のDXを現場支援と内製化支援によって推進できるものと考えています。
- 弊社のサービスは、あたかも社員のように顧客へ伴走型でプロフェッショナルが常駐し価値を提供するサービスです。
- 弊社のサービス支援範囲としては「データ活用戦略」「分析基盤構築」「運用定着化」の各工程に応じたサービス、人材をご用意しております。
- 顧客のニーズや課題に応じて、サービスを組み合わせたパッケージによるサービスプランのご提案も可能です。
- 導入メリットは、顧客ビジネスドメインを理解したメンバーによる価値提供、顧客へのノウハウ提供、ニーズに応じて柔軟な体制構築などが可能なことです。
- 導入コストについては、標準単価表のご用意がございます。お気軽にお問い合わせください。
弊社のサービス詳細をまとめた資料をダウンロード頂けます。ぜひご活用ください。
またデータ活用に関する困りごとやご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
\ データ活用についてのご相談はメンバーズデータアドベンチャーまで /
\ 相談する前に資料を見たいという方はこちら /
DX現場支援で顧客と共に社会変革をリードする株式会社メンバーズ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:髙野 明彦、東証プライム:2130、以下「メンバーズ」)のデータ領域プロフェッショナル常駐サービスを展開する専門組織、メンバーズデータアドベンチャーカンパニー(カンパニー社長:白井 恵里、以下「データアドベンチャー」)は、データの収集・管理をはじめとしたデータ活用に関わる補助作業を専門に行うリーズナブルな人材派遣サービス「メンバーズデータアドベンチャースタッフ」の提供を開始します。
本サービスでは、提供サービスをデータ分析に関する補助業務に限定することで、既存のサービスよりも価格を抑えることを実現しました。
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背景
通信インフラの高度化やデジタルサービスの普及・多様化とともに、我が国のネットワーク上でのデータ流通量は飛躍的に増大しています(※1)。
その中でもすでにデータ活用に取り組んでいる企業においてはデータ利活用を阻むハードルとしてデータ人材の不足が多く挙げられており(※2)、担当者がビジネス成果を出すためのデータ活用まで着手できていないケースが増えています。
担当者が本来解決すべき問題と向き合い成果を出すためには、データ収集・管理に関わる補助作業を切り離し、委任することが有効な手段の一つです。一方で、補助作業にもデータに関する一定の知識や技術が必要であるため、そのような人材の採用・育成にかかる時間とコストがパフォーマンスに見合わないというご相談を多くいただいております。
データアドベンチャーの提供する「データ領域プロフェッショナル常駐サービス」では、顧客のデータ活用課題に合わせてデータ領域のプロフェッショナルが常駐することで、人材不足の解消に貢献しています。
この度、上記のような補助業務人材の採用・育成コスト課題を解決すべく、データ業務のなかでもデータの収集・管理をはじめとした補助作業のみを専門に行うことでリーズナブルな価格設定を実現した、データ分析サポート特化型派遣サービス「メンバーズデータアドベンチャースタッフ」の提供を開始します。
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サービスの提供範囲
- データ収集・加工
・アンケートデータやWebサイトのアクセスログなどのデータ収集
・収集したデータを分析しやすいように加工・整形
・データの品質をチェックし誤りがあれば修正 - データ分析の補助
・派遣先担当者の指示に従ってデータ分析作業に対応
・データの集計や可視化などの比較的簡単な分析業務
・分析結果の報告書などのドキュメント作成 - データ入力
・商品情報や顧客情報などのデータベース入力
・入力したデータの正確性チェック
・データ入力に関するマニュアルの作成・改定補助 - データの可視化
・分析結果をまとめたレポート作成(ダッシュボード含む)
・グラフや表などを用いた分析結果の表現
・レポートの構成・修正
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サービスの特徴
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・提供サービスを分析サポートに限定し、既存サービスよりもリーズナブルな価格でデータ領域のプロフェッショナルを提供。
・提供人材は、データ活用能力だけでなく業務遂行能力のある弊社正社員。
・データ分析に関する基本技術や各種ツールの知識を習得し、外部顧問や社内勉強会などを通じて最新の知見を獲得している人材を提供。
・業務内容やご要望に応じたデータ人材を選定。
・業務開始後も、データ領域のプロフェッショナル人材約150名が技術面で後方支援。
・最短でご相談の翌営業日に人材提案が可能。
・3か月単位での契約更新となるため、業務の繁閑に合わせて柔軟にご利用いただくことが可能。
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サービスに関するお問い合わせ
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導入に関する費用、流れ、詳細のお問い合わせは下記メールアドレスへご連絡ください。
mail:data_sales@members.co.jp
※1 出典:「令和5年版情報通信白書」(総務省)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/pdf/n2100000.pdf
licensed under CC BY 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja
※2 自社調査:データ利活用の取り組み「内製化」では不十分? 約7割がデータ利活用に課題を感じているという結果に -データ利活用の課題と各社の取り組み状況を調査-(株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー)
https://www.dataadventure.co.jp/post-329/
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株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー
- メンバーズデータアドベンチャーカンパニーについて
株式会社メンバーズの社内カンパニー。正社員として在籍しているデータアナリスト、データサイエンティスト、データエンジニアなどデータ領域のプロフェッショナルを取引先企業へ常駐することで企業のデータ活用を支援し、顧客のビジネス成果に貢献するサービスを提供しています。
・所在地:東京都中央区晴海一丁目8番10号
晴海アイランド トリトンスクエアオフィスタワーX 37階(受付35階)
・代表者:カンパニー社長 白井 恵里
・URL:https://www.dataadventure.co.jp/
・Facebook:https://www.facebook.com/Membersda
・X(旧:Twitter):https://twitter.com/Members_da
- 「データ領域プロフェッショナル常駐サービス」について
データアドベンチャーでは、データ活用戦略の策定から分析基盤や運用体制の構築、内製化までを支援する「データ領域プロフェッショナル常駐サービス」を提供しています。
顧客のデータ利活用施策に合わせて、データアナリスト・データエンジニア・データサイエンティストからチームを編成し、常駐させることで、データ活用における人材不足を解消することができます。
また、データ活用人材不足を解消するだけではなく、顧客先でのデータ分析勉強会や運用体制の構築も行う伴走型支援により、組織全体のデータリテラシーを高め内製化を推進することも可能です。
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株式会社メンバーズ
- 株式会社メンバーズについて
メンバーズは、VISION2030として「日本中のクリエイターの力で、気候変動・人口減少を中心とした社会課題解決へ貢献し、持続可能社会への変革をリードする」ことを掲げ、DX現場支援で顧客と共に社会変革をリードしてゆきます。
・所在地:東京都中央区晴海一丁目8番10号
晴海アイランド トリトンスクエアオフィスタワーX 37階(受付35階)
・代表者:代表取締役社長 髙野 明彦
・資本金:1,057百万円(2024年3月末時点)
・Webサイト:https://www.members.co.jp/
・Facebook:https://www.facebook.com/Memberscorp
・X(旧:Twitter):https://twitter.com/Members_corp
- メンバーズの専門カンパニーについて
2030年に向けて、従来のWebサイト運用領域から、より高度な専門スキルを必要とする高付加価値なサービスを展開すべく、非Webサイト運用領域を中心とした専門特化型カンパニー(専門カンパニー)の拡大を推進しています。
2024年4月末時点で、AI、Web3、UX、データ活用、SaaS活用、脱炭素DXなど、多種多様なデジタルビジネス領域において21社が事業を展開し、企業のデジタルビジネス運用を支援しています。
カンパニー一覧:https://www.members.co.jp/company/groups.html
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本リリースに関するお問い合わせ
株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー
広報担当 小池 育弥
mail:m_da_pr_prg@members.co.jp
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株式会社日経リサーチの活用事例に、弊カンパニー社員のインタビュー記事が掲載されました。
自社の提供価値を最大化するために -市場ニーズを的確に捉える「日経IDリサーチサービス」の活用
「日経IDリサーチサービス」活用事例と、データ活用の重要性についてお話ししております。
ぜひご覧ください。